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武器屋との再会:3

鈍い音がして男が後ろにいたという圧迫感がなくなり、首筋に当てられていた大剣がいつの間にかガイツさんによって外されていた。


慌ててつい喉元を触った。良かった、首は繋がっている。


「まったく、お前は……」


空耳ではない声が近くで響く。そしてすぐに肩に重みを感じたので見ると、真っ赤な髪が目に入った。どうやら頭を私の肩に預けているようだ。



良かった。わたし、生きてて。



死ぬかも、と思った瞬間、思い出したのは武器屋の顔だった。


失ってはじめて気づくこともあるって言うけれど、私は運良く失う前に気づくことができた。


愛しさがこみあげてきて、赤い髪を撫でてみた。

いつも撫でられる側だったからわからなかったけど、撫でる側は慈愛を以てじゃないと頭を優しく撫でることはできない。

武器屋の頭を撫でて初めてわかった彼の意識に愛しさがどんどん募っていく。


武器屋はいつも私の頭をぐしゃぐしゃに撫でていたけど決して痛くはなかった。

時にはそっと撫でたりもしていてくれた。

それは単に友達としてのスキンシップであっても。それでも。


「すき」


その言葉は自然に素直に私の口から溢れでた。




その言葉に武器屋の身体がびくりとした。

でも、それだけで動かない。

私も何も言えない。


一体どれくらいだろう。

多分、一分も経っていなかったとは思うけれど、肩の重みがなくなって頬に手を添えられる。


そのまま促されるように後ろを向けば。



とても優しく唇が重ねられた。




武器屋はキスするとき、優しく目を合わせてくれる。あと、頭をそっと撫でてくれる。

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