またしても娘?
24「またしても娘?」
それから俺たちは後処理について話し合った
一応レインがドラゴン姿で町の冒険者たちに目撃されているので
しばらくはドラゴンの姿にならない方がいいだろうということになった
まあ、元々がこっちの人間の姿みたいなので問題ないようだ
しかし、幼竜の方はまだ人間の姿にはなれないらしい
一応ドラゴンなので、生まれた姿はドラゴンみたいだ
「じゃあとりあえず、日も暮れてきたから
町に帰りましょうか」
「ああ、そうだな
それはそうとして、幼竜って見られても大丈夫かな?
エルは見えてないにしても、この子は思いっきり見えてるし
狙われたりしないかな?」
俺とエル二がそう話していると
突然レインが肩を叩き繰り出す
「では、レン様の契約獣にしてはいかがでしょう?」
「契約獣?」
「はい、この子と契約していただければ
契約獣として、所有権を有することになります
そうすれば、モンスターとして討伐されることも回避できます」
「えっと、また契約?」
「はい、この子は私に似て強く育ちますよ?
それにこの子はあなたの・・・」
うん?あなたの?
てっ!まさか!
さ、流石に俺が父親なんてバカな話が・・・
「あなたにとっても娘のような存在ですので
どうかあの子と契約してやって下さい」
モロそうだった・・・
また、娘かよ
俺の知らないうちに娘が増えてヤバイ
ていうか、これもエル二の俺にまだ話せない話に関係しているのだろう
なんか少しでも話してほしいなぁ
なんて表情でエル二を見ていると
エル二は少し真剣な表情をして
信じられない話だと思うけれどと言いながら切り出した
「えーと、話を纏めると
俺はこの子達の本当のお父さんであるエレンさんの
生まれ変わりかもしれないってことか?」
何やら壮大な話であったが、俺は半神と呼ばれる種族であるエレンという男の生まれ変わりかもしれないとの事だ
先程咄嗟に使った魔法?のようなものはその男が使っていた技みたいだ
そのことや、エルが異様に懐いている事から俺が生まれ変わりなのでは?と考えているみたいだ
そんなまさかって思うけど、ここに来てエルにすぐ出会ったことが、それによるものであるとするならばスジが通る
見えないはずの精霊に見たり触れれたりすることもそうだからだ
本当にエレンさんの生まれ変わりなのか?と難しい顔をしていると
そんな様子の俺を見てエル二が付け足す
「あっ、間違って欲しくないのだけれど
あなたが「お父さん」かもしれないから一緒にいるんじゃないわ
あなたの優しいところに惹かれたから一緒にいたいと思ったのよ」
一瞬その事を疑った自分を恥じた
やっぱりこの子はいい子だ
自身も俺を父親だと信じたいはずなのに
俺のことを気にかけ、俺が父親でなくても
今までと変わりなく一緒にいてくれると言う
であれば俺はその期待に少しでも応えたいと思う
「まだまだ分からないことも多いけど
「娘達」を守りたいからさ
これからもよろしくな、エル二、レイン」
そう言って、2人に微笑むと
すると2人は少し驚いた顔をしてから、目に少し涙を滲ませ、はい!と頷くのだった




