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ダンジョンに行くことになりました

 ギルドを設立する申請をした後、三人でギルドホームを見に行った後で今後をどうするかについて話し合うことにした。


「とりあえず今日は珍しく結衣も時間たっぷりあるし、何するか考えない?」


「そうですね。私としてはこの近くに“沈黙の森”というダンジョンがあるのでそこに行ってみたいですけど……」


 そういえば私たちはまだ一回もダンジョンに行ったことがないんだった。

 兄さんいわく一番簡単なところでもクリアまでに三十分はかかるらしくてあまり時間の取れていない私と一緒にいくって言うのは不可能だったのかも。


「私もダンジョン行ってみたいな。どれくらいのものなのかも知りたいし、もしかしたら何か進展があるかもしれないし」


「よし、じゃぁ“沈黙の森”に行くことに決定ー!」


 あっさりと今日することが決まっちゃった。

 でも最初のほうのダンジョンならレベル的にも問題は無いはず。たぶん。

 私以外の二人は雫が24の《工芸人》で、エールが26の《黒炎魔術師》で、基本的に分担は雫が後方からの支援や攻撃、エールが魔法攻撃で私が突撃っていうスタンスを取っている。


 雫は生産系のメインスキルのほかに取ってあった【隠密】で後ろにいる限り攻撃はされにくいし、最近習得した【投擲使用】スキルによってさまざまな遠距離攻撃に対応するようになったから凄く私と相性がいい。

 対してエールはバリバリの高火力の闇系統と炎系統の魔法をバンバン撃つので消耗は早いけど体力の多い敵にも対応しやすい。


 意外とバランスの取れたパーティでしっかり進んできたんだから何とかなる!と思う。



 とにかくダンジョンに行くならしっかり準備をしないと、っていうエールの提案を受けて私たちは荷物の準備に取り掛かることに。


「結衣は装備で荷物がいっぱいだろうから私が多めにポーション持っておくね」


 未知のダンジョンということで私は出来る限り多めに装備を持っていくことにしたのだけど、その分のポーションはエールが持ってくれる。

 雫も途中で採集できるポイントがあったら荷物欄を圧迫するし、いつもこうなるのだけれど。


 実際問題装備で持ち物を圧迫する、なんていうのは実は私ぐらいだって言うことに最近気がついた。

 私はいつでも換装できるから知らなかったけど、武器はメイン武器とサブ武器の一つずつ、防具や装飾品はダンジョンの中などで戦闘している間には変更できないらしい。

 そう考えると使えるスキルなんだなって改めて実感できる。

 


「さて、これで準備は完了だね。じゃぁ向かおっか!」


 今回の装備はさまざまな耐性を持つ防具を五つ、武器を念のため十五用意しておいた。

 たぶんこれで耐性がどうこう……って問題にはならないだろうけど、ちょっとだけ緊張してきた。


「“沈黙の森”はこっちですよ」


 雫の先導で初めてへのダンジョンに向かう道中はあっさり敵をなぎ倒していくばっかりだった。








 そして私たち三人は“沈黙の森”に到着。

 入り口から凄い不気味。というよりは草木の色が変なんだけど。


「これってもしかして、毒のある植物?」


「かもしれないですね。念のため気をつけてくださいね」


 もういっそのことエールに全部燃やし尽くしてもらえれば楽なんじゃないかな。

 とにかく一歩を踏み出してみたら突然木の上から何かが落ちてきた。


「え、蜘蛛!? 気持ち悪い!」


 目の前に落ちてきたのは黄色と黒の縞々模様の気持ち悪い蜘蛛。

 なんていうか、色合いからして気持ち悪いのにその巨大さは不気味でしかない気がする。

 運営さんは気持ち悪くないのかな……。


「《ビックスパイダー》ね。さっさと燃えなさい!【フレイムナーガ】!」


 エールの魔法名と共に手に持った杖から一直線に炎が走っていって、巨大蜘蛛を燃やし始めた。

 出来れば近づきたくないけど仕方ないから攻撃することにする。

 燃えてはいるけど近寄れば近寄るほど気持ち悪い。


「【換装】《エルダーエッジ》」


 出来るだけリーチの長い武器を選択して換装。

 1mちょっとある刃を燃えている蜘蛛に思いっきり叩きつける。

 けどそこでびっくりすることに刃はやわらかい感触に跳ね返された。


「えっ!?」


 重い大剣が跳ね返された反動でしりもちをついちゃっていた。

 蜘蛛の癖に背中は柔らかいの!? 気持ち悪い!


 次第に炎は収まってきていたけど、蜘蛛は絶賛活動中。


「蜘蛛の癖に燃やされても生きてるなんて!」

 

 エールの叫びは当然だと思う。さっきから蜘蛛の癖に変なことばっかりだ……。

 その気持ちの悪い鎌みたいな口をこっちに向けてきていたから何とか後ろにステップを踏んで距離をとる。

 すると横から蜘蛛の目のようなところに一本のナイフが飛んできて命中。


「結衣さん! 大丈夫ですか!?」


「うん、ちょっとびっくりしただけ。やわらかいのなら刺せばよかったんだね」


 今のナイフがヒントになって違う武器を換装する。


「《パルチザン》!」


 刺すとか突くという攻撃をするのならばやっぱりここは槍でしょ!

 先の刃が三つに分かれたそれこそ突くことには特化した槍を換装してひるんでいる巨大蜘蛛に一撃食らわせてやる。


「【串刺し】!」


 目の部分から鋭い突きを放つと、案外あっさりと突き刺さってそのまま消滅。目がウィークポイントみたい。

 結局は雑魚モンスターってことなんですね。


「いやー。さすがにダンジョンの中の敵はしぶといねー。まさかそれなりに本気の【フレイムナーガ】耐えるなんて、気持ち悪いだけじゃないのね」


 正直なところ普通はあんなに燃えてたら死んでます。

 火がついたのは炎上っていう状態異常だったみたいだけど。


「雫もありがとう。今のであの蜘蛛の倒し方分かったわ」

「いえ、私も正直命中するなんて思って無かったですし」


 雫は投擲に関しては文句無いくらいの命中率だから後ろからの攻撃が冴えてて助かる。


「ただここは入り口だし、気を緩めないほうが良いね。ダンジョンってことは奥にボスもいるはずだし」


「ボスかぁ……兄さんに話聞いてみようかなぁ」


「そういえば、よくお兄さんから教えてもらったって言ってますけど、お兄さんってどんな人なんですか?」


 確かに私の持ってる知識は癪なことにほとんど兄さんに教えてもらったこと。


「えーとね、《牙狼》のギルドマスター?」


「は!? え? ってことはあの有名なファングさんの妹!?」


 あれ、トッププレイヤーって聞いてたけど、そんなに有名なの?


「ファングさん、私でも聞いたことあります。FOの三大ギルド《牙狼》のマスターで、前線で活躍するプレイヤーの中でもかなり強かったって」


「そうそう。あの最強の剣士ほどじゃなかったけど、それでもFOなら五本の指に入るプレイヤーでしょ? そんな有名人の妹だったなんて……」


 ……想像していた兄とは全然違う……。

 家の中での様子とか、この間のあてにならないアドバイスとかを聞いていた感じとは程遠い評価でびっくりした。

 まさにリアルとオンラインゲームとのカルチャーショックでした。

なんだか凄い勢いでアクセス数が増えてるなぁって思ってたら日間ランキング48位に入っていました!びっくりです!

まさかそんなに読んでもらえるとは思っていなかったので感謝の気持ちでいっぱいです。


これからリアルが忙しくなるかもしれないので出来るときに更新しておきますね^^


また、評価や感想、誤字脱字などの報告もお待ちしています^^


11/23一部修正いたしました。

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