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30話 突然の訪問者


 秋も深まり、早朝は肌寒く感じるようになったある日の朝、突然ギルド長のフランクが訪ねてきた。両親共々驚いていたので確実にアポ無しだ。


「何の用だ?君が慌てているのだ、よほどの事があったのだろう?」


 お父さんが一歩前に出て促すと、フランクは目を瞑って緩く首を横に振った。


「だったら……」

「至急ギルドに来てほしい。お前ではなく……」


 フランクの視線がこちらに向く。


「エマを?何のために?」


「よくは分からん。だが、お前の娘は未だ国の能力検査を受けていないだろう?先方はどうやらその事を気にしているようだったぞ。相手は忙しい身だ。時間がないようだったから急いで来たのだ。」


……先方?


いったい誰の事だろうか。【能力検査】という言葉も初めて聞く単語で意味がわからない。テストかなんかだろうか。


「まさか、貴族が来ているというの?」

お母さんが険しい顔つきで、わたしを隠すように移動する。


「まだ来てはいない。連絡だけだ。貴族である事は間違い無いがな。普通、平民の能力検査は平民が行う。しかもエマに至ってはまだ幼すぎる。だから私も、お貴族様が本当の意味では何の為にエマを呼んでいるのか分からんのだ。だが、相手は貴族だ。言われた通りに動かんといかんという訳だ。」


「エマは何かやらかしたのか」と言ってわたしに向かって笑いかけるフランクの表情は、急いでいる割にはあまり心配していないという感じだ。両親の表情と正反対で余計に意味が分からなくなってきた。


……わたし、何かした?いや、ないよね。フランクさんのあれは冗談だろうし。でも……


不安そうな両親を見る。するとフランクが口を開いた。

「あぁ、二人とも気になるだろうが、エマだけを連れてくるようにと言われている。まぁ、心配しなくとも私がついているから大丈夫だ。」

フランクはドンっと拳で胸を打つと、「でも……」と食い下がるお母さんに対して更に言葉を重ねる。

「お貴族様とはいえ、彼らは信頼できる。」


「何を根拠に言っているのかしら?」


「根拠は無い」てキッパリ言い切った後でフランクが自分の直感をもう一度述べる。お母さんはフゥと一つ息を吐いた後でお父さんに目配せをする。


「こうなったら、いくら言っても埒が明かないわ。私達がどう言おうとこの子を引き合わせなくてはならないのでしょう?だったら、少し待っていてちょうだい。身支度をさせるわ。」


フランクにそう言い残すとお母さんらわたしの手を引いてその場から移動する。後ろをチラリと振り返るとその場に残ったお父さんと目があった。わたしが不安にならないように微笑んで頷いてくれている。



……怖い貴族だったらどうしよう。変な貴族には会ったことあるけど、怖い貴族はないし、フランクさんもああ言ってるし、大丈夫だよね。多分。



お母さんに手を引かれて自室に入る。


「エマ、今から言う事を良く聞いて頂戴。ギルドに着いたらきっと応接室に通されるわ。何かあれば、貴族のことだからあなたが部屋に入ると、魔術具を使うはず。そうなってしまうと外からも内からも干渉できないかもしれない。」


 お母さんの焦りを含む真剣な表情に、不安を掻き立てられる。わたしはお母さんの服の裾を掴んだ。


「わたし、何もしてないよ?どうして……じゃあ、どうすればいいの?」


「えぇ、何もないかもしれないわ。でも、何かあるかもしれない。用心する事に越した事はないと思うの。

エマ、これを……」


 お母さんは自分の首もとに手をやると、服の中からネックレスを引っ張りだす。5センチくらいのブルーの石が揺れていて綺麗だ。そのネックレスをわたしの首にかけると服の中に隠すように入れる。


「これは?」


「もしもの時に役立つわ。」


 わたしを守る為のものだと言うが、それ以上は長くなるので後で説明すると言われた。今は持って置くだけでいいらしい。


……なんだろ、この雰囲気は魔術具とかかな?





予告通りにいきませんでした。

次こそ才能です。


執筆再開しました^_^

プロット整理中ですので、毎日更新再開は未定です。

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