生まれ変わったみたいです
どうやら異世界に転生したらしいと気づいたのは、物心のついた4歳前後でした
我が家は農家で、父と母、兄二人、そしてわたしと父方の祖母の六人家族
叩くと音の違う石を並べて、木の棒でかちゃかちゃと叩いて遊んでいた4歳前後のある日
初めて見るおっさんが、これまた初めて見るお兄さんに肩を貸して我が家に駆け込んで来ました
どうやらお兄さんは怪我をしているのか、肩から血を流しています
我が家に入るなり、床に寝かされたお兄さんに祖母が駆け寄り、怪我の具合を確認するとなにやらモゴモゴと唱えます
するとどうでしょう
なにもなかった空間からぼんやりと緑色の光の玉が現れ、お兄さんにゆっくりと近寄ります
光がお兄さんの肩に止まると、これまたゆっくりと明滅し、だんだんとお兄さんの肩の傷が消えていきました
口を開けて呆然とその光景を見ていたわたしは「なんだありゃあ…魔法か!? 異世界かよ!?」と思いました
すると、まるで走馬灯のように、前世の人生がわたしの頭の中を駆け巡りました
あまりの情報量の多さに目を回してしまったのでしょうか、私はその場でパタリと倒れたと祖母から後ほど聞きました
目を覚ますと、寝藁に布をかぶせたいつもの我が家の寝床の上でした
横では祖母が藁を編んでなにやら作っています
数分でしょうか、我が家の木製の屋根を眺めていると疑問がいくつも浮かびます
そのなかでも一番の疑問が口からでます