この世界で生き抜くには
13「この世界で生き抜くには」
その後3人でご飯を食べ、今後について話し合う事にした
「それじゃあ、冒険者、商人なんかがこの世界のお金を稼ぐ仕事なんだ?」
やはりというか、この世界には魔物がいて、それを討伐してお金を稼ぐ冒険者などが存在し、冒険者ギルドなども存在しているようだ
「でも、レンは仕事なんてする必要あるのかしら?」
エルニは本当に不思議そうな顔をして聞いてくる
いやいや、流石に無職じゃこの世界生きていけないでしょ・・
そうおもって、俺が若干呆れていると
「でも、私が持ってるお金で十分過ぎるぐらいだし
仕事をするにしても、商人になるため今から知識を詰め込むのは現実的じゃないでしょ?」
予想通りというか、エルニはシンプルに俺がヒモになるルートを選択しているようだ
いやね、確かにありがたい話ではあるんですよ
でもね、男のプライドっていうのがですね・・・
「で、でも冒険者ならいけるだろ?
そう、あのあれだ
エルの社会経験になるだろ?いろんな場所に行くだろうから
お金だけの話じゃないんだ!」
俺はヒモになりたくないだけだが、それらしく反論してみる
「うーん・・
エルの為・・・、・・・そうね、まあ危険は私がいれば大丈夫だろうし
冒険者になるのもアリかな
わかったわ、冒険者になることにしましょう」
エル二は少し渋ったが、やはりエルの事になると親バカ気味になるみたいなので、俺の目論見通りにいった
エル二さん、チョロいっす
話は纏まったので
「ま、まあそういうことだから明日冒険者ギルドにでも行こうか」
「わかったわ、明日みんなで行きましょうか」
とりあえず明日の予定は決まった
気がつくと、視界の端でエルがコクコクと船を漕いでいる
ご飯を食べたから眠くなってきたのだろうか?
「エル?眠たいのか?
眠かったらもう寝ても大丈夫だぞ」
俺があるの髪を撫でてそう言うと
「むぅ、えうまらおきれるお
おとーしゃんとおはなしすう・・の・・zzz」
エルは話しながら途中で寝ちゃったみたいだ
俺の方に顔を向けて
俺の腕にコアラのように抱きついてるのが非常に愛らしい
「あらあら、もう寝ちゃったわね
まあ契約にはかなりの魔力が必要だし
自覚はないだろうけどかなり消耗しているはずよ」
「そっかまあ時間的にもソロソロ眠くなる時間だしな
俺らも今日はもう寝ちゃおうか」
あっ!この言い方は不味いか?
また、ポンコツ状態に・・
「ええ、そうね
今日はあなたも初めてのことばかりで疲れたでしょう
エルを挟んで川の字で寝ましょう」
「えっ?あ、はい・・・」
ああ!予想外の反応に間違えて返事しちゃった!
てか、なんでエル二落ち着いてるんだ!?
いつものポンコツはどうした?
俺の内心を知らずエル二は寝る準備を整えていく
「どうしたの?早くこっちにいらっしゃい?
ほら、エルもゆっくり休みたいだろうしね」
エル二はそう言って、俺の抱いていたエルをあやすように預かる
あっ、これ完全にお母さんモードだ
お母さんモードだとポンコツにならないのか・・・
ていうかこれは俺にかなり気を許してくれたのかな?
今日は確かに眠いしまあいいか
「ああ、わかったよ
おやすみエル、エル二」
「ええ、おやすみ・・・
ね、眠るまで手を握ってていい?
あなたに触れていると私も落ち着くのよ・・」
お母さんモードかと思いきや、年相応の可愛らしさも感じられる
俺はそんなエル二の魅力に惹かれつつある自分を自覚しつつ、そんないじらしいエル二の手をそっと取るのだった




