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閃光弾は使用注意

一回間違って落としたことがあるんだけど、眩しくて目がくらくらした。金塊を見たら同じくらい眩しいのかな、なんて思っちゃった。

夏は過ぎ去り、過ごしやすい季節になってきた。

人も動物も活発化しやすいこの時期は、闇に身を落とした者達の動きが顕著になる。

それはこの町でも例外ではないらしく、最近近くの山で山賊が出始めた。被害も多数にのぼるため、自警団とギルドが手を組んで一斉討伐するらしい。


「気をつけてくださいね」


閃光弾を20発、ギルドの依頼で作ったのを取りに来たのはイクダールさんだった。

いつもは受付だけど、今日は討伐に加わるらしく装備万端だ。道具袋に閃光弾をどんどん入れていく。



「大丈夫よ。それより、あんたも今日は店から出ないで大人しくしてなさいよ」


討伐の際に山賊が町に逃げて来てはいけないからと、今日は町の中を自警団とギルドが武器を持って見廻りをしている。

鉢合わせて戦闘になる可能性もあるので、町の人間は今日は出歩かないように通告されていた。


「解っています。でもイクダールさん、本当に怪我には気をつけてください」


「大丈夫よ。あんたは心配性ねー。それより終わったら打ち上げがあるから、あんたも来なさいよ」


「はい。楽しみにしてますね」


「じゃ、夜にね」


「いってらっしゃい」


静かに扉を閉めて、イクダールさんは表で待っていた仲間の元へと向かっていった。


住民の不安を煽ってはいけないと何も情報は教えてくれないが、閃光弾の数や討伐に加わる人数から言って、結構大がかりな討伐になるかもしれない。



閃光弾は地面に落ちた衝撃で破裂すると同時に目映い光を放つ。

その光を間近で見たら、暫く目が見えなくなるから、その間に敵を一網打尽するつもりなのだろう……念の為もうちょっと閃光弾作っておこう。


閃光弾は火薬と花火のもとと光の玉を粘土みたいに捏ねて丸める。

丸めたら、専用の容器に入れる。専用の容器はスイッチみたいなものが付いていて、投げ落ちた衝撃でそのスイッチが作動して破裂するそうだ。

開発者の人はよく思い付いたなぁと感心する。


同じ原理で、氷弾、雷弾がある。



〜まとめ:閃光弾の作り方〜


材料(1個分):

火薬:3ミリグラム

花火のもと:5ミリグラム

光の玉:1個

専用の容器:1個


採取地:

火薬:カルナの町で採取。

花火のもと:業者から仕入。

光の玉:教会から入手。

容器:業者から仕入


備考:

火薬はギルドに依頼を出して採取してもらう。カルナの町は前に武器屋と温泉に行ったところ。

光の玉は教会の貴重な収入源。孤児院で子供達が特殊な方法でつくっている。光の玉自体は危険性はなく、とても綺麗。




夕方に、山賊退治は無事に終わったとギルドの使いの人が言いに来た。詳細は広場で発表されるので、町の人は私も含め皆広場に移動するが、皆複雑な表情だ。


広場での説明によれば、やっぱり規模がそこそこ大きかったみたいで……明日は葬式が執り行われる。

亡くなった人の名前を知らせるため、広場の立て看板に紙が貼られる瞬間、町は無言に包まれた。


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