表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/84

眠りの粉を浴びてみよう

不眠症の時は役立つけれど、長く寝過ぎなのが難点。町の外で使うと、気が張っているのか、すぐ目が覚めるのも難点。

あれから二日程経ち、昼過ぎに私達はペガサスの羽を使って戻ってきた。


ガイツさんは私が肩を貸して、武器屋はイクダールさんにおぶられていた。すごく力持ちだなぁ、イクダールさん。


しかもペガサスの羽で町の入口に着いたら、イクダールさんは武器屋を背負ったまま「あんたは説教よ」とギルドへ向かっていった。

そこら辺の男性より怪力だ。


「俺と嬢ちゃんは今日は帰るよ。明日ギルドに顔を出す」


「解ったわ。じゃあ明日の夜に来てね。お店が終わってからでいいから」


「はい。色々ありがとうございました」


ガイツさんにも御礼を伝え、私は帰ってきた実感をかみしめるためにゆっくりと町の中を歩いた。

やっと一段落ついたなぁ。


ぶらぶら遠回りしながら店に戻ると、店番をしてくれていた男性が笑顔で出迎えてくれた。


「おかえりなさい。その様子だと無事だったみたいだね。よかった」


「店番ありがとうございました。すごく助かりました」


「いいよ、疲れているだろうし今日までは替わるよ」


カウンターに入ろうとすると男の人がやんわりと行く手を遮った。なんだろ、明日までと彼にイクダールさんが言ってくれてたのかな?

どうしようかと考えていたら、彼は私を店に迎え入れたままの笑顔でふわりと私に粉をかけた。


「これって……」


眠りの粉だ。


作り方は猫科魔獣の角を粉状にしたものに、天使の羽。

それを水魔法で……


………


……


…。



●●●●


「眠ったかな。さて、お姫さまを二階まで運ばないと」


店番の男性は袖をまくると、深い眠りに入った女性を抱き上げた。女性特有の柔らかさにも彼は興味を示さず、彼女を二階のベッドの上にそっと横たえた。周りを見渡したが、彼女の部屋は特にこれといった特徴もない。少し懐かしいような温かみがあるぐらいだろうか。他は一般女性の部屋とかわりない。


「う〜ん、色気も特になければ美人でもない。体型は普通。性格も特に印象に残らない。ただ悪い噂もない……まぁ今のところ60点かな」


男性は道具屋の寝顔を見ると、また階下に降りていった。


●●●●


その日、私は眠りの粉をひたすら作る夢を見た。


必要なのは猫科魔獣の角を粉状にしたものに、天使の羽。

それを水魔法で高速に水と混ぜ合わせる。渦をまくぐらい勢いよく混ぜる。


混ぜ合わせたら、後は鍋に入れて煮るだけ。30分程したら銀色の粉が浮いてくるから、それを掬い、乾くのを待ったら、あら出来上がり。


それをひたすら繰り返している。何の悪夢だ。


やがて我慢できなくなり、無理矢理な意思を以て作業を中断させたら、パチッと目が覚めた。


時間を確認すると朝の8時。

太陽が明るく出ている。


急いで開店の支度しなきゃ!



〜まとめ:眠りの粉の作り方〜


材料(10個分):

猫科魔獣の角を粉にしたもの:2分の1本分

天使の羽:細かく刻んだもの。羽3枚ぐらい

水:適当。2リットルぐらいあれば足りる


採取地:

猫科魔獣→どこにでもいるから倒して手に入れる。

天使の羽→正体不明。頼んだら届く。



備考:

天使の羽は真っ白。でも人が触るとくすんだ色に変化する。構成に変わりはないのでそのまま使用するが、『失礼な。私の手はそんなに汚れていない』と思ってしまうの仕方がないことだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ