勇気
アリスと共に扉を開いた瞬間、轟音が鳴り響き、空は赤く染まっている。もう先頭が始まっているのだろうか。
走って大通りまで出て見ると、街の人間が我先にと王都の門へ向かい逃げ惑っている。
半壊する建物を避けながら空を見上げると、師匠とインフィアが魔法合戦を始めてるじゃないか。
見たこともない魔法円を空にえ描きながら、二人が行使する魔法の規模と威力が昨夜の比ではなかった。
外へ出てきたはいいが、これからどうするべきか。
お互いの魔法はすでに、場所や建物など気にしないほどに激化しており、建物を抉り、破壊していく。
あんな戦闘をしている師匠のところに行くのは危険流石だと思うし、そもそもあの状態では近づけないな……。
兎に角、目指すは王城か……。
「アリス走れるか?」
「はい、大丈夫です!」
こんなに派手に戦っているインフィアの目的が全くわからないし、王も自分が統治している王都を破壊してどうしたいんだろうか。
アリスの状態を確認し、魔法の余波をかわしながら王城へ向かう。
建物の間から見えてきたのは、ヴァリアントの群れだった。
昨夜リズが変異した5体もいるが、どうも誰かが戦っているらしい。
建物の陰に隠れながら様子を見ると、あれは、サラとギドか?
ギドはどうも騎士団を率いてヴァリアントと交戦しているみたいだ。
なかなかに善戦しているようだ。……。
「ギド! なんでここに?」
「おう、ライザか! この辺りもかなりあぶないぞ!」
「って言うか、昨日アリスの家にくるんじゃなかったのか?」
「いやなぁ、案の定、俺の行動はどうも王様に気づかれててな、仲間が匿ってくれてたのさ。俺が任されていた小隊と隠れて機会を伺っていたんだ」
「そうか……しかし、あれと良く善戦してるじゃないか」
「まぁ、腐っても騎士だからな! ってか、あの化け物は俺たちに任せて先に行ってくれ、王城の門のところでマリア姫を待たせている」
「あぁ、わかった! でも、俺に期待なんてするなよ」
「まぁ、あのディーナ様も戦ってるんだ、なんとかなるだろ!」
そのディーナ様もインフィア相手に手こずっているようだけどな……。
アリスと共にバリアントの群れをくぐり抜け、王城へ向かうが、建物の影からヴァリアントが一体現れた。
ヴァリアントはこちらに向かい腕を叩きつけようとしていた。急すぎて回避が間に合わない!
ダメかと思ったところ、俺たちの前にリズが立ちはだかった。
「お嬢様に!! 何をするんですか!!」
リズはヴァリアントの腕を受け止め、そのまま掴んだと思ったら放り投げ地面に叩きつけた。俺たちは一連の出来事に驚愕していた。
「お嬢様! お怪我はありませんか?」
「だ、大丈夫……でも、なんか、リズ……力持ちだね……?」
「私もびっくりなんですが、何故か力がみなぎるんです。ヴァリアントになった時の力が残っているみたいで」
リズはガッツポーズを決めながら、自身の身体に起こっていることをシミジミ話していた。
「という訳で、ここは任せて先に行って下さい!」




