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ひまわりちゃんがオコな理由は?

34「ひまわりちゃんがオコな理由は?」


一体どうすればいいんだろう

喧嘩っ早い奴が相手なら、エルニやレインなりにすぐに任せるんだが・・・


俺は目の前で泣いている赤毛の女性を前にどうすることも出来ずにいる


しかし俺のせいではないとはいえ、目の前で女性に泣かれるのは少々居心地が悪い



だからとりあえず慰めてみる


「えっと、戦士さん?」


「・・・ぐす、なんだよ?」


「大丈夫だと思うぞ?」


「何かだよ・・・」


赤毛の子が不貞腐れたような顔で聞いてくる



俺はこの子を安心させるためにも言っておく


「この子は君を嫌いになったわけじゃないってことだよ」


「っ! ・・・どうしてそんな事が言える」


一瞬嬉しそうな顔をしたが、それを抑えるようにして尋ねてくる



まあこっから先は俺の推測になるから確定では無いが、落ち着かせるためには必要だろう


「この子の頭の上のヒマワリをさ、この子すごい大切にしてるんだよ

頭を撫でてもそのヒマワリは触れさせてくれなかったからさ

このヒマワリは君たちにとって何か大切なものなんじゃないか?」


俺がそのことを伝えると、赤毛の子はとても驚いた顔をし、堪え切れない笑みが溢れている



そして一歩前に出て、俺の腕の中の赤ん坊を覗き込む


「ほ、ほんとか?ミラがそのヒマワリを」


彼女は少しビクビクしながらも、赤ん坊に手を伸ばし、そのヒマワリに触れる


すると俺には触れさせてくれなかった赤ん坊は、赤毛の子には触らしている


赤ん坊は彼女の手で触れられても抵抗しない

むしろ、少し嬉しそうな顔をしている



うーん、やっぱり予想は正しかったのかな?

なら、この子は・・・


「えっと、なんで俺のとこに来たのかはわからないけどさ

この子は寂しかったんじゃないか?」


俺の2つ目の予想では、この子は赤毛の子に構って貰えなかったのが寂しかったんじゃないんだろうか


それで呼び戻しても、すぐには帰りたがらなかったのではないだろうか



すると赤毛の子はハッとした顔をして


「み、ミラそうなのか?

お前は寂しかっただけで、私を嫌いになったんじゃないのか?」


それを聞いた赤ん坊はゆっくり俺の腕から立ち上がり、赤毛の子の方に両手を伸ばす


それを見た俺は彼女が抱き上げやすいように赤ん坊を差し出す


赤毛の子は慣れた手つきで赤ん坊を受け取った

そして、見た目にそぐわない優しい手つきで赤ん坊の頭を撫でる



「ごめんなミラ、ギルドの奴らと話してて構ってやれなくて

姉ちゃんこれからはちゃんとミラのことを考えて行動するよ」


と言って頰を寄せ合っている

赤ん坊も赤毛の子に答えるように抱きつく



ああ、なんか心癒される姉妹愛だ

俺はそんな彼女らの優しい光景に心癒されていると



「んんん!私のことを無視しないでくれますかね!

今回のご用件はなんですか!そこの男性の方!」


完全に置いてけぼりになっていたギルド職員が、もう接客もへったくれもない態度で俺に声をかけてくる



ああ、そういえばその為に来たんですよね・・・


俺はここに来た、当初の目的を思い出して職員に向き直るのであった





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