邪悪な水
私も少しは戦いに慣れておかないといけない、と一回使ったことがある。
結果、たくさんのモンスターに襲われて危機一髪なところを見知らぬ冒険者御一行に助けられた。格好よかったなぁ…。
魔除けの聖水があれば、勿論その逆もある。
それが邪悪な水だ。
名前のセンスはどうかと思うけれど、この水は本当に効き目が……使用者に対する思いやりが欠けているような気がする商品だ。
まず、色は灰色。黒が多めの灰色で雨が降りそうな曇り空みたい。
そして、魔除けの聖水は飲んでその効果を発するが、この邪悪な水は飲めない。
最初に名前と飲めないことを知った時は、毒でも調合に使ってるのかと思った。
邪悪な水は霧吹きみたいなものに入っていて、香水のように身体に振りかけて使う。
あまり量はいらないから、大きさは魔除けの聖水の五分の一くらい。
香りはというと――
「あら、何かねっとりとした甘さが……うっ!…吐きそう」
という品物。
最初は無味無臭だったらしいけど、嫌いな相手にこそっと振り掛ける人が多く事故に繋がってたりしたらしい。
一時販売中止になったが、レアアイテムが欲しかったり、大量に指定のモンスターを倒す必要があったりする人からの要望が強く、匂いを強烈にすることで再度販売されるようになった。
匂いは一定時間で消えるからいいけれど、この水は二歩あるくぐらいでモンスターが襲ってくるような品物になってしまったらしい。前はまだ効果が薄かったと記述が残っていた。何がどう作用したのか解らないが、相乗効果を生み出したようだ。
しかも、戦闘から逃げ出しにくくなるというおまけ付き。
ご購入の際はよくご検討のうえ購入し、ご使用の際は充分考えてご使用ください。
まあ、使うのは力が求められる冒険者が主だから、修行と思って頑張ってもらおう。
〜まとめ:邪悪な水の作り方〜
材料(1個分):
聖水:50ミリリットル
採取地:卸業者から購入
備考:
詳しい作り方は未公表な品物。
取敢えず毒や劇薬は入っていないらしい。
手っ取り早く経験値を稼ぎたいときは便利だけど、使う場所を注意する必要がある。だいたい自分のレベル-10のモンスターがいる所での使用を目安にしてほしい。でないと、大抵の冒険者は大怪我をする。
一般人には販売不可。




