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追憶
--アリスの追憶--
私の両親は王都のとある学校で研究者をやっていた。
魔族でないと使えない魔法を使えるようにすると言う内容だった。
よく私に夢を語ってくれたっけ。
ある日、王宮から両親にお呼びが掛かり、王宮で研究をする事になったと言う。
それから、両親の帰りが遅くなり、遂には帰ってこなくなった。
特に魔法の研究に対して悪意はなかったし、それだけ忙しいんだ、しょうがないと自分に言い聞かせた。
王宮から使いの方が来て、教会に連れて行ってくれた。
研究が忙しいからしばらく此処に居るように言われた。
そこでは色々な人がいて、日々楽しかった。
特に年下の子は手が掛かるが可愛い。
ある日、司教様に呼ばれ、王都に行く事になった。
王宮で両親には会えなかったが、魔法が使えるようになった事で、両親の研究は成功したのだと喜んだ。
その力の代償が人の命と知らず……。
アリスの追憶回です。
次は本編に戻ります。