またしても覚えがない?
23「またしても覚えがない?」
「この度は大変申し訳ありませんでした
主人様に攻撃するだけでなく、精霊殿も危険な目に合わせてしまい・・・」
親ドラゴンはその後、幼竜から事情を聞き
俺たちが幼竜を誘拐したわけじゃない事を知り
俺たちに謝罪してきた
「いや、まあ子供がよくわからない奴に
抱き上げられてると誘拐と間違えちゃうのも仕方ない
でも、エル二が危険な目にあったのは確かだから反省してくれよ?」
俺はエル二が守ってくれたから
大事にはならなかったが
謎の力が働いていなかったら、間違いなくエル二は大怪我を負っていただろう
もしかしたら、死んでいたかもしれない
だから、反省はしてもらわないと
するとドラゴンはその大きな体をシュンとさせる
「はい・・・、申し訳ありません
主人様を見抜くこともできず、あまつさえ人族などと呼んでしまい・・・」
「うん?ああ、別にいいよ
実際人族?だし
それより聞こうと思ってたんだけど、その主人様ってのはどういうことなんだ?
正直君の子供も言ってたんだが、身に覚えがなくてサッパリ分からないんだけど」
するとドラゴンは慌て出して
「なっ!わ、私を忘れてしまったのですか!?
レインですよ!レイン!エンシェント・ドラゴンのレインです!
私は主人様がいなくなり、どれだけ心を痛めたか・・・
・・・本当にお忘れですか?」
うっ!俺が悪いわけじゃないんだが
なんだか居心地が悪い
するとエル二がドラゴン、レインに声を掛ける
「レインさん、その事なのですが
実はちょっとした事情があるのです
その事でお話いいですか?」
「え、ええ分かりました
エル二さんでしたよね?
いえ、エル二と呼びますね
私のこともレインって呼んでくださいね?」
何やら同じ女性同士話すことがあるようだ
まあ、俺のことではあるが・・・
何やら、エル二は俺にはまだ話していないことがあるようだが・・
いずれ話してくれるとは思うから、今は聞かないでおこう
まあ、炎を消滅させたアレについては気になるんだけど・・・
その後エル二とレインはナニかを話し合っていた
時折驚いたような様子で俺をチラチラ見ていたのが気になったが
話し終えると改めてレインが話しかけてきた
「エル二から色々聞きました
主人様は、レン様という人族なのですね
私のことを覚えていなくても、あなたが私の主人であることには変わりません
改めて、これからよろしくお願いします」
そう言って、ぺこりと頭を下げてくる
ええっと、これはどうすればいいのかな?
オトモが増えたと考えていいのか?
エルを守るためにも、ここでの増援は嬉しいんだが・・・
「えっと、ついてきてくれるのは嬉しいんだけど
もう少し小さくなれないかな?
そのサイズじゃどうしても、目立っちゃうから」
「サイズですか?
では主人様と同じにしますね」
「ああ、助かる」
「では!竜化解除!」
そう言うと、レインが光に包まれる
うお!眩しい!
キラキラ輝くベールが徐々に薄くなっていく
輝きがなくなってきたそこに
人の姿が見えてくる
肩まで掛かるであろう髪
豊かに膨らんだ双丘
でるところが出ているのに、不思議なくらい細いウエスト
美味しそうなメロンを想像させるようなお尻
俺が上から下を眺め終わるのと同時に
その美女が姿を現わす
スタイル抜群で、黒髪黒目の大和撫子のような美人だ
「お待たせいたしました
改めまして、エンシェント・ドラゴンのレインです
レン様、今後ともよろしくお願いしますね?」
挨拶と共に極上の笑顔を見せてくれる
ぐはぁ!な、なんて破壊力だ!
エル二やエルで美少女や美幼女は見慣れたつもりだったが
人妻の色気はとんでもなかった・・・
俺はレインの笑顔に気圧されたが
「お、おう
よろしくなレイン」
となんとか返事するのだった




