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第二話 冒険者としての旅立ち

冒険者になる為の試練を終えた次の日、朝起きるといつも台所のいる筈の兄カルマが居なかったことに俺は不信感を覚えた。

とりあえず、村長に聞いてみることにしたが、村長は何も知らないらしい。

ついでに冒険者について村長に質問してみた。


「冒険者っていうのはいったい何をすれば良いのですか?」

「ふむ、簡単に言えば世界を旅して回ったり、いろいろ村や町の人たちから依頼を受けるお助け屋などをすればよいのじゃ」


旅をするのはわかるが、お助け屋とは一体...


「村長、お助け屋というのを詳しく教えてもらえませんか?」

「そうじゃな、お助け屋は二つに区分される。国家依頼と個人依頼じゃ。国家依頼は村や町の依頼を近くの王国などが公認した重要依頼のことで、難易度が高いが報酬が高く、プロの冒険者が受けることが多いそうじゃ」


なるほど、余程難しい依頼なのだろうな。


「つぎに個人依頼のほうじゃが、これは王国などに公認されていない村や町の住民や冒険者が個人的に出している依頼じゃ。こっちは簡単なものから難しいものまで幅広く依頼がある。たとえば素材収集や低級から中級の魔物討伐などじゃな」


やっぱり簡単なものだと報酬が少ないのか?

その答えは村長がすぐに答えてくれた。


「個人依頼は簡単だからといって報酬が少なくなるわけでもないし、難しいからから報酬が増えるわけじゃないぞ。稀にレアなアイテムが報酬にされていることがある。よく見て選ぶ必要があるのじゃ」


なるほど、それなら気をつけないとな。


「ありがとうございます村長」

「何か質問があれば聞きに来るがよいぞ」


そうして、俺が家に帰ろうとしたときだった。そとから大慌てで村人がやってきた。


「大変です村長、村に火が...」

「何!?どこからじゃ?」

「それがわからないのです。気づいたときには周りが火の海で...、とりあえず今は村から出ましょう」

「うむ」


こうして、俺たちは火の海になった村を脱出することになった。

だが、村から脱出する途中見慣れた人物に遭遇する。


「兄さん?カルマ兄さん!」


そう、そこに居たのは俺の兄カルマ・ライデンスだった。


「カイか...」

「兄さん、早く逃げよう」

「カイ、近寄るな!!」


カルマ兄さんの様子がおかしい。

カイが少し近寄った瞬間カルマが手に持ったグングニルで襲ってきた。

俺はすぐに避けた。


「カルマ兄さん、何で...」

「カイお別れだ...」


カルマ兄さんはそう言い残してその場から消えた。


「カイ、早くこの場を離れるぞ」


ラグナロクに立ち止まったままの俺に言った。

こうして俺は村を脱出した。

あれは一体なんだったのだろうか。そう考えているうちに村の火は消えていた。

俺が火の海の中で見たカルマ・ライデンスのことを村長に話すと、村長は俺にある頼みごとをしてきた。


「憶測なのじゃが、これは魔王の仕業でわないかと思うのじゃ。そこで、私からカイ君に魔王討伐の依頼をお願いする。尚、この依頼を村の一番近くにあるシンチ王国に頼んで国家依頼にしてもらっておくので、報酬に関しては心配は要らないぞ」

「わかりました」


村長は言わなかったがあれはカルマ・ライデンスを探してくると良いという意味もあったのだ。村長は意外と人の事もちゃんと考えてくれているみたいだ。

その後俺は旅立ちの準備をしていた。そのときに村長にもうひとつ頼まれたことがあった。


「村が燃える前に、村の魔法使いのミルムが姉のマリアの新大陸調査の見送りにいったきり帰ってきてないそうじゃ。しかも、村から少し離れたところで爆発があったそうじゃ、悪いが見に行ってきてもらえぬかのぅ」


と頼まれたわけなのが多分大丈夫だと思う。ミルムは俺の幼馴染であり、最強の魔導師と呼ばれているからだ。だが心配なのはあいつの場合すぐに腹が減るということだ。

とりあえず、食パンを一斤持って行く事にするか。

そこに何者かがやってきた。


「この村の住人はまだ生きているんだな」


そこには緑色のフード付きの服を着た男が立っていた。俺はその男に声をかけてしまった。


「どちら様で?」

「俺か?俺はガルディオ、この世にある全ての剣を手に入れるために旅をしている盗賊様だ。かっこいいだろう」

「あ、あぁ、そうだな...」


これは間違いない、やばい人だ。


「えぇと、ガルディオさんは何のようでここに?」

「うむ、火事場泥棒をやりにきた」


そんなこと堂々と言うなよ!!


「だが住人がまだ居るようなのでやめた。ところで少年!!名はなんと申すか?」

「カイ・ライデンスだ。うちの村にはそんな価値のある物は無いと思うが...」


ガルディオはいきなり土下座をしてこう言った。


「カイとやら、何か食い物を恵んでくれ」


まさかの流れだ。泥棒にいきなり土下座をされ、食べ物を恵んでくれときた。仕方ない。変な揉め事になる前に餌付けしておくか。

そう思い俺は手に持っていた。食パンを半分あげた。


「ほらガルディオ、食ったら帰れよ」

「おぉ、かたじけない」


まったくこうしてる場合じゃないんだが...


「カイとやら」

「なんだ」

「なにか俺に手伝えることはないか?恩返しがしたい」


こいつはまたなんてことを言うんだ。盗賊が恩返しとか聞いたこないぞ。それに今それどころじゃないってのに。


「ガルディオ、俺は人探しで忙しいんだ。恩返しはまた今度だ、食ったらさっさと帰れ」


なんだろう、ガルディオがすごいしょぼんとしている。言い方がきつかったか?


「ガルディオ、必ずまたどこかで会えるさ。だからそのときにな?」

「わかった、約束だぞカイとやら」


こうしてガルディオは帰っていた。

さて、次の問題はミルムだ。ある意味早くしないと餓死するか魔物の餌になりそうだ。急ごう。

考えてみれば、これも冒険の第一歩なんだよな。そう考えるとちゃんとしないいけないと思えてくる。

こうしてカイの冒険が始まったのだ。

そのころ、村のからすこし離れた草原では...


「お腹...空いた...」


一人の少女が倒れていた...

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