メリーさん.chapter4
「…おはよう…」
次の日の朝。目を覚ますと今度はメリーさんの方が先に起きていた。
「おはよう…ちゃんと寝たのか?」
「…寝れたよ。」
嘘かホントかは分からないが、寝れたと言ったならそうなんだと信じよう。
「…そーいえば、お前はこれからどうするんだ?」
「私は…この現界で生きていくしかない…のかな?」
「いや疑問形にされても…」
曖昧な回答に苦笑いしながら少し着替えるためにクローゼットを漁り始める。
「メリーさんはその服しか持ってないのか?」
「…これしかない…」
予想通りな答えを聞いて、覚悟を決めて外出用の服とメリーさん用の昔来てた男物の服を出してきた。
「…これに着替えてくれないか?」
「……なんで…?」
「なんで…って言われても…外出するからだが?」
不思議そうに首を傾げるメリーさんにそう伝えると…それは無理…とぶんぶん首を振られた…ように見えた。
「そんなに嫌なのか?」
「……だって…人の目が怖い」
不思議に思っていたら「…目が合うと…ね?」とメリーさんに言われて納得してしまった。
「…その格好だと目立つだろ…?」
「…バレると大変…」
ここでメリーさんに居なくなられると俺の計画が破綻してしまう。それは避けなければならない。
「だから…メリーさんの服を買いに行こうぜ」
「…わかった…」
いつもと変わらない返しだったが、心做し嬉しそうに見えた__
※ ※ ※
__買い物のために外に出て数十分が経ったが。
「…つか…れた…」
歳はわからないが、見た目相応の体力しかないようで、ショッピングモールのフードコートでぐったりしていた。
「…なんか食べるか?」
「……気に…なる…」
あまりこの世界の食べ物に詳しくないのか、ぐったりしたまま近くの女子が食べていたソフトクリームに興味を示していた。
「……買ってくるから…大人しくしてろよ?」
「…わかった…」
気力のない返事に苦笑しながらソフトクリームを買いに向かった。
「…すいません…ソフトクリームと…ラーメンひとつずつお願いします」
「かしこまりました……でも、そんなに食べると太るぞ?」
注文をすると、店員はニヤニヤしながら嫌味を言ってきた。
「珠妃…その嫌味を言うクセ辞めてくれ…」
「んー…楽しいから却下で。」
珠妃は俺のクラスメイトで、このフードコートでバイトをしている。人に…主に俺に嫌味を言うのが好きなのか毎度ダメージを与えてくる。
「あ、ご注文のラーメンとソフトクリームでーす」
「…どうも」
いつも通りの珠妃に諦めながら品物を受け取り、メリーさんの待つ場所に歩いて行った。
「…ちゃんと待ってたか?」
「……うん。」
少し体力が戻ってきたのかいつも通りのメリーさんに安心して、ソフトクリームを渡した。
「…ねぇ、ゆーた」
「お、おう…どうした?」
突然名前で呼ばれてびっくりしながらメリーさんを見るとなにかに怯えるような目で珠妃を見ていた。
「…あの人、危険…」
「……?そうか?」
「…私よりも強力な力を持ってる…」
出会ってそんなに経ってないのもあるのだが、初めて見せる恐怖に少し冷や汗をかいていた。
「…あの人は__」
「……見つけた。」
メリーさんのその言葉は。近場の窓を突き破って出てきたメリーさんと全く同じ容姿をした少女によって遮られてしまった__
えー、たいへん遅くなりすいませんでした。これからまた頑張って投稿します