表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/33

大切なもの×7

 必要のない人間はいない。

「早く!あいつを捕まえろ!」

 なら、人間じゃなければ必要ないのだろうか。

「たッ、たすけてぇ!」

 水を求める魚のように

「どうしたんだい?」

 水中にいたころを求めることはあるのだろうか。

「たすけてッ、たすけてください」

 誰かを求めることなどあるのだろうか。


***


 日本軍隊。

 日本を拠点に置く海上軍隊だ。

 『ランクには従い、犯罪者を確実にとらえる』をモットーにしている軍隊でアメリカに本部がある『SKH』の子分のような存在だ。

 追加として、『SKH』は『世界』『海上軍隊』『本部』の略である。


「その人は殺していい人ですか?」


 卯月には心がなくなることがある。


___私はちゃんとここにいますよ。


 癒月はきっと海上軍隊の中でも5本の指に入るくらい残酷だ。


___ずっとここにいますよ。


「ダメだね。俺は恩人を売るほどのは残酷じゃないんでな」

「…そーですか。残念です」


 卯月は…


___ここが私の場所ですよ。


 卯月は、漣がいないと生きていけない。


「まあ、ダンスでもしましょうよ」


 彼女は手を大きく広げながらくるくると円を描く。

 その姿は世界を自己満足で祝福しているように

 少し低めのハイヒールのかかとを軸に漣の手をつかみながら半円を描いたころに漣は卯月を受け止め背甲骨のあたりに手を添え卯月も同じようにする。

 その動作は一つ一つ自然で、決まっていたかのように感じられる。


「いいね。最近踊っていなかったけれど」


 彼女と彼は体育館らしき建物のなかで蝶のように舞う。机という障害物を華麗によけながら。


「あはは、こんな時間が続けばいいんですよ」


 その姿はまるでワルツを踊っているように


「そうだねえ」


 なめらかで、繊細で


「本当ですよ」


 ガラス細工のような


「おかしいですか?」


 綺麗に、華麗に舞う二人を世界はどう思うのだろうか。


「いや、おかしくないよ」


 2人以外誰もいなくなった建物で


___おかしくないですよね。きっと


 彼と彼女の羽を伸ばす音だけが静かに響いた。


  

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ