ピッケルとロープでダンジョン攻略
ピッケルは100ゴールド、ロープは80ゴールド。近くにこの2つが必要なダンジョンがあるから、そこそこ売れています。
「すみませーん!ピッケルとロープください」
夏の暑いお昼時。
鈍い扉が開かれて女性二人連れが入ってきた。
「サーニャったら肝心なこの二つの補充忘れるなんて」
「ごめんごめん、でも入口で確認してよかった〜。流石に途中から戻るにはあのダンジョンは厳しいし」
どうやら洞窟タイプのダンジョンに向かうところだったらしく、途中で道具が足りないのに気づいたようだ。
気づけたのは運がいい。
途中でポーションや必要な道具が足りず、町へ戻るのは凄く手間がかかる。下手したら、戻っている最中に全滅なんてこともあるし。
「ピッケルは三回使い捨てなのでご注意ください」
先端は尖っているので布で包んだ状態で渡すと、彼女達は道具袋に納めず、そのままピッケルを背負った。買った五本全部…見た目とは違い大分筋力があるようだ。
もう一人はロープを四束肩にかけた。この人も力持ち。
「他に買い忘れないよね?」
「うん、さあ行こっ!お宝が私達を待っている!!」
「じゃ、有難うございました〜」
この近くの洞窟ダンジョンって言ったら、闇の精霊が住むって噂の『暗闇の洞窟』だ。
そこそこな難易度の洞窟だった筈。
宝箱には闇のマントとか入れておいたから、暗闇の洞窟攻略目安の基準レベルより二〜三くらい低くても大丈夫だろうけど……まだ十代みたいだったし、大丈夫かな?
冒険者に年齢は関係ないって解っているんだけど、自分より年下の人達が装備を整えているのを見ると心配になる。特に子供。彼らがモンスターと戦ったり、高い山に登ったりするのが想像できないのだ。
「お気をつけて」
走り出すように出ていった二人には聞こえないだろうけど。
それでも。
私は呟きながら、そっとお店の扉を閉めた。




