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Side"ご主人" No.1

Side"ミーケ" No.1を読んでからの方が楽しめます。

 私はご主人。ミーケのご主人である。最近何かと不思議なことが起こるのである。つけっぱなしのパソコン。たたまれた洗濯物。いつの間にか増えているアイパッドのアプリ。両親に聞いてもやっていないと言う。では誰が?まさか幽霊や妖怪の類では・・・私はミーケのご主人。怖いものは苦手である。



 私はご主人。ミーケのご主人である。猫がアイパッドを楽しむ動画を見て私もミーケに触らせてみた。鍵盤のアプリである。かの動画の猫とは違い、ミーケはゆっくりと画面に触っている。人のように音を感じているのかもしれない。そんなミーケが可愛いよ・・・つくづく思う。私は親馬鹿な飼い主であると。



 私はご主人。ミーケのご主人である。私は無類の猫好きである。最近思うのだが、私の猫ミーケは他のどの猫よりも知能が高い気がする。親馬鹿だからそう思うのかもしれないが、ミーケが私の言葉をじっと聴いているのを見ると、やはり私の言葉を理解しているように感じられる。本当なら素晴らしいことだ。



 私はご主人。ミーケのご主人である。ミーケはやはり、ただの猫ではなかった。彼女は猫又という妖怪で知能が高かった。そして彼女は猫又の掟とやらに従い、家を出て行ってしまった。私は彼女を探さなければならない。だって私はミーケの事が好きだから。私は家を飛び出す。いつもより空が暗い気がした。



 私はご主人。ミーケのご主人である。私が間違っていたのだ。あの時ミーケに「お前は普通の猫か?」と問い詰めなければ良かったのだ。そうすれば今も彼女と一緒にいられただろうに。いくら探せども彼女はどこにも見つからない。もう遠くに行ってしまったのだろうか。何か手掛かりは・・・パソコンだ!



私はご主人。ミーケのご主人である。家に帰るなりパソコンをつけて履歴を見る。予想通り私の知らないサイトがいくつかある。路地裏猫又同盟なるものを発見。これだと思いクリックをしてみるが完全パスワード制。負けてたまるものか。私はご主人。パスワードが記憶されているのに気付くまであと3分。



 私はご主人。ミーケのご主人である。路地裏猫又同盟のサイトに入れた。やはり猫又のサイトだ。集会の情報や犬に襲われた時の避難場所などが載っている。そして猫又の掟という項目。そこには・・・私は家を飛び出す。ミーケは隣町の集会場にいるはずだ。今夜三丁目の地蔵の前に、猫バスが迎えに来る。



 私はご主人。ミーケのご主人である。三丁目の地蔵の前で猫バスを待っている間暇なので少し状況を整理しよう。明日隣町で路地裏猫又同盟の集会がある。内容は猫又と狸の同盟だ。今回の集会はこの地域の猫又が全員呼ばれるのでミーケも行くはずである。もう一度、ミーケに会うのだ!猫バスはまだ来ない。



私はご主人。ミーケのご主人である。私の隣には一匹の猫。無論ミーケではない。「君も集会に行くのかい?」その猫は訝しげ私を見ていたが口を開く。「そうだ。では人間、何をしに行く?」と聞かれたのでミーケに会いに行くという旨を伝えると「掟か」と言われた。そう、私は猫又の掟に従うのだ。



 私はご主人。ミーケのご主人である。猫又の掟にはこうあった。飼い主にバレてしまったらすぐその家を離れること。しかし、飼い主が自身を探しに来た場合、またその家に住めるのだ。ミーケは私とまた生活を共にしたいと思っているはずだ。私だってそうである。私はミーケのご主人。猫バスがやってきた。



 私はご主人。ミーケのご主人である。猫バスは巨大な猫ではなかった。猫が運転している普通のバス。少し残念な気がする。隣町まではあまり離れていないのですぐに着き、先程話をしていた猫又に野宿できそうな場所を教えてもらい明日に備えた。頭上には星空。ミーケもこの星空を見ているのだろうか・・・



 私はご主人。ミーケのご主人である。私は昨日会った猫又に連れられ、集会場に行った。そこは何も無い大きな広場だった。「3秒目を閉じろ」と言われそれに従う。目を開けてみるとそこにはたくさんの猫が。猫又の妖術で人の目には見えなくしてあるらしい。私はミーケのご主人。ミーケはどこだろう。



 私はご主人。ミーケのご主人である。人間である私が集会場に入ってきたのは目立つので、すぐに猫又の長に声を掛けられた。「誰かお探しかね?」「ミーケという猫又を探しています」長は「フム。掟じゃの」と言った。「ご主人?」足元で声がする。ミーケの声がする。私の黒猫。おかえり、ミーケ。



 私はご主人。ミーケのご主人である。ミーケとの再会。私とミーケは猫又たちに祝福された。どの猫又も主人との絆を大事にしたいと思ってる。「ご主人、また一緒に暮らしてくれますか?」私の答えは決まっている。私はいつまでもミーケのご主人なのだから。ミーケと歩く帰り道。いつもと違う二人の距離。


久しぶりに書きました。

ミーケとご主人との関係をはっきりさせたくてこのような感じに出来上がりました。

140字という制約はきついですが、これからはショートストーリーを書いていきたいと思います。

感想、意見などお待ちしております。

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