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魔除けの聖水

効き目はバラバラ。だいたい10分の1ぐらいしか魔物と遭遇しなくなるし、遭遇しても逃げきることができる可能性が高い。

さ、寒い……。


急に気温も下がり、ちらほら雪が降り始めたこの頃。お店は早々に暖炉を使用し始めた。

寒いとお客さんの財布も固くなるしね。


カウンターから見える上半身は長袖一枚な私も、見えないところでブランケットに分厚い靴下と寒さ対策は万全だ。


「ふぅ〜、こんにちは。外は寒いわぁ〜」


「いらっしゃいませ。何かご入り用ですか?」


今日の外の寒さは格別みたいで、今入ってきた中年のお客さんはコート、マフラー、手袋、帽子の四点セット。どうも今からお出掛けのようで高級な紙袋に包まれた手土産を抱えている。



「魔物を寄せ付けない液体がほしいのよ〜、置いてある〜?」


「魔除けの聖水ですか?この真っ白な…ちょっと待ってくださいね。お取り致します」


棚の上の方に置いてある細くて一輪挿しのような瓶を取ると、お客さんは「2つちょうだい〜」とカウンターにお金を置いた。


「どこかにお出掛けですか?」


冬は篭る準備をする魔獣や野獣が多いから、聖水は一般の人には必須だ。

できたらギルドに警護依頼をした方が安全なんだけど……。

聖水はあくまで襲われる確率が低くなるだけであって、襲われる時は襲われる。

警護は少々値が張るが、隣町との往復500ゴールドぐらいだ。

聖水は一つ100ゴールドで、往復分だと200ゴールド。

たった300ゴールドの差で命を落とす人は後を絶たない。



お客さんも隣町までと言ったので、ギルドの警護を勧めた。

何かあったら取り返しがつかないから、売上関係なく聖水を買いに来た一般人のお客さんに言うようにしている。


最初は渋っていたが、偶然入ってきた他のお客さんにもギルドを勧められて、お客さんはギルドに行くことにしたようだ。お金を財布に戻すとお礼を言って出ていった。


「ありがとうございます」


「いや、今の季節は危ないしな……で、俺は洞窟探険に行くから聖水を3つとピッケル1つくれ。ロープはあるからいいや」


「はい。それではこちら4点で400ゴールドです」


「へー、ここのは白いんだ。真っ黒なのが前にあってさ、あれには参ったよ。逆に魔物を引き寄せそうな気がしてさ」


「真っ黒は確かに嫌ですね。この白は、今の聖水をつくっている司教さまの心が純粋だからじゃないかって言われているんですよ」


「なら真っ黒のやつは心が濁ってたんだな」


笑いながら冒険者は商品を道具袋に入れると、「また来るなー」と洞窟目指して旅立っていった。




〜まとめ:魔除けの聖水の作り方〜


材料(1個分):

聖水:200ミリリットル


採取地:教会から仕入れている


備考:

聖石を浸けている水に司教さまが毎日聖属性の呪文を唱えて作っているらしい。教会の収入源にもなっている。

ちなみに今の司教さまは確か40後半のおじさまだった筈。

1つ100ゴールド。




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