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まずは戦闘

 案山子を数体倒した後のステータスはこんな感じになった。


 プレイヤーネーム:結衣

 レベル:4

 HP:126

 MP:110

 STR:0

 DEX:21

 LUK:0

 INT:8

 VIT:0


 兄さんによるとHPが伸びないのは精霊主の特徴の一つであるらしい。逆にMPが多めに伸びた結果になった。


「よし、とりあえず結衣も4になったし、みんなでレベル上げでもしに行くか!」


「「おー!」」


 という三人に連れられてやってきた場所はごく普通の平原だった。


「ここはレベル低めのゴブリンが出てくるから、戦闘の基礎学びだな。ただ結衣は回復手段がないから出来るだけ突っ込まないように。危なくなったらすぐに逃げて良いからな」


 どうやらパーティといってもばらばらでレベル上げをするみたい。

 私にとっては初戦闘になるけどさっき武器の使い方は把握したからきっと大丈夫な気がする。


「それじゃぁ、俺はお先に突っ込ませてもらうっす!」


 最初にゴブリンに突撃したのはオドだ。

 まず一番近くにいたゴブリンをあっさりと手にした両手斧で吹き飛ばす。

 どうやらそれが致命傷になって動けない様子で、すぐに二撃目で消滅した。


「まぁ、あんなにあっさりやれとは言わないけど、なんとかがんばってくれよ」


 そういって二人も走っていった。

 一人ぽつんと残された私はいつの間にかゴブリンたちの標的になっているみたいだ。


「ちょっと、三対一なんて卑怯よ!」


 まず最初に向かってきたゴブリンは三匹。

 思ったより早いけど、十分反応できる速さのような気もする。


「【換装】、《ハンドガン》!」


 とりあえずまだ距離があったので短銃を呼び寄せ、真正面にいた相手に射撃を一発撃ち込んで見る。召喚用アイテム袋の中身入れかえといてよかった。

 さっき習得した【見切り】のおかげで頭がウィークポイントであることは分かっていたし、それを狙いやすくする【精密射撃】で完璧、のはず!


 実際に狙いは正確だったみたいであっさり一匹のゴブリンの脳天に直撃。

 でもみんなの言うとおり攻撃力は低くて一撃で倒せてはいなかった。

 一瞬のけぞっただけですぐに体制を取り戻したゴブリンが三匹で襲い掛かってくる。


 でも驚くほどのことじゃないし、何よりもっと機敏な動きを要求されるスポーツをしてきたんだからこれくらい平気。

 とりあえず武器を換装して迎え撃つことに決定。


「【換装】、《ショートスピア》」


 手にあった短銃はすぐに短い投槍へと持ち変わる。

 槍が手に納まった感触を確認してすぐに投擲準備に入る。


「【串刺し】いっけぇ!」


 さっきのけぞってちょっと後ろにいるゴブリンに全力で投槍を投擲する。

 私の投げた槍は見事にゴブリンの胴体に命中。哀れにもゴブリンは近づく前に消滅しました。


 でもまだ二匹いるから安心できないし、そろそろ攻撃される距離に入りそうだったりする。


「【換装】《バスタードソード》」


 手元に武器はなかったからすぐさまに大剣を呼び寄せる。

 ゴブリンの持ってる短刀の射程距離までもう数十cm。


 でもそれだと私の持ってる大剣の射程距離だったり。


 一思いに両手に握り締めた大剣を水平になぎ払うとあっさりゴブリンたちはそれなりの距離を吹っ飛ばされて地面に激突した。

 でもまだまだ立ち上がってまた突進してきそうだ。


「しつこいって! 【換装】《ハルバード》」


 しつこく立ち上がるゴブリンたちを一掃すべく一番使いやすくて攻撃力が高い(案山子で検証した)鉾を手元に呼び寄せる。


 そしてまずは先で頭の上から一撃振り下ろす。

 続いてもう一匹はそのまま鉾の刃の部分を水平に向けて頭をざっくりとぶつけてやった。


 こんなわけであっさりとゴブリンの群れ三匹は初心者相手に何一つ出来ずに倒されました。


「……結衣さん、ほんとにVR初心者ですか?なんか動きだけはプロだったんですけど」


 様子を見てた楓丸がこちらに寄ってきた。

 見ると既にレベルは7になってた。

 気づいてなかったけど私のレベルも5に上がっている。


「うーん、なんていうか、実際の体と同じように動けるんなら大して問題ないかもしれないです」


「そりゃ、結衣はバスケやってたからな。お前らみたいな引きこもり達とはポテンシャルが違うに決まってる」


 それ、自信満々に兄さんが言うことじゃないような。

 というか兄さんもただの引きこもりニートの大学生だし。


「ああ……そういうことっすか。後武器の切り替えとか状況に合っててもうすでに使いこなしてる感がいなめないんっすけど」


 案山子と戦ったときに武器の感覚は大体分かったからなんとなくで使える気はしてるけど、実際に何か一つに絞れって言われるとまだどれも使いづらいような気はする。

 でも周りからすればそこそこ使えてたなら十分かなって思ったり。


「換装師って、どう見ても不遇職だけど使い方次第なのかもな。判断力もいい結衣だから出来るのかもしれないけど。FOのあの最強のプレイヤーを思い出すわ」


「ああ、あの人の動きはえげつなかったですね。といってもPFOには参戦してないみたいですけど」


「抽選漏れっすかね? 手合わせ願いたかったのに残念っす」


 なにやらマニアックな会話に戻ってきてるけど、そんな凄い人と比べられても困るような。


「とりあえず、もうちょっとレベル上げるか。少なくともみんな10くらいまではすぐだろうからさっさとあげてしまおう」


 っていう偉くリーダーぶってる兄さんの意見に従ってみんなでゴブリンをひたすら狩る事になった。

 最初私にかけられてた回復アイテムがないって言う懸念はさっきの戦いを見て撤回されたみたいだ。







 それから三十分ほどして一番レベルの低かった私も10までレベルが上がった。

 ゴブリンと戦っている間にもいくつかスキルを覚えたし、思った以上に順調な進み具合かもしれない。


「さて、目標は達成したし、そろそろ晩御飯にでもしようか」


 一人だけレベル14になった兄さんが提案をした。ちなみにオドと楓丸は仲良く12で止まっている。


「そうっすね。もう六時三十分っす」

「って、今日私の晩御飯担当じゃない!? 兄さん、もっと早くに言ってくださいよ!」

「いや、まぁ今からなら間に合うって。ログアウトのやり方はわかる?」


 焦ってやめようと思ったけどそういえばやめ方を知らなかったりする。

 首を横に振るとちゃんと教えてくれた。


「ステータス画面の一番右下の×印を選択すればそれで大丈夫だ。あとログアウトした後は一番近くの街に戻されるから、それだけ覚えとけよ」

「じゃぁ僕達も落ちます。お疲れ様でした」

 


 とりあえずそんなところでいったんお開きになった。

 初めてのログアウトを選択し、現実へと意識を帰還させた。





▽現在のステータス

 レベル:10 

 職業:換装師

 

 HP:145

 MP:156

 STR:0

 DEX:33

 LUK:0

 INT:14

 VIT:0


・・・結局運動は出来たほうがいいという結論なのです。

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