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二度目の"好き"はサクラ色  作者: ふなつさん


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4/4

第4話 なんかモヤモヤ…

ほんと、昨日は本当に驚いた。あんなにあっさりと、憧れのバンドが文化祭に来てくれることになるなんてさ。

これはもう、他のブースも気合い入れて作らないとな。

なんていったって、あのメモリコのメンバーが見ることもあるかもしれない。

そんなことを考えながら学校に向かって電車に乗っていたら、臨からメールが来た。

《改めて文化祭行けないくてごめんね。今朝全校メールで来月の予定が来て、文化祭は10/25と26だって。これるかな?ぎりぎり友愛の文化祭とは被らなかったね》

私のとこの文化祭は10/18と19。丁度臨のとこの1週間前だ。慌てて予定を確認。

18日は生徒会で集まって文化祭について話さないといけないけれど、19日はいちにちあいていた。

その旨を臨に伝えると、やった!というスタンプが返ってきた。また後日詳細を送ってくれるそうだ。

「友愛。おはー」

真希だ。真希とはいつもこの駅から一緒になる。

「にしてもよかったねえ。私は、メモリコのことは有名だから知ってるって程度だけど、友愛からしたら憧れだもんねえ。」

「ほんとだよ!今朝起きて日記に書いてあることが変わってなくて、本当に飛び跳ねたんだから。」

「へえ?友愛日記書いてるんだ。かわいー!今度見せてよ?」

「やだよ!恥ずかしいな!」

「ええー」

「ほ、ほら、駅着いたよ。降りるよ」

私は慌てて話題を逸らすようにそういった。駅を出て学校に向かって歩きながら、真希に問う。

「確か英単語のテスト近かったよね?あれいつだっけ?」

「あー友愛さん。やっちゃったね。今日なんだなあこれが…その質問するってことはやってないでしょ。」

「う…うそ…まじで一桁確定なんだけど…」

「あーあ。まあ昨日あんなことあったししゃあないよ。それにかっちゃんなら許してくれるって。浮かれてましたで通用するんじゃない??」

真希がニヤニヤしながら言ってくる。まあほんとに真希の言うとおりではある。

平井先生が私たちの英語の担当で本当に良かったと何度思ったことか。

「今からでもできる分はやるか…」

「お、いつになくやる気じゃん。いつもならここまできたらもう諦めるとこなのに。」

「いや、なんかさ。臨に成績が最近振るってないのバレてさ。次成績表に2がついたらデートを月1から2ヶ月に1回にされちゃうんだよね。」

「彼氏くんやるね。それ彼氏くんもだいぶ辛いだろうに、友愛のためにそんなことまで言ってくれるとは。」

「そうなんだけどさああ…母親が二人になったみたいな感じがして嫌なんだよねえ」

「こらあ!彼氏がせっかくやってくれてるのにそんなこと言わないの!!彼氏いるだけありがたいと思ったら!?」

そう。真希はこんな見た目の割に彼氏はいたことがないのだ。

本人別に恋愛に興味ないとかそう言うわけではないのだが、好きな人が現れないんだとか。

初恋の人はいるけど、その人には彼女ができてしまったらしく。しかも複雑なのはその彼女さんとも仲がいいらしくて。

結局彼女さんとも気まずくならないようにするために、告白すらできずに終わったらしい。

「ね。メモリコ来てくれるわけじゃん?生徒会は企画とか全部やってるわけだから、もしかしたら会えるかも。もしあったらなんていうのー?」

「んー。じつは一番好きなNozomuとは握手会で一回話しててさ。大好きです!いつも応援してます!みたいなこと言った記憶があるな。」

「ええ…あんたいくら相手が芸能人だからって流石に彼氏くん嫉妬しちゃうんじゃないの?」

「そんなことはないとは思うけど、一応そんときはまだ付き合ってなかったのよ。」

「ああ…念のため次会ったときは気をつけな。」

「真希気にしすぎじゃない?バンドのボーカルに大好きですって言っても、バンドが、とか曲が、とかって意味だし、そんくらい絶対臨もわかってるから。」

「でも、わたしは重い女だから?彼氏がアイドルにキャーキャー言ってたらやだもん。」

「アイドルですらないから!それにそんな彼氏とか彼女は世の中にいっぱいいるよー多分、恋人ができたら推し活には強制的に制限がかかる、なんてルール作ったら、世の中のカップルの数は大幅減だよ。」

「そおかな…わたしはそのルールの方がむしろ嬉しいけどな。」

「ええーいつかそれくらいの推しが真希にもできるんじゃない?」

そこでハッとする。気づいたら教室の中だ。

英語の勉強結局全然やってないんだが…

やらかしたなあ…………

「そろそろチャイムなるじゃん。じゃあまたあとでね。」

そういって真希は自分の席に戻って行った。

問題と解答用紙が配布され、10分間の単語テストが始まる。

早々にわかる問題を解いてしまった私は、いつもならしない見直しをし、

さらに余った時間でわからない問題も全て何かしら書いて埋め、空欄0の状態で試験を終えた。

こんなのは高校入試以来だ。

「空門が全問解いてるとか珍しいな」

なんて、回収に来た列の一番後ろの男子に言われてしまった。失礼しちゃう。事実かどうかは別にして…

その後も淡々と日常が過ぎていった。

昼休み。会長から連絡があって、生徒会室に集まると言うことになっていた。

どうやら具体的なステージの方針を決めるようだ。

「さて、今日は文化祭のステージ全体の話をしたい。この前マネージャーさんにお渡ししたのはあくまでメモリコの演出に関する企画書だからな。その前後などをどうするかについて決めたいと思う。」

意見は大きく分けて二極化。

一つは、生徒から希望者を募って、メモリコのまえにパフォーマンスをする。

もう一つは、メモリコの時間を多くとって、他の時間は簡単な視界のみにすると言う意見。

出演時間によって簡単なパフォーマンスの構成を決めたいから、決まったら連絡をくれと、事務所から言われていたらしい。

私は気持ち的には圧倒的後者だったが、ある先輩の

「あくまで文化祭は私たちこの学校の学生のために自分たちで企画から全てを進めていく行事なので、生徒自身がやりたいことを最大限実現できるものにするべきだ。」

と言う意見に惹かれてしまい、前者派として話し合いに参加。

真希は、せっかくメモリコが来てくれる一度きりのチャンスなら、今年くらいそっちに重きを置いてもいいのではと言う意見だった。

正直そうしたくはある。そこでふと気になることがあった。

そもそも…

「会長。そもそも、メモリコって2日間のうちどっちもに来てくれるんですか?」

1日だけなら、その日まるまるメモリコにして、もう1日で生徒がやれば…と思ったのだが

「そうだな。正直1日だけだったらもう1日を生徒だけにすればいいんだが。」

と言われてしまい、そらそうだ、なんて思って諦めた。

結局昼休みだけではまとまらず、もう少し各自考えて、放課後の集まりで決定すると言うことになった。

正直、その後の午後の授業には全然身が入らなかった。昼休みの話し合いの内容も、もちろん原因の一つではあるのだが…

もう一つは、ある1件のメールだった。

《梶井さんに、9/30の17:00から空いてるか聞いてほしい。もし空いてるようだったら、梶井さんに俺の連絡先を送っといてもらえると助かる。よろしく!》

臨からだった。そんなの、さっさと真希に聞いてしまえばいいじゃないか。

そう思うだろう。そうしたいのは山々なのだ。でも、そう言うわけにもいかなくて。

だって、9/30。この日は、私がデートに誘って断られた日だったから。

この日行けなかったら、9月中はデートに行けないことになってしまうからと、

祈るような気持ちで誘った。しかし断られてしまった。

でもその時、臨も9月にまだ一度もデートしてないことには気づいていて、

わざわざ電話で謝罪して、できるだけ近い候補日をたくさんあげてデートの約束もしてくれた。

だから全く気にしていなかったし、いまの今までそんなことも忘れて、ただデートを楽しみにしていた。

しかし、そんな中でのこのメール。色々な記憶が蘇ってきて、デートを断ったのは他の女子に会うためだったのか、そして、そのことを隠そうともせずに私に送ってくるとはどこまで無神経なのか、と苛立ってしまう。

考えても仕方ないと思い、真希に話すことを決心し、立ち上がった。

「真希、ちょっといい?」

「んー?いいけど、どうしたの?」

「いま臨からメール来たの。これなんだけど。」

真希にメール画面を見せた。

「あー、なるほどね。なんか元気ないと思ったら、そゆことか。大丈夫。友愛の思ってるような話じゃないの。」

「どういうこと?」

ときくと、嘘を言っているようなそぶりは一切見せずに、真希は話し始めた。

「おととい、彼氏くんが友愛のこと迎えに来たでしょ?あの時、私は友愛より先に学校出たから、彼氏くんと会ったのよ。で、私から話しかけたの。その時出た話題のことでお互い気になることがあって、後日会って話そうってことになって。連絡先聞いたら、友愛に聞いてないからって断られちゃったんだよねー。友愛に聞くの忘れてた」

「その時何話したの?てか臨もちゃんとそう言ってくれれば良かったのに…」

「多分彼氏くんがそのことについてメールに書かなかったのは、直接話せる私の方が誤解招かず説明できると思ったからだと思うよ。でその時の話の内容だけど、実はまだ友愛には話せないんだ。そう言う約束なの。でも、別にやましいことがあるとかじゃなくてね…えっと…なんて言うのかな…」

その様子を見ていたら、本当に何もないことくらい容易に理解できた。

そもそも、臨が私にやましいことをして、尚且つそれを隠し続けるなんてことあるわけない。

それは、私が一番わかっているはずのことだった。

「うん。わかった。信じるね。それは、いつか話せることなんでしょ?」

「もちろん。というか、結構すぐ話せるようになるよ。本当に少しだけの間だから。ちゃんとできるだけ早く話すからね。」

「わかってるよー。別にはじめから真希のことも臨のことも信頼してないわけじゃないんだから。ちょっとモヤモヤしてたから聞いちゃっただけ。」

その後は、真希に臨の連絡先を教えてあげてこの件は終わった。

正直、二人のことは信頼してるし、恋愛だなんだって言う方向のやましい秘密があるとは思ってない。

でも、やはり少し不安なのも事実で。どうか私にプラスな秘密だといいな。そんなことを思った。

その後も二つの授業を受け、私たちは生徒会室に向かった。

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