ストリィディア王国観光案内
Twitterで上げていた「#うちの創作世界の観光地をいいねされた数だけ紹介する」をこちらに再録します。23ヶ所中16ヶ所まで。残りは話が進んだらいずれ……(;´Д`)
ストリィディア王国観光案内
1.トリスの生誕祭
トリス大聖堂が奉る聖女サンナ・グルンデンの誕生を祝う国内最大級の祭。11月初旬~12月初旬頃までトリス市内全域が装飾され露店が立ち並び、毎年多くの観光客で賑わう。大聖堂周辺の宗教地区では生誕祭仕様の特別な護符や焼菓子が販売されている。
12月8日の生誕祭当日は大聖堂で祭儀が執り行われ、一般公開されている。美しい聖女に扮した聖歌隊の合唱は必見。なお聖女は毎年公募で選ばれ、選ばれた女性は幸福に満ちた新年を迎えることができるという。
2.蒼の森
トリスヴァル領ブロヴィート村近隣の白雪樹の森。木々から下草に至るまで森全体が白に覆われ、独特の蒼白い陰影が落ちることから名付けられ、その幻想的な光景はお伽噺や小説の舞台に選ばれることも。外縁部には遊歩道が整備され、奥の広場までは徒歩三十分ほど。気軽に森林浴が楽しめる。
※追加情報:11月の雪狼襲撃事件の影響で広場周辺に中級~上級魔獣が出没し、現在立入制限中。解除までに1ヶ月ほどかかる見通し。立ち入る際には駐屯騎士隊の許可証が必要。
3.ブロヴィート村
トリスヴァル領都トリスから徒歩二日ほどの場所にある農村。酪農が盛んで、上質な牛肉や乳製品が有名。蒼の森への観光案内も行っており、一年を通して観光客で賑わっている。
※追加情報:現在蒼の森が立入制限されている影響で宿泊施設に十分な空きがあり、泊まるなら今が狙い目。一部の施設では珍味である雪狼の肉が提供されている。また、試験的に足湯(東方風の入浴施設)が設置されており、半額で利用が可能。口コミで徐々に人気が広がっている。
4.クリスタール平原
トリスヴァル領内。帝国との国境線沿いに位置。かつては巨大水晶の産出地で知られていたが、産出量が減少して現在は採掘は行われていない。しかし土中には水晶の欠片が含まれているため、日中は陽光を受けて平原全体がきらきらと輝く様子が美しい。北部の人気スポットのひとつ。
※追加情報1:帝国内乱の影響で現在立入禁止。難民キャンプが設置され、現在も多くの難民が押し寄せている。規制解除まで数ヶ月~数年かかる見通し。問い合わせはトリス観光組合まで。
※追加情報2:平原の一部に開拓村が新設されるとの情報あり。
5.フィブリア原生林
トリスヴァル領南部に位置する大陸最大級のアルファン銀杏自生地。葉の色が夏は白く、冬は赤みの濃い黄色で交互に生え変わり、それぞれの季節で異なる独特の景観を生み出している。湿気が非常に強い上、魔獣が多く棲息するため散策には向かないが、外縁部の展望台から見渡す原生林は絶景。
6.シルヴェリアの塔
トリスヴァル領内のシルヴェリアの森中心部にある塔。帝国領時代のバザロヴァ王朝期に領主一族の成人儀礼用の施設として建設された。全体が光り輝く特殊な石材で建造され、緑の樹林に塔の白さが映えて美しい眺めとなっている。展望台から臨む緑と白の見事なコントラストは絶景。
現在は劣化が進み、一般人の立入はできない。また、冬の間展望台は閉鎖され、周辺地域への立入は一部の例外を除いて規制されている。しかしながら、よく晴れ渡った日に街から臨む白一色の景色もまた見事である。一見の価値あり。
7.エステルヴァルの要塞
エステルヴァル領の国境地帯を臨む高台に位置。青々とした美しい平原に囲まれた白亜の宮殿に見紛う要塞を望む風光明媚な風景は、王国東部の景勝地として有名。日中は観光地として賑わう。平時は監視砦として運用されており、一部区画は一般公開されている。軍事マニアに人気。
なお、要塞周辺の草原に見える地帯は実際には葦に覆われた泥炭地である。誤って踏み込めば二度と抜け出ることができない底無し沼で立入禁止になっている。領土奪還作戦の際に逃亡しようとして入り込んだ帝国兵の遺体が今でも沈んでいるとされ、一部愛好家の間では心霊スポットとしても知られている。
8.王立騎士団訓練場
ストリィド王城の軍事区画にある施設。常時一般公開されており、予約無しで訓練を見学できる。軍事マニアや女性ファンが多く集まる王都の人気スポット。近衛騎士隊や各地方騎士隊の精鋭が参加する年一度の天覧試合は予約が必要。(予約は観光組合各支部で受付)
なお、オリヴィエル王が十八歳の時、当時王立騎士団第三分隊長であったセシリア王妃に求婚の許可を得るため、一対一の戦いを申し込んだ場所としても有名。試合が行われた6月23日には恋愛成就の願掛けに毎年多くの男女が訪れる。(余談であるが、王が剣技で王妃に勝利したのはこのとき一回限りである)
9.ロヴネル領
著名な芸術家を多数輩出しているロヴネル伯爵家が統治。国内外の美術品を収蔵する美術館や画廊、美術学校が各地に数多く存在する。伯爵家所有のコレクションを収蔵するロヴネル美術館や、現代彫刻が点在する広大な庭園で散策が楽しめるショルンスヴァリ公園が有名。
領都のロヴネル美術館は街の一区画を占有するほどの巨大さを誇り、一日では見終わらないほど。しかし館内各所にカフェや食堂、宿泊施設が併設されており、数日かけてゆっくり見学を楽しむ者も多い。なお、ロヴネル家歴代当主の作品が購入できるのはこの美術館のみである。
10.ストリィド王城
シェーナ湖を臨むタリアン岬に建築された城塞。広大な敷地内は王族居住施設と政治施設、庭園がある宮殿区画と、王立騎士団本部や訓練施設がある軍事区画、ヨーン・オロク礼拝堂がある宗教区画、畑や畜舎がある農場区画の4つの区画に分かれる。一部は一般公開されている。
王国歴252年に要塞として建造され、情勢が落ち着いた440年前後に宮殿が増築され王家の居城となった。677年のドルガスト帝国侵攻時に宮殿の約6割が焼失、損壊。以降城塞に居城と行政機能が移行され、宮殿は約30年に渡り放置されていた。711年に荘厳なベーヴェルシュタム様式で再建。
11.シェーナ湖
王国東南部に位置する湖。南岸にストリィド王城を抱く。日暮れ時に湖側や東岸から臨む王城は幽玄的な美しさである。サーモンやパーチ、鱒、岩魚などの他、アルファン蟹やシェーナ貝などの水産資源が豊富で、湖畔に点在する漁村や観光地は多くの釣り人や美食家で賑わう。
12.トリス市
トリスヴァル領都。王都に次ぐ王国第2の都市。700年の歴史を感じさせる落ち着いた街並みは美しく、その中でも一際目立つトリス市庁舎やトリス大聖堂は観光名所としても有名。一部は一般公開されている。領内産の新鮮な素材を生かした郷土料理店やカフェが立ち並ぶ美食の街でもある。
移民が多く、外国人にも親切な人々が魅力。市内には輸入品店や各国料理店が点在し、国内にいながらにして海外の味が楽しめる。また第三街区の酒屋「詩の蜜酒」は国内外の酒を数多く取り揃え、酒好きの市民や観光客に人気のスポットとなっている。併設のパブでは酒やドリンク、軽食も楽しめる。
13.トリスの森
トリス市の西側に広がる森。市民には西の森と呼ばれて親しまれているピクニックスポット。天然の小さな広場や池、小川が点在し、休日には多くの市民が日光浴やベリー摘み、釣りなどを楽しみに訪れる。外縁部にはほとんど魔獣はおらず、子供連れでも安全に遊べる貴重な野外スポット。
※追加情報:中央部より奥には大蜘蛛や大百足などの虫系魔獣が棲息するため立入禁止。
14.アイロラ湿原
トリスヴァル領南部アイロラ村近隣の湿原。鮮やかな若草色に発光するヒカリミズゴケと咲き乱れる可憐な金平糖草の花が美しい。晩春~初夏が見頃。沼地は浅く、深い場所でも膝下辺りまでと安心して探索が楽しめる。ウンディーネの棲み処としても知られ、運が良ければ遭遇することも。
また森海月や蛍茸、月下蝶などの発光生命体が数多く棲息し、日没後は妖精の舞踏会のような光の乱舞が楽しめる。夜間は危険なため立入できないが、湿原周辺に点在するコテージや展望施設から観賞が可能。月下蝶は月明かりのある夜にしか出現しないため、条件の良い満月の夜には多くの見物客が訪れる。
15.トリス大聖堂
聖女サンナ・グルンデンを奉る国内最大級の大聖堂。12月の生誕祭もまた国内最大級の祭とされ、多くの参拝客や観光客が訪れる。遠くからもよく見える高さ103メテルの白亜の尖塔はトリス市のシンボル。季節の花が咲き乱れる敷地内の広場は聖人や神々の彫像が点在し、散策を楽しめる。
大聖堂から大通りへと抜ける大聖堂通りには多くの宿坊や土産屋が立ち並び、民芸品や銘菓が販売されている。大聖堂認可店舗では護符の購入も可能。通り沿いのハスロ公園併設カフェでは大聖堂の尖塔を眺めながら紅茶や焼菓子を楽しめる。大聖堂を模してクリームをうず高く絞ったマロンケーキは絶品。
16.リンデゴートホテル
トリス市第一街区の高級ホテル。宿泊客には上位貴族が多いが、15年前に増築された別館は比較的低価格で宿泊が可能。セーデルバウム形式の本館は築630年で市内最古の建築とされ、見学希望の学者や建築マニアが後を絶たない。事前に申し込めば館内の一部が見学可能。
雪男「ロヴネル家ってこれとんでもない財産持ちでは!?」
ルリィ「女伯様目当てに皆目の色変えるわけだよね」
ペルゥ「自分の肖像画は誰が描いてくれるのかなー♪」
雪熊画伯「キリッ」