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終わりへの旅立ち:2


「……で、この身分証を提示していただくと道具屋がない村などに、道具屋を建てる許可がすぐ出るので……」


どのぐらい経っただろう。座りっぱなしで腰が痛くなるぐらい、ずっと説明を聞いている。


すんなりクラスチェンジができるのかと思ったら、そうでもないみたいで書類の記入があったり、説明があったりと係りのお姉さんはずっと喋りっぱなしだ。さぞ喉がカラカラだろう。申し訳ない。


本部に来て始めて知ったが、どうやら私はランクアップできるみたいで、行商人と固定の道具屋、兼任はできないが、どちらでも選択できるようだ。


普通のレベルなら行商人と決めたら、町を移動して露店形式で道具屋を開く。道具屋がない町にたどり着いても、そこで道具屋を建てて商うことはできない。でも私のレベルなら、行商するのを止めて、定住して道具屋を開いても大丈夫ということだ。


「では、最後に新しい身分証の裏にサインをお願いします」


やっと終わるみたいで、お姉さんはほっと息をついている。早く休ませてあげたいので、私はさっさと名前を記入して新しい身分証を受け取った。


「これで手続きは終わりです。クラスチェンジのご利用ありがとうございました。あと、レベルアップおめでとうございます」


「ありがとうございます」


「行商人に必要な敷物や他の道具は上の階で販売しているので中央の階段からお上がりください」


そう言われて大きな中央の階段を上がるとそこは色々な物が置かれていた。



色とりどりの敷物に、露店をするからと大きい日傘が売っていたりと様々な商品が二階には広がっていた。


散々物色した結果、肌色の分厚い敷物とお金を管理する小さい金庫とあと幾つか必要な物を買い揃えた。


「あっけなく終わっちゃったな」


思いがけず早くも用事は済んでしまったので、カフェでお茶をしながら、敷物と一緒に購入した地図を広げた。

この地図には幾つか赤い×印と青い○印がついている箇所があり、それぞれ露店をしていい区域、道具屋がない町村が表示されている。


意外に道具屋がない所は少ない。やっぱり組合が管理しているからよっぽどでない限り道具屋はあるみたいだ。


ないのは暗黒竜がいるディーパ、魔王が住んでいると言われる最北の極寒地周辺、あと幾つかの村と……私が先日までいた町。


そっか、まだ新しい道具屋ないのか。


……どこに行くかは夜ゆっくり考えようっと。

今日は羽伸ばしだと地図を片付けて、まずは目の前に置かれた珈琲をゆっくりと味わうことにした。




購入した肌色の敷物は1500ゴールド。


ちっちゃな金庫は2350ゴールド。


日焼け止めは180ゴールド。

確実に日焼けするだろうなぁ。


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