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怪異探偵とドジなメリー  作者: 日向 ゆい
2/7

メリーさん.chapter2

…さて、状況を確認しよう。俺、鳶赫 悠太は、ある目的のために都市伝説であるメリーさんと出会おうとしてる。だが…

『__私メリーさん。今2階に…アデッ…』

…あろうことかドジな子だった…いや、一説にはドジな部分もあるとか意外とドSだとかいう話はあるが信憑性が増してきてる気がする…

『__私メリーさん…うぅ…頭痛い…今部屋の前にいるの…』

「お、おう…」

なんだろう…色々と不安になってきた…けど、俺はどうしてもこの子を捕まえないといけない、だから…もうやるしかない。

『__私メリーさん。今ね__』

「__貴方の後ろにいるの。」

電話越しに聞こえる声と耳元で囁かれる声。恐怖とともに煽られる好奇心。色々なものが絡み合う中、俺は口を開いた

「なぁ、メリーさん?話をしようぜ?」

「…構わないけど…」

無口だと思っていたが、少しは会話が成立するのかなと思っていたが

「……余計なことを聞くと、首から上がサヨウナラするよ…?」

視線を少し下に向けると、そこには切れ味の素晴らしそうな鎌があった。

「(さて…どうするかな…)」

迂闊に質問をするとメリーさんではなく俺の首から下が見えることになるし、後ろを振り向いたのなら永久に朝日を見られないだろう。

「(…けど、やるしかないな)」

「…どうしたの。話をするんでしょ?」

一か八か、生きるか死ぬかの相当不安な賭け。凄くやりたくないけど、やるしかないだろう。覚悟を決めて、俺は行動に移った

「……なぁ、メリーさんよ?」

「……なに?」

「そんな物騒なものは置いて__」

そこまで言うと、バッと振り返ってメリーさんの手を掴み、鎌を動かせないようにした。

「__俺と話そうぜっ!!」

かまが自分に当たらないようにしながら全力でメリーさんごとベッドに飛び込んだ。

「__なっ…」

「……待て、どういうことだ?」

倒されて驚くメリーさんとは違う意味で俺は驚いていた。

「…メリーさんって、ビスクドールじゃないのか?」

元々メリーさんは捨てられた人形の話だったのだが、人間だという説もある。俺は人形だとずっと思っていたが、ここに居るメリーさんは少女だった。

ふんわりしている金色の髪に、まだ子供だと思わせる華奢な体と小さな顔と珍しい緑色の目。それでいて少し大きめな白い服。確かに人形と言われても違和感は無いが、どこぞのご令嬢だと言われたらそれはそれで信じてしまいそうだった。

そんな衝撃の事実に驚いていると

「……見たな。私の姿を見たな…?」

小柄な女の子からは想像もつかない憎悪と殺意に体が竦む中、メリーさんは倍近くある体格の俺をあっさりと吹き飛ばした。

「___がぁっ!?」

「…見たな見たナ見タナミタナ…絶対にユルサナイ…」

鎌を持ち直して接近してくるメリーさんにあ、死んだなと覚悟を決めていると

「…コロシテヤル…コロシ…あっ…」

「えっ…ちょっ!?」

少しずつ近づいてくるメリーさんは突然躓いて俺に飛び込んでくる形になった。それを受け止めようとしたら、最悪な結果を招いてしまった。

「ん…?この柔らかい感触は…」

「…なっ…あっ…この…っ」

柔らかい感触を少し確かめていると、まさかのメリーさんの胸を触っていたことに気づいてしまった。

「……ホントにユルサナイからね…?」

殺意を滾らせて微笑むメリーさんに恐怖を覚え、とる行動はただ一つしかないと確信して覚悟を決めた。

「こうなったら……逃げるしかないよなっ!」

「…ニガサナイカラネ?」

さぁ始まった謎の追いかけっこ。追いかけてくるメリーさんに全力で逃げる俺。旗から見ると立場が逆じゃないかと思う中、生死を賭けた追いかけっこは数十分後、メリーさんがまた転んで気絶してしまったことで収束した。

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