一族
俺の家系は、グランドエンハンス国にある、鍛冶屋の一族「エンハンス」である。
国の名前にエンハンスが付いているのは、建国王が我が家の祖先と建国前からの親友で、共に手を取り国を作ったが、王にならなかった祖先を思い、これからも親友と言う意味も込めて、王の家名とエンハンスの家名を合わせ国名にしたらしい。
そして、現在はグランドエンハンス国に、特殊な能力を保持する鍛冶屋が、「エンハンス」筆頭に「ソード」「アクス」「アーチャー」「シールド」の5つに分かれている。
建国時、鍛冶屋は「エンハンス」のみで、当時の当主が今後の事を考え、装備の種類別に適正有る弟子を指導し、当時の能力と共に分けたとの事。
なので、総括は我が家と言うことで、何十年と続いている。
能力に関しては、
「ソード」…………武器の軽量化
「アクス」…………武器使用時、相手に与える重力
「アーチャー」……身体的、距離適正・命中
「シールド」…………身体的、硬化
そして、
「エンハンス」……身体的、能力向上・痛覚無視
能力は一族(血脈)のみ伝授する事が可能。
生まれ持った体質によって、発動時間が異なる。場合によっては、能力以上の覚醒をする場合もある。
能力停止後は力を吸われた状態になり衰弱し、ほぼ戦闘不能、または死にも繋がってしまう。
万能では無いが、力を加減する事で持続時間や、戦闘不能回避は可能である。
その為、身体的な負荷が掛かるので、この国の成人。15歳になるまで、能力の正式伝授は禁止とされている。
ただし、正式伝授が15歳であって、能力自体は少年時でも、本人が知らぬ間に発生させる事もある。
ガクもエンハンス家の一族である事に変わり無い。
考え過ぎかもしれないが、嫌な危機感を覚えていた。