教会での決闘③
正直もうダメだと思った瞬間、間一髪のところでサラの攻撃が入り助かった。
とりあえず、二人で戦った方がいいだろう。
ギドを前に2人で戦闘体制を取ったまま、打ち合わせに入った。
「ライザ、交代だ」
「なんでだよ、俺も一緒に戦った方がいいだろ?」
「まぁ、そうなんだが……あまり無理はしなくていいからな」
「なんか、心配してくれてるのはわかるけど、さっき一人で負けてただろ……で、何か倒せる策はあるのか? 俺はさっぱりなんだが」
「一応、あるにはある。ただ、ちょっと不慣れな魔法を使いたくて、少し時間が欲しい」
「一人で足止めしろってこと……だよな?」
「できそうか?」
「できそうも何も、やるしかないんだろ? 出来るだけ早くしてくれよ。マジで……」
サラの魔法は速度強化以外見たことはなかったので、新しい攻撃魔法? を使うつもりなのだろう。
とりあえず、足止めは引き受けたが、先程は一人でギドと戦った結果が、まさに”死”の何ものでもなかった。
だが、俺も攻撃的な魔法が使えればいいのだが、今はサラの新魔法に頼るしかない。
会話が終わると、サラは物陰に隠れて、詠唱の準備に入る。
「おう、やっと話はまとまったか?」
「ああ、おかげさまで」
「それで?」
「とりあえず、あいつは休憩だ。また俺が相手になる」
「へぇ、次はないぞ?」
話が終わる瞬間、魔法で加速し、ギドへ斬りかかる。
が、やはり予想通りではあるが防がれてしまう。
加速魔法で移動時、前回の様に掴まれないように回避に専念する事にした。
ギリギリの攻防のせいか、とても長い時間が経った気がして、サラへ叫ぶ。
「サラ! まだかっ?!」
返事がない。
いい加減、もう耐えられないぞ……。
そろそろ、加速魔法の継続も限界かと思った瞬間、サラの声が響いた。
瞬間に、サラとギドの射線上から離れる。
「こいつぁ、隠し球ってわけか」
「時間をくれた事に感謝するよ。これでお仕舞いだ!」
サラの放った魔法が風を起こし渦を巻く。
その空間で巻き起こった風の切り裂く風の刃がギドを包み込んでいく。
「こりゃ、また……ぐうううああぁぁぁ」
「やったか?!」
唸り声と共に完全にギドは風の刃に飲まれた。
正直これで終わってくれなければ、本気で打つ手がない。
師匠の意で修行したのだろう魔法はかなりの威力だったし、もし生きていてもタダでは済まないはずだ。
次第に渦を巻いていた風が収まり始め、ギドの姿が現れる。
ギドは崩れるように両膝をつき、動かなかった。
俺とサラは顔を向き合い、何とか終わったと安堵の表情をした瞬間、
「二人とも避けて!!」
急にアリスの声が響いた。
ギドの方を見ると絶命したと思ったが、両膝を着いた姿勢のまま、上を向き、何かブツブツ言っている。
急いで飛び退いた瞬間に、立っていた位置に赤い魔法陣が現れる。
もしかして、ギドが魔法を?
赤い魔法陣から炎が柱の様に立ち昇る。
アリスの声がなかったら避けられなかっただろう。
それより、あいつは不死身か?
もう少し頑張らないといけないって事か。
やれやれだ……。
ギドはゆっくりと立ち上がり、ゆっくりこちらを向いた。
流石にもう余裕は見せないだろう。
「今のはちょっと、いや、かなりやばかったなぁ」
「……あのまま寝ててくれていいんだぜ?」
「まぁ、あれだ、大分ダメージは食らっちまったが、俺の奥の手も見せた事だし、遊びは終わりにして、もう殺させてもらうわ」
さらっといつでも殺せます宣言か。
さっきの魔法でダメージは負わせられたが、さて、どうしたものか。
しかし、ギドが魔核適合者とは……。
さっきの魔法を見る限り、対象の足元で発現できるのはかなり厄介だ。
だが、ギドも余裕ぶってはいるが、かなり深手負っている様な気もする。
後一押し、かな。
現状、サラの使った魔法はギドの注意を引くのに精一杯で使うところを見ていなかったせいか、本は光ることはなかった。
ギドの使った火の魔法はどうやら覚えることができたらしい。
しかし、あの魔法……どこかで見たことがある様な……。
決してそんなことはないはずなんだが。
「俺もちょっと早めに終わらせたくなったんで、こちらから行くぜ!」
ギドが吠え、こちらへ魔法攻撃をしてくる。
どうもギドが使うの火の魔法は設置型の火属性魔法らしい。
立ち止まった足元に魔法陣が現れ、炎の渦が立ち昇る。
サラの魔法をもう1回食らわせれば倒せるとは思うが、常に移動を余儀なくされ、スタミナも限界を迎えそうだ。
しかし、こんな状況下なのに、ギドに負ける気がしなくなっていた。




