気付け薬をつくろう
飲んで美味しいとは決して言えない。
これを飲みたくがないために、皆気絶しないように頑張る。
さて、今回は気付け薬をつくっています。
お店は臨時休業。
だって、この薬の臭いったら!!
冗談抜きで刺激臭が強いので、マスクは気にくわない隣の武器兼併防具屋のお手製をつけてる。まじでくっさいんだから。
背に腹は代えられない。
気付け薬はその名の通り、体力がなくなって気絶した人を復活させる薬。
三段階ぐらいあって、
体力をちょびっと回復させるもの。
体力を半分くらい回復させるもの。
体力を完全に回復させるもの。
ちょびっとしか回復させないものは、すぐポーションを使用しないとまた気絶するから余り役には立たない。せめて中級のがオススメ。
まず、苦木【にがき】という木の枝を水に浸す。鰹節くらいの多きさでいいかな。水はバケツ一杯くらい。
そうするとじわじわと苦味が染み出てくる。
次にその水とポーション草をごとごと強火で煮る。煮込むと何かの反応で臭みが出るんだけど、これはまだ序の口。
ちなみに今の臭いは医療室のエタノールぐらい。この臭いは好きっていう人もいる。
次に栄養価が高いと言われる食物チェリッシュを入れる。チェリッシュ自体は赤くて甘い果物なんだけど……段々と臭いがまた強くなる。
この時には血の臭いがする。
これは正直しんどい。
少量の血ならいいんだけど、大量につくるだけあって臭いも目眩がするほどだ。
一度、ただの布製のマスクでしたら失神して臭さに文句を言いに来た武器兼防具屋に助けられたことがある。
そして、どぶ色の液体を綺麗にするため、最後に食べれる金を入れる。
すると
ボフッ!!
音がなってツーンとした臭いにキラキラ金色に光る液体、気付け薬の完成だ。
ちなみにこの時の臭いは失敗した料理の臭い。刺激臭だ。
できあがった薬はいつもの如くちまちま瓶につめ、それが終わったら窓という窓をあける。
「あー!!!くさっ!!くさっ!くさいー!!」
お手製マスクを外して叫ぶと、頃合いを見計らったように隣人が文句を言いにやってくる。
そうして臨時休業の1日は更けていく。
〜ちょっと回復の気付け薬〜
材料(20個分):
ポーション草:10束
苦木の枝:1枝
水:バケツ1杯
チェリッシュ:4個
食べれる金:適当
採取地:
苦木は西砂漠からの輸入。
チェリッシュ・金は市場で購入。
備考:
とにかく臭い。失敗した料理の刺激臭をなめてはいけない。
ポーション草の量により回復の度合いが違う。
ちょっと回復:150ゴールド
半分回復:500ゴールド
完全回復:1000ゴールド
完全回復の気付け薬には少し高価な人魚の涙が入ってます。