溜め息を吐いて幸せが逃げるのは本人だけで良い
初めまして、阿吽と申します。
どうぞごゆっくりお読みください。
※シリーズの説明を先にご覧ください。苦手な方がいるかも知れませんので。
最初に断っておく。私は溜め息を吐かない。
理由は単純明快で、溜め息を吐く人が嫌いだからである。好きな人なんていないだろうとは思うものの、他人が取る嫌な言動ランキングを作るなら、『溜め息を吐く』は必ず上位に入るだろう。それぐらい嫌いだし、鬱陶しい。
まず溜め息について皆さんに知って頂くべく、その種類について説明させて頂きたい。大きく分けで二通りあると思っている。
ひとつは『はぁ~あ』だ。これは結構なボリュームで周囲にも聞こえるように吐かれるイメージ。息だけでなく声もあからさまに混じった迷惑な代物だ。
ふたつめは『ふぅ~』かな。これもボリュームとしては『はぁ~あ』とそんなに変わらない。あとで話すがちょっとだけ当の本人の心模様の違いによってこのように分かれるのだろう。
どちらも共通することは、まず聞こえるように溜め息を吐いているという点。ここはブレない。その人は周囲から孤立している傾向にあると個人的には思っているが、そんな人ほど音量は大きくなる。どんな心境か想像することは容易い。大体こんなとこだろう。
「はぁ~あ‥‥‥(私だけしんどいなぁ‥‥)」
「ふぅ~‥‥‥(一仕事終わったぁ、疲れたぁ‥‥)」
こんな具合だろうか。
そういえば、ひとつ言い忘れていたことがあるので補足したい。この溜め息の時に私が嫌なのは、この上なくしんどそうな顔をする人だ。"しんどいアピール"を溜め息ひとつでむんむんと漂わしてくる。喋ればいいのにと思ってしまう。そんな顔して、溜め息を吐いて、場の空気が良くなるわけもないし、寧ろ重苦しい空気になる。本人は気づいているのか、いないのか。
(あんただけがしんどいんじゃない‥‥こっちも疲れてんねん‥‥‥!!)
そんな風に漏れそうになる声を必死に抑えている。
誰が言い出したか『溜め息を吐くと幸せが逃げる』だなんていうが、当人から逃げる分には別に知ったことではないが、こちらの幸せまで一緒に連れていかれている気さえする。"幸せ"という人が持つ何かを、それを運ぶ妖精みたいなのがふわふわと飛んできて、持っていってしまうイメージ。
『あなたたちの分の幸せも腐っていくので持っていきますね!』と言わんばかりに妖精は颯爽と消えていく。
要するに溜め息は周囲をも巻き込み、どんよりとした空気を生む。集中力と言うか、やる気と言うか、そういったものが一気に阻害されるということだ。まあ、そんな溜め息如きで文字通り吹き飛ぶちっぽけな集中力なんて、もともとないに等しいとも言えようが。
あんまり、溜め息の嫌味ばかり言っても仕方ないので私の考える正解の溜め息の例を紹介したいと思う。次の通りだ。
「はぁ~あ‥‥‥そういえばさあ~、さっきのお客さんの態度がかくかくしかじか‥‥もうほんと嫌になるよね~‥‥○○君どう思う?」
「ふぅ~‥‥‥外回り疲れたよ、あ、○○さん!お昼でも一緒にどう‥‥?」
これならどうだろう。陰湿な感じがしないし、話しかけられた側も反応しやすい。なんで溜め息をついているのかわかるし、まだかわいげもあるではないか。その人のことが嫌いかどうかは別にして、コミュニケーションの余地も残されている良い溜め息だ。
一方、先ほどの例だと、周囲から『どうかしましたか?』と聞かないといけない(そんなことはない)ような気がして、あまりにも無責任な溜め息だなと思ってしまう。
吐いてしまったものは仕方ない、吐いた唾は飲めないし。もしかしたらとても嫌なことがあったのかもしれない。百歩譲ってそう受け取ってもいいだろう。それでも、吐いてしまった以上、溜め息だけで終わらすことを私は許せない。
だから、私は溜め息を吐かない。
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