第三十話 キャラクター……それは小説において、かなりの重要性を持つ……!
投稿遅くてすいません。
ホント忙しくて……
「7月か」
「ですね」
いつも通りののんびりとした部室の中、センパイとオレがそう切り出す。
夏が近くなってきて、ますます活動に力が入る部活も多い中、遊戯部は変わらずこの空気でやっていくよ。
別に大会とかある訳じゃねーし。
「さて、遊戯部が本格的に活動を始めておよそ二ヶ月経ったわけだが……」
一拍
「正直マンネリ化が恐ろしい」
今回も最初から飛ばします。はい。
「それで、だ。何かマンネリ化を防止するための良い案は無いか」
全員が真剣に思考を始める。
意外とみんなノリ気だということに驚愕した。どうしたみんな。
しばらく時間が経つと、センパイが再び口を開く。
「ふむ。では千紗都から順に行ってみよう」
その言葉に全員が頷いた。
……あ、これオレがツッコむパターンだ。
「異世界に行く」
「いや、ジャンルが完全に変わるし、それ以前に行く方法が無い!」
「野球をしよう。チーム名はリtーー」
「恭夜先輩、それ以上いけない」
「主要メンバー総入れ替え★」
「お前自身それでいいのか」
「私と鴎星先輩のラブコメに」
「カゲノサン、シュジンコウハ、オレ」
「bーー」
「お前は黙れ」
「おい統輝!? 俺だけ扱い悪すぎるぜ!?」
「だっておうせいだもの とうき」
「ギギギ……ニクシミデヒトガコロセソウダ」
ふう……何とか裁ききったか。
流石オレ。すごいぞオレ。天才的だオレ。
「……ふむ。統輝くんは何か良い案は?」
「へ?」
あ、オレも考えないといけないのか。
うーん……じゃあーー
「キャラを変える」
…………ん? ツッコミが来ない……だと……?
『それだ!』
本当に今日はどうしたみんな。
**********
「さて、まずは誰から行く?」
恭夜先輩が口を開いた。
それに続きかざりが、
「やっぱりここは代表して部長さんが☆」
と言う。
その言葉に部長さんは「いやな予感が……」と呟きながら、渋々と了承した。
「って、これ自分でキャラ考えるの?」
部長さんが問う。
「いや。私が手伝おう」
「フラグ臭がすごいわ……」
部長さん、同感です。
~数分後~
部室の外に出て何かを話し合っていたようだが、センパイが部屋に入ってきたところを見ると、話し合いが終了したようだ
「ふむ。それではチサ! どうぞ!」
そう言ってセンパイは部室のドアを勢いよく開いた。
「き、きらきらり~ん☆ みんな元気~? ちーちゃんはいつも元気いっぱいだよっ☆」
「…………」
『…………』
「今すぐ私を殺してぇぇぇぇぇぇぇ!」
「ぶ、部長さん落ち着いてください!?」
~部長さん鎮圧中~
「こ、これは……」
「うむ、正直すまなかったと思う……が、きらきらりーんに関してはチサのセンスだ」
もう、ね? この前、部長さんの魔法少女はヤバいって話してたのに、こんなにも近しいものが出てくるとは……
「…………」
「統輝よ……恭夜先輩の顔『アリかも……』って考えてる顔だぜ」
「鴎星よ。あの人は特殊だ」
ちなみに、部長さんは現在机に突っ伏しているのだが、ブツブツと聞こえる独り言が少々恐ろしいです。
「既に自分の番が不安です……」
影乃の呟きに全員がサッと目を逸らす。
確かに大怪我の予感しかしないもんな……
「まあ、気にせず行くのだが」
「雪奈、お前は鬼だな」
「ははは、恭夜、ほめるなよ」
「ほめてねぇよ……」
センパイは、ふむ、と言って話を切り、オレ達に問いかける。
「それで、次は誰にする?」
オレ達は目配せをして、一瞬のうちの攻防を展開させる……はずだったが、センパイがそれを遮る。
「いや、これは私が行くべきだな」
そう言ってセンパイは立ち上がり、部室の外へと出て行く。
ふぅ……とりあえずの危機は去ったか。
だが自分の番のために心の準備をしっかりとしておかないと……
そんなことを考えていると準備が出来たらしく、センパイが外から「いくぞー」と言う。
そして、ゆっくりと扉が開いた。
「お呼びでしょうか、ご主人様。何なりと私にお申し付けください」
『……おお』
全員が感嘆の声を漏らす。
メイド風と来たか。普段とのギャップがいい感じに作用している。
……これは、キャラ変更も意外といけるのかもしれんnーー
「きらきらりーん……」
いや、それは無いな。
オレが間違いだったよ。うん。
……って、今気づいたが……
しまった! これはセンパイの作戦だ!
他の人に安心感を与えるフリをして、自分だけ助かるという!
なんという策士! こいつぁ一本取られたぜ!
「統輝先輩……キャラ崩壊してますよ☆」
「心読むなよ」
「てへっ♪」
あれだな。かざりのテヘペロはキャラ的に許せる。
「さて、次は誰が行く?」
うわぁ、あのセンパイの笑顔殴りてぇ……!
「……さーいしょーはグー! じゃーんけんーー」
なっ、恭夜先輩!?
クソっ!
「ポンっ」
統輝→グー
恭夜→グー
鴎星→グー
かざり→グー
影乃→チョキ
「いやあああぁぁぁぁぁ……!」
『FOOOOOOOOOOOW!』
あぶねえ……あぶねえよ……
「まあ、今逃れたところで結局やることに変わりはないんですけどね★」
それ言ったら終わりだよ。かざり。
~数分後~
「うむ、それでは行こう! どうぞ!」
センパイが言い終わるのと同時にドアが勢いよく開く。
「あら……? 何をしているの? あなた達程度の人間が私と対等に話せると思ってるの? ほら、さっさとそこに跪きなさい」
『はい喜んでぇぇぇぇ!』
これは最高だよ! グッジョブ!
普段おとなしい影乃に罵られるとか! もう、なんというかご褒美です、はい!
「はぁはぁ……♡ 影乃ちゃん……踏んでください!」
「かげ可愛いよかげ」
「かげのん最高やでぇ……!」
どこから現れたあの三人。
……もう名前出さなくてもみなさんお分かりかと思いますが、順に瑠璃センパイ・詩乃・文深ですよ。
とりあえず三人を部室から追い出し、オレは再び席に着く。
いやー、良いのが続いたな。テンション上がって来たー。
「なら次は統輝君だな」
「だから心読まないでくださいよ!」
うーわー……一気にテンションが……
…………よし、もう吹っ切るか。やるからにはガチでやってやるよ!
ただし大ケガは回避しながら、な。
~準備中~
よし。これならケガする事はない。
と言うかたぶん今回の話はケガする方が難しいな……
それなのに大事故を起こした部長さん……まあ気にしないでおこう。
ーーじゃ、行くか。
「やっしゃっせーなぇしゃっしょーしゃー?」
『何事!?』
「ふむ。統輝君は今『いらっしゃいませ。何名様でしょうか』と言ったようだ」
「店員風ですか……」
流石オレ。ほんと何かが舞い降りたよ。
「どや顔ウゼェからやめろ……!」
「かしかーっしゃっしゃーウーロったーっすぐおもちゃっしゃっすー」
「なんて!?」
「む……『かしこまりました。ウーロン茶、すぐお持ちします』、か」
「会話がかみ合ってませんね♪」
ふう……もうメンドいから止めよう。
オレが一息ついたのを見て、恭夜先輩が立ち上がる。
「そろそろ俺が行くとしよう」
おお……ここで立候補か。
センパイと恭夜先輩が合わさるとスゴいからな。これは期待できる……!
全員が固唾をのむ中、二人は部室の外へ一旦退場する。
そして、三十秒ほどが経過するとセンパイが部室に戻ってきた。
早い!
もとから考えていたのか……
「それでは……どうぞ!」
「ヒィァヒェァ」
『予想の斜め上来たーーーーー!』
な、なんだこれは……
はっ! まさか!
「ボッ、ボッ、ボンバヘッ! ボンバヘッ! ボンバヘッ!」
ラッパー風かーーーー!
最初のインパクト強すぎるわ!
……まあYo!とか選ばない時点で狙ってたんだろうけど。
確かにヒェァみたいなこと言ってるけど、あれって何の意味があるんだろうな?
誰か教えて。
「読者に向かって問いかけないでくださいよ……」
「影乃まで心をっ!?」
「普通に口に出してましたよ」
「……マジで?」
「マジです」
閑話休題
「さて、残りは二人なんだが……」
『正直今までのよりインパクト強いのなんて無理!』
ドンマイ、鴎星、かざり。
「……かざり、どうせなら二人で逝こう」
「ですねっ……★」
そう言って二人とセンパイは部室の外へ。
間髪入れずに二発くるのか……
どうなることやら。
~五分後~
センパイが部室の中へ戻ってくる。
そして、一拍を置いてから口を開いた。
「……どうぞ!」
「ほわちゃああああああああああ!」
『!?』
かざりがドアを蹴破った!?
「どるぁあああああああ!」
『!??』
遅れて鴎星が部室の中に飛び込んでくる。
まさか、二人で一作!?
「鴎星ぃぃ! まだだ、もっと熱くなれええええええ!」
「フォウ! プリウス!」
「室町時代を思い出せ!」
「!? そうか! これが音に聞くサムゲタンか!」
「違う。これは黒砂糖だ!」
『…………!』
な、なんだこれは……!
オレ達は何か新しい物を発明してしまったのかもしれない……!
体中に走る戦慄、そしてこの感覚!
斬新過ぎるぜ二人とも……!
……………………ふぅ
『なんだこれ……』
新しいと言うか、ただのキ○ガイだよ……
「思い付いた時はいけるとおもった」
「反省はしている。後悔はしていない☆」
こいつら……ふてぶてしい。
「まあ、アレねぇ」
あ、部長さん復活した。
「アレって?」
恭夜先輩が聞き返す。
「……統輝君、話の締めにこう書いといて」
「うわぉ、メタ発言いただきましたー」
まあ書くけど。
…………うん
本日の教訓
『結局ありのままの自分が一番』
そのままの君でいて……はいSetsuです。
やっぱりね、ありのまま生きていきましょう。
うん。あとがきに書くこと無いよ。どうしよう。
まあいいや←
感想・アドバイス待ってます。
それでは稜高学園一同、次回もお待ちしております!




