プロローグ 『それは突然のことでした』
この話はフィクションです。
同じ名前の別の世界であり、実在する人物名とは関係ありません。
どうぞ、お楽しみください。
初めまして。星夜 遥です。
私は今、大変怒っています。
*・゜゜・*:.。..。.:*・'
ーーー1ヶ月前の事ーーー
始まりは、父の事についてでした。
「遥、貴女のお父様から連絡があったわ。夏休みにイタリアに来るように、ですって。私も勿論、一緒に行くわ。8月の最初の二週間、予定とかは入れないでね」
「そもそも、お父様は生きていたのですか?」
私には、物心付いた時から父はいませんでした。今更、父がいる、などと言われても、正直、実感が湧きません。
「いるわよ、勿論。いなきゃ、遥は生まれないし、私は一言も死んだなんて言ってないわ。第一、誰が働いているお陰で生活してると思ってるの?」
まぁ、確かに、そういえばそうですが、やはり、父がいなくて当たり前だったのです。突然、そんな事を言われたって、皆さんだって"え?"と思うでしょ?
「どうして、今までお父様には会えなかったのですか?」
とりあえず、聞きました。
「いや、仕事の都合よ。色々とあってね、お父様は会うことが出来なかったの。今回は、遥の将来に関わる大事な話があるそうよ」
母は私の方を見て、"ふふっ"と笑いました。嫌な予感しかしません。
「将来に関わる話…ですか?」
「ええ、そうよ。もしかしたら、結婚について…だったりして」
…結婚ですか。嫌ですね。今までの普通の生活が崩れる気がします。
「あ…ちなみにお父様の命令は絶対よ♪」
なんと、この話はこれで打ち切りにされました。
*・゜゜・*:.。..。.:*・'
ーーーそして、1ヶ月経った今日です。
明日、イタリアに行きます。
母のあの態度は、確実に結婚ではないでしょうか?
すると、だんだんと憂鬱になり、やがて怒りが込み上げてきます。
それが、今の私の状態です。
まぁ、やむを得ませんので、私は明日、イタリアへと行くでしょう。
では、皆さん、イタリアで会いましょう。
<7月31日>
不定期連載です。
他の小説も執筆しておりますので、更新に時間が掛かる事が多々あります。
どうか、ご容赦ください。