王都の戦い①
襲ってきたヴァリアントよりリズの力の方が上回っている様だった。
リズがヴァリアントを抑えてくれている隙を見て俺はアリスを連れて王城へ走った。
ライザは……行ったか。インフィアとの交戦中にライザの走る姿を見たが、上手く余波を交わせていたので安堵した。
ライザを先に向かわせたのは、今の最大戦力と思われるインフィアを止められないと思った事と、ライザが過去の戦い方を思い出してくれるかも知れないと言う淡い期待からであるが、前回と同じ様な結末だけは避けるために、まずはこの状況をなんとかせねば。
「フィアよ、お主は何が目的なのじゃ?」
「目的? そんなんなもんねーよ」
「なんじゃと? こんなに大規模に破壊やらしておいて……」
「オレは別に人間なんざどうだっていいし、強い奴と戦えるのならそれだけで十分だ」
「戦いなんて昔はシアも含めて飽きる程戦ったではないか!」
「はぁ? 訳の分からないことを! 昨夜もゴチャゴチャ言っていたが、オレとお前が戦うのは昨夜が始めてだろ? それに、シアって誰だよ?」
「シアを覚えておらんのか? クロノシアの事じゃ!」
「あぁ、クロノシアの事が。魔族の中ではディーナとクロノシアが最強と聞いてるからな。2人を倒してオレが1番になってやる!」
あぁ、フィアのこの言葉と表情、覚えがある。確かわしら3人が初めて会った日じゃったか。
しかし、クロノシアがいないのを知らないとは……。
声や姿はインフィアそのものじゃが、記憶があやふやな事が気になる。もう少し突っ込んでみるか。
「インフィアよ、わしとクロノシアを倒して魔族の頂点に立った後はどうするんじゃ?」
インフィアは聞かれた質問の意味がわからなかったのか、しばらく悩んでいたが何かを思い出したようだ。インフィアが思いついた事を口にすると同時にわしも言葉を合わせた。
「「ニンゲンモマゾクモミナゴロシ」」
わしとインフィアの声が重なる。
「な、なんだよ、よくわかったな?」
「あぁ、知っている……前にも聞いたからな」
「な、何なんだ、さっきからお前は!!」
うろたえるインフィアへ更に言葉を続けた。
「そもそも、何故同族の魔族も殺すんじゃ? 理由は? 明確な理由があったはずじゃが」
「理由? 理由なんて……あれ、なんだっけ……? そう言えって……そう造られて……? あぁぁ、うるさい! 理由なんて関係ない!」
インフィアはわしの質問に言い返せなくなったのか、怒り魔法を放つ体制をとる。
そう言う事か……。
わしは全てを理解した。




