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31話 能力測定


 

冒険者ギルドの応接に入ると、3人の人物が座っていた。1人は柔らかい雰囲気の人で、もう1人はフードを深く被った人、3人目は見覚えのある金髪金眼の男性だ。座っている位置的に、この中で一番身分が高いのは金色の男性なのだと把握する。



……どうみても、あの日の人だよね……わたし、何かしでかした?


「早くこちらに、来なさい。フランク、其方は下がって良いぞ。」


フードを被った人がそう言うと、フランクは申し訳なさそうに眉尻を下げて「大丈夫だ」とわたしの背中を押した。奥さんと貴族には頭が上がらない人なのだろう。


わたしが3人の近くまで行くと、雰囲気の柔らかい人がまじまじと見てきた。そこまで見られると穴が開く。というか、恥ずかしくなる。


「エマといったかな、君は何故自分が呼ばれたのか不思議に思っているよね?大丈夫、悪いようにはしないから。ただちょっとだけ気になる事があってね……」


雰囲気が柔らかい人は立ち上がり、わたしの近くまで来た。そしてわたしに笑いかけながら言葉を続ける。


「まぁ、単刀直入に言うと、君の能力が気になったということなのだよ。君は僕以外の二人に会った事があるよね?」


「あ、はい」


「その時に二人の魔法を見破っただろう?」


……見破った?そんな事あったっけ?


わたしが首をコテンと傾げると、見覚えのある二人が「自覚なしか」と呟いた。シンクロ率高い。


「それで、私以外の二人は能力検査に来たという訳だ。平民で魔法適正があるのは珍しいからね。」


「わたしが魔法を?」


……え、魔法少女ならぬ魔法幼女になれるって事?


「さぁ、それは分からないけけど、その可能性は極めて高いね」


雰囲気柔らかめの人が目を細めながら頷いた。


「魔術具を」 


……!?


そう呼ばれた黒フードの人物が何もない空間から透明の球体を一つ取り出した。



「さぁ、これに触れてみようか」

「……はい」


恐る恐る手を伸ばし、まるでガラス玉のような魔術具に手をあてる。ひんやりとした感触手に伝わる。


「もういいよ。想定の範囲だった。」


雰囲気が柔らかい人はニコリとわたしに笑いかけてから、金色の人に向き直った。


「アイザック様、測定できませんでした。」



……魔法使えないって事?なんか、期待してそんしちゃった気分だよ



わたしが落胆していると、アイザック様と呼ばれた金色の人が何やら顎に手を当てて「ふむ」と呟いた。


「だが、其方はそうは思っていないのだろう?」


「よくわかりましたね。流石はアイザック様です。」



アイザックは「わざとらしいぞ、ジュリアン」と言って軽く睨みつけている。


「まぁ、私もそうだがルークも解せぬという顔をしているし、この場にいる全員が同じ考えだと思うぞ。」


アイザックがジュリアンに対してニッと笑って話している。



……どうでもいいけど、魔法使えないなら早く帰りたい。




良いお年を〜

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