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この子が原因?

20「この子が原因?」


俺は目の前にいる幼竜を見つめる


「えっとこれは・・・

もしかしてこの子強い?」


「ガウ?」



まだ名前がないとの事のエンシェント・ドラゴンの幼竜は、俺の声に応えるように少し首をかしげる



なんだかわからないが、魔力がとてつもなく多い

高いと思っていたエルより多いほどだ



するとエル二もこの子を鑑定したのかとても驚いて声をあげる



「ちょ!ちょっとこれ!?

何よ!このとんでもないステータス!

こんな幼竜が魔力Sなんて!

ま、まさかこの子が大量発生の原因?」


エル二は信じられないものを見たと言った様子だが



「このこ、かわいいおめめしてう〜!

あかいおめめかわいい〜」


エルは安定して呑気な反応だ


突然上から降ってきたことをこの竜の可愛さによって忘れてしまったみたいだ



でも真面目にドラゴンのことを考えてみても


「しっかし、エル二の言う通りこの子が今回のモンスター大量発生に関わってるのかな?

でも、モンスターが逃げ出すにしても大量発生とは関係無いような・・・」



するとエル二は首を横に降る


「いえ、一概にもそうは言えないわ

この子の称号にあるように親を探しているみたい

その親がこの近くにあるとするならば

この近くの山から逃げてきたモンスター達が

大量にいることも納得いくわ」



なるほど、それは一理あるな

それならこの称号も納得いくし、モンスターのことも理解できる


しかし納得出来ないこともある



「なら、なんでコイツは俺のところに落ちて来たんだ?

親のところに行きたいはずなら、俺のところに来る必要なんて無くないか?」


話の通りであれば、その親の元に直接向かえばいいのに、そこじゃなく俺の所に来ているのは何故なのか



「そこなのよね

普通ドラゴンの幼竜なんて、とても警戒心が強くて

見つけることすら困難と言われているのに・・・

何故あなたにそんなに懐いているのかしら?」


エル二は未だエルと共に俺の胸に顔を擦り付けている幼竜に目を向ける



「うーん、やっぱりそこだよなぁ

俺もこの子に見覚えないし・・・

なあ、・・・お前は一体何しに来たんだ?」


俺は応えるわけないと思いながらも幼竜に声をかける



案の定幼竜は言葉なんて話すことなく



「ガァ?ガァ〜」



まあ、可愛いんだけどね・・・

さて・・、どうしたものか




すると遠くの方から



「ドラゴンだぁ!!

ドラゴンが現れたぞぉ!!!

逃げろぉ! 逃げろ!!」



男の野太い声が森に響き渡る


どうやら緊急事態みたいだ

どうなることやら・・・




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