表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
怪異探偵とドジなメリー  作者: 日向 ゆい
6/7

メリーさん chapter.6

__目が覚めるとそこには大きな門があった。ここがどこだかはさっぱりだが、明らかに今までいた場所とは明らかに違うことだけはわかる。

「__よお、目が覚めたか。」

後ろから声がしたが、振り返っても誰もいない。真っ暗な空間が広がっている。

「……俺は酒呑童子だ。どうだ、酒でも飲むか?」

「俺は酒飲めないので…」

そう断ると酒呑童子と名乗る青年は「やっぱり固いな、人間は」と呟き大人しく引き下がった。とりあえず聞きたいことを聞かなければ…

「あの…なんで__」

「__なんで自分はここにいるのか、だろ?」

聞きたいことを言われて押し黙ると酒呑童子はやっぱりか、という顔をしていた。

「……結論から言おう。今、お前は死にかけている。」

そういえば、俺はメリーさんを庇って鎌に斬られたんだ。だから俺はこんな現実離れした場所にいたのか。と納得している余裕はないことは分かってる。メリーさんがどうなっているか気になるし、早く戻って助けなきゃいけない。

「……どうすれば戻れるんですか。」

「そう急くな…とりあえず、お前には怪の力をもってもらう。」

怪…とは妖怪のことだろうか。酒呑童子がいる時点で何となく妖怪がいるのだろうと察してはいたが、はっきり口に出されると現実味がない。

「それでメリーさんが助けられるなら、是非ともお借りしたいです。」

「…お前は良い奴だな……アイツも喜ぶだろうよ。」

ポソッと遠い目をしながら呟く酒呑童子。彼が何を思って呟き、誰の面影を見てるのか、俺にはわからなかったが、触れてはいけない気がして、ただ黙ることしか出来なかった。

「……お前には、雷獣の力を渡そう。どう使うかは、お前次第だ。」

「…ありがとうございます。大事にします。」

雷獣…と言っても渡されたのは黄色いオーブのようなものだった。この中に雷獣がいるのだろうか…

「とりあえずそれを飲め。そうすれば帰れるぞ。」

何を言っているのだろうと、一瞬戸惑ってしまった。これを飲むのか?いや、さすがに無理があるだろ。でも、これを飲まないと話が進まないかもしれない。

「い、いただきます……?」

意を決して飲み込んだ瞬間体が燃えるように熱くなった。心臓がドクドクと激しく鳴っている。

「ぐっ……がぁっ……」

物凄く痛い。倒れてしまいたいくらい苦しい。視界が揺れて吐きそうになる。けど、俺には戻んなきゃいけない理由がある。だから、甘えてなんていられない。

「…さっさと俺に力を寄越せ……!」

メリーさんにずっと助けられてた。今回だって、メリーさんが居なかったら俺は早々に死んでいただろう。だから、俺は恩返しがしたい。恩を返した上で一緒に過ごしたい。だから、止まってられない。

「はは…まさかホントに力を取り込むとは……」

ひとしきり悶えた後、少し自分の体を見ると電気が走っているのか服がバチバチと雷を帯びていたのがわかった。

「……力は与えたぞ。これからどうするか、見させてもらうぞ。人間…いや、悠太。」

「せっかく貰った力なので。やれるだけはやってみます。」

酒呑童子の言い方に少し引っかかる部分を感じたが、今は気にしていられない。覚悟を新たに俺はそう言い切ると意識がまた遠のいていくのがわかった。

「__やっぱ似てんだな。裕太も、裕介も。……さぁて、アイツがどこまでコレを使いきれるか、見ものだな。」

更新が遅れて申し訳ございません、ゆいでございます。

やっと更新できました……_:( _ ́ω`):_

とりあえず次回でメリーさん編を終わらせる予定なので、楽しみにしてください!

次回、chapter.7で出会いましょう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ