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大切なもの×15

 私は望まれない物だった。

「門を閉じろ!」

 私は、何にもわからなかった。

「止めたぞ!」

 わからなかったから

「しね」

 消えた。


***


 日本軍隊。

 日本を拠点に置く海上軍隊だ。

『ランクには従い、犯罪者を確実にとらえる』をモットーにしている軍隊でアメリカに本部がある『SKH』の子分のような存在だ。

 追加として、『SKH』は『世界』『海軍』『本部』の略である。


 『私たちは、人間じゃないのよ』幼いときに蝶が卯月に聞かせ続けたセリフを卯月は思い出す。


「ならなんだよ、私は」


 2人は人間ではない。ぞくに擬人化と呼ばれることをしてできた生命体だ。

 世界の技術は底を知らず、兵器を作るのに飽きたのか今度は人間を改造し始めた。

 そのため、海上軍隊にはたくさんの人間ならざる者が存在している。


『聞こえる?卯月』

「ああ、奴はどこにいる」

『まだそう遠くに入ってないわ、門は狐が閉めに行ったから』


 蝶は名前のように蝶の擬人化だ。

 戦闘になれば羽はでるし、花の蜜だって好きらしい。

 能力はテレパシーのようなもの、能力はその動物が強く思った感情に左右される。


『思いっ切り、暴れなさい』


 蝶の母親のような一声に卯月は我慢していた口角をニヤリと上げる。

 卯月は、思いっ切り地面を蹴り宙で一回転した。

 両手でバランスを取り、綺麗な円を描いて屋根に着地する。


___私は、うれしいんです。


 そして、屋根を蹴り一層高く飛び上がる。


『卯月。そこに白衣の男と桃色の服を着た女がいるでしょう』

「ああ」

『そいつよ、敵は』

「了解」

『あと、市民はもう避難させてる。思いっ切り暴れろ!』


___卯月も、うれしいんです。


 珍しく鋭い口調になった蝶の声をスイッチとして、卯月は犯罪者の目の前にわざとらしく降りる。


「こんばんわ!あなたを殺しに来ました!」


 白く軽い髪を、夜の誰もいない町にふわりとなびかせながら。

 なお、逃走を図る犯罪者を見下しながら。


「私は、漣隊長の命令できました!卯月です!」


 ハイヒールで降り立った地面が血に染まるまで。


「最後ですので、自己紹介いたしました」


 本能が逃げろというくらいに不気味な笑顔を貼り付けながら、卯月は犯罪者の前に詰め寄った。


 

 

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