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狼煙を上げろ!

読んで頂いて有難うございます、書き始めたばかりの素人です、温かい目で見て下さい。


 鬼ヶ島上空高度3000M付近。


「ラジャー」


 通信機の向こう側から聞こえてくる声はやけに嬉しそうだった。


「抜かるなよ、この作戦は俺たち『犬組』が先鋒隊なんだからな」


「あぁわかってるよ、どデカイ花火を打ち上げてやる」


 そう通信している味方は今コックピットの中に居た。

 彼らは犬の空軍特殊部隊だった、そんな彼らは今爆撃機にて編隊を組みつつ敵の本拠地に爆撃をくらわせようとして居た。


「只今鬼ヶ島上空まで到着5秒前……」


「よし全機爆撃を許可する!」


「ラジャー全機ミサイル投下!」


 何百もの爆撃ミサイルが上空から投下された、ミサイルの落下する空気の抜けたような間抜けな音を発しながら落ちていく。


 ドゴオオオオオオオオォオオオオン!!!!!


 圧倒的な爆風と熱を帯びた破壊の渦は島の形を超えるほどの跡を残したかに見えた。


「っち、これでも奴らのバリアを突破しないか……」


 目の前に見せられたのは、ぶ厚い鋼鉄に阻まれて悠然とただずむ地下要塞があった。


「これだけのミサイルを以ってしても奴の創り出した要塞には傷一つ付かずか……まぁいい想定内だ」


 結果を見ても犬は笑って居た、この爆撃によって壊される程度なら俺たちはここまで苦しまなかった、強大な敵に立ち向かうその興奮を噛み締めていた。


「猿! 道は切り開いたぞ、そっちは準備できてるんだろうな?」


「はっ、誰に聞いてやがる。とっくに準備できてるさ」


 犬の戯言を一笑した猿、彼は地上から軍隊を進めていた。

 万を超える大部隊、猿の傘下にある地上侵入部隊が動き出した。


「さぁおめえら! こっからは俺たちの仕事だ、別に俺たちが倒してしまっても良いんだぜ?」


 軽い発破と冗談に部下達は笑う、彼等は猿のカリスマに魅入られて付いて来た気狂いどもだ、今更死地にいく事を恐れる奴は居ない。


「花火には出店が必要だろう? 鉛玉をその口に食らわしてやれ!」


 サーイエッサー! と心地よい返事が聞こえる、大地を黒一色で塗りつぶすように大部隊が進軍した。

 進軍早々爆発をシェルターで逃れた敵との激しい銃撃戦が勃発した、倒れる味方達その屍を超えて次々に突入してくる。


「な、なんだこいつらは?! 死ぬのが怖くないのか?」


「や、やめろくるな! くるなぁあ!!」


 電撃作戦の序章は味方の優勢に働いた、焼け付く火薬の匂いと硝煙を辺りにばら撒き彼らはここに地獄を作り出していた。


 千切れ飛ぶ腕、飛び出る内臓、身元も分からないくらいグチャグチャになった物。

ありとあらゆる地獄絵図を作り出す、そんな中次第に敵の反抗も強くなって居た。


「おいおい、なんだこりゃ? ひでー有様だなぁ!」


 そういってやたらと図体のデカい男が出て来た、あいつがこの部隊の隊長だろう。

冷静にそして速やかに指示を出して体制を急激に整えて居た。


「不味いなアイツが出てから敵の反撃が組織立って来やがった……」


 猿はその顔をクシャりと潰し相手の指揮官を賞賛して居た、あれ程までに鮮やかな指揮。

 きっと優秀な奴なんだろう、こっちの味方だったらさぞ活躍して居ただろう。


「だが‥‥残念だな、こっちにはアイツがいる」


 指揮官の男は声を張り上げる。


「隊列を組み速やかに後退! ここで一旦防衛ラインを……」


 指示を出している男の声が突然途切れた、戸惑う部下達、形勢はあっと言う間に反乱軍へと傾いた。


「へへ……相変わらず仕事がはやいもんで」


 遥か後方、猿の後方より敵を撃ち抜いた奴がいた。


「……死亡確認、排除完了」


 鷹の目の異名を持つ「雉」の仕業だった。


 その後も組織立って抵抗を試みた瞬間に音も無く部隊の隊長クラスの眉間に穴が開く。

 雉が全ての反乱の芽を潰していた。


「よし! 入り口まで来たぞ! 犬作戦通り行くぞ!」


「あぁ、計算上それで問題なく入口が壊れるはずだ」


 地上部隊は屍を積み上げながらも敵の鋼鉄の壁まで近付いた。


「掘削部隊、準備!」


 この鬼ヶ島に入る為に技術の粋と金を惜しまず投入した秘密兵器、鋼鉄の壁をゴリゴリと削って行く。

 その間にも敵の攻勢は止まない、この一帯には血の池ができていた。


「ひでぇ有様だな、だがもう少しだ! 頑張れ!」


 鋼鉄の厚みは調査の結果50Mにも及ぶ、地球上で最も厳重な場所かも知れない、ただ入り口と呼ばれているこの場所だけ厚いと言っても十数Mな事は分かっていた。


「到達まで後4M、特殊爆薬をセットします!」


「よし! いいぞ!」


 爆発のスペシャリストが特別に調合して作った指向性爆薬をセットしていく、そしてその時は来た。


「セット完了! いつでも行けます」


「やれ!」


「はっ!」


 爆破の瞬間、けたたましい音と共に穿たれた。

見事に入口が粉砕された。


「ヒュー、流石だ!」


 犬猿の仲とかゆう諺はこの二人にはどうやら当てはまらないようだ。

 固い絆で結ばれた男達は信頼し合っていた、もう彼等を阻むものはない。


「蹂躙だ、蹂躙しろ」


 猿の発言に生き残りは殺到する、犬と雉も後を追って突入した。

 その様子を後方で桃太郎は眺めていた。


「壊れたか……犬の計画に狂いはない、作戦通り俺も向かう。おじいちゃん、おばあちゃん見ていてくれ」


 目の前の愛刀を桃太郎は携え、悠然とそして憮然とした足取りで歩き出す。


「貴様の悪事もここで終いだ、ケリを付けようじゃないか、なぁ? 温羅ぁ!!」


 

歴史には残らない男達の戦いが始まった。


この後は敵のボス「温羅」に視点が写ります。慌てふためく姿を笑って見ていて下さい。


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