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PT結成

スタンピードから二日立ってまたダンジョンに戻ってきた。

あのときにゴブリンソードマンという上級ゴブリンを倒して進化値が26になった。

しかし、俺は前回のことで力不足を実感している。

守衛隊の方が強いのは当たり前なのだが、俺は普通の冒険者と比べても弱い。

一月弱で進化値がここまで上がるのは珍しいことだと野村が言っていたがそろそろ野村とのコンビも人員を増やすことも考えておきたい。


九時十五分に家を出て二十二分発の電車に乗る。

冒険者関連のニュースを見たところ「ついに進化値997に到達 千まであと三」

という見出しが目に入った。

世界のトップはもうそんなに高いのか。

でもここまで高くなるとどれだけのモンスターを倒せば進化値が上がるんだろう。


次にあったのは「炎の魔剣オークションで三十二億円で落札」だった。

誰が買うんだ、こんな高い剣。

でも、俺も新しい剣を買うのもありかもしれない。

いろいろ考えているうちに江古田駅についた。


そこからしばらく北に行き住宅街の中に入ると封鎖をしめす黄色いテープが張ってある。

テープの張られている交差点の真ん中にダンジョンはある。

冒険者証を提示し中に入るといつもより少し人がいた。

まあ、少しと言っても二十人ほどだがそれでも増えている。


野村は、絶対来ないな。

予定が九時半と昨日約束した以上九時半ちょうどにしか来ない。絶対にだ!


「なあ、広斗。今暇か?」

「えっ、ああ石崎さん。今日もここにいたんですね。野村待っているだけなんで暇ですよ。」

「そうか。ところで広斗に頼みがある。お前のPTに入れてくれ!」

「私からもお願いするわ。入れてくれないかしら。」


いつの間にか後ろに立っていた二人にいきなりそんなことを言われた。

そもそも人事とか会計は野村の担当だから俺は全く分かりません。


「つーか、いいかげん離れてくださいよ!暑苦しい。」

「そんなこと言うなよ!広斗を離したら逃げるだろ!」

「ちょっと、私からもお願いしてるのに聞いてくれない?」


後ずさろうとしたところでしがみつかれて離れられない。

周りからは助けにも入られない。

野村といつも騒いでいるので誰も気にしないのだ。ちくしょー。


「なにしてんだよ……広斗もおかしくなったのか?」

「あ、野村。助けてくれ!」


ついでにカウンターの上の時計を見ると九時三十分一秒をさしていた。正確だな。

野村に今の状況を説明して助けてもらおう。

ここで石崎さんと松島さんは俺から離れて野村に頭を下げた。


「野村だよな?PTに入れてくれ!って広斗に頼んでたところなんだ。」

「まあいいんじゃないか。広斗はどうなんだ?」野村が聞いてくる。

「いや、別に入れてもいいんだけどお前の許可も取りたくてな。」

「そうか。じゃあこれで結成するか。受付に言ってこよう。」と言う。


受付のカウンターでPT用の書類をもらっておいてある机に行く。

記入事項を書き入れて提出する。判子がないから拇印でも良いか聞いたら大丈夫だった。


「はい、これで大丈夫です。本部の方に出しておきますね。」

「ありがとうございます。お願いします。」


提出しに行った俺がテーブルに戻ってきて野村が

「じゃあまず自己紹介から始めようか。」と言った。


石崎さんから順に紹介する。


「じゃあ言い出した俺からだな。俺は石崎健二だ。25歳で今はフリーターと冒険者の掛け持ちだ。避暑のために行った山で『神災』の3か月前にファングウルフを倒して冒険者になった。タンカーやってて武装は矛と盾だ。」


矛と盾とはなんとも二字熟語みたいな装備だ。

しかし、山でモンスターに遭遇するとは前途多難だな、残念。と思い石崎さんを見ると睨まれた。

そんな変な目はしてないつもりだが……


「次は私だね。改めて私は松島美由だよ。もとから私の家はモンスターと戦ってたんだ。でも、この『結界特化(オールバリア)』って結界に特化してしまう代わりにバリア系が強力になる能力魔法があって家からは使えないって追い出されたんだ。」


家から追い出されるなんていまだに有るんだな。

なんか悪いな、聞いちゃって。


「別に気にしなくていいよ。追い出されたときにこっちから絶縁状叩きつけたやったから。後で『障壁砲(バリアキャノン)』の有用性に気づいてから慌てて呼び戻されたけど帰ってないよ。」

「と言うことだ。広斗、気にやむ必要ないぜ。」


あーあ、結構キツく殴られてる。

こっち見んなって。俺は何もしてないぞ?

野村に肘で合図して続きを話させる。


「はい、次は俺か。野村和道17歳、魔法術と剣で魔法剣士をしている。だけどほぼ魔法術寄りだがな。」

「短っ、もうちょい語ることないの?」

「無い。言うとすれば冒険者をやっているのは広斗の付き合いと強くなる為だ。」


最初から二つ目を言っておけばいいのに。

もういいや、最後は俺だな。


「野村、最後に自己紹介したのっていつだっけ」

「今が六月末だから約三ヶ月ぶりだな」

「ずいぶん最近だった。それで俺の名前は知ってるだろうけど最上広斗だ。俺も剣と火魔法の魔法剣士だが物理攻撃重視だ。それで俺が冒険者になった理由は偶然進化値が7に上がったのと、地球を倒すためだ。絵空事だと思うかもしれないが俺は本気だ。」

「じゃあ一つ聞くが何のために地球を倒す気なんだ?」と石崎さんが問う。

「偽善者だとでも思うかもしれないが俺はこの日常を守りたい。俺はもう人が死ぬのを見たく無い。だからこの身を挺してでも地球を倒す。」


そして、一つ隠していることがある。

それは地球と会ったことについてである。これは野村にも言っていない。

なぜか、理由は地球と会ったといって余計な心配をかけたくないからだ。


「そうか、分かった。お前の目は本気の目だ。それは偽善者では無く真実だ。ならば自分のためでも良いと思うぞ。」

「そうよ、理由なんて何でもいいじゃない。自分の人生やりたいことをやらなきゃ。」

「ありがとう、でもこれを聞いてもまだPTを組んでくれるのか?」

「当たり前だろ?PTメンバーだからな。お前の行く場所に俺も行くぞ。」


皆ありがとう。

俺のやりたいことに付いてきてもらって。


「広斗、良い仲間を持ったな。」

「支部長?!いま来たんですか?えっあれ?」

「はは、少しふざけた。用事か有るから来た。広斗と野村、後で受付で冒険者証を提示してみろ。」


それだけ言って去っていった。

何を言いにきたんだろうか。

野村と俺は受付に言って冒険者証を出す。


「野村さんと最上さんですね。冒険者証を預かります。えーと操作のしかたはどうだったかな」


俺達からカードを預かり、カードリーダーみたいな機械に差し込みボタンを数度押す。

それを二回繰り返し、返却されたカードは色が蒼くなっていた。


「見れば分かると思いますがカードが朱が蒼になりました。これはΘ(シータ無印)ランクからΗ-(イータマイナス)ランクになったからです。」

「そんなにランク上がってたのか。」野村が言う。

「まあ、今回のスタンピードでこんなに上がったので知らないのは無理もないと思いますよ。」


だそうだ。あと、二階級一気に上がるのはあまりないことらしい。

目標はα+(アルファプラス)ランクだな。


「あと、こちらの封筒ですが百万の褒賞金です。」


百万か。そんなもの手に持ったことないぞ!

野村がやってきて受け取って帰った。

金だけはしっかりしてるなアイツ。

俺も礼を言って席に戻る。


「二人で分けて五十万だな。インベントリが有るから封筒は使っていいぞ。」

「ありがとうと一応言っておく。でも固有魔法は人前で使うんじゃないぞ。」

「分かってる分かってる。」


本当に分かってるのかな……?

まあいい、封筒を鞄に詰めて立ち上がり俺は言う。


「では自己紹介も終わったことだし俺達の予定だったダンジョンに行っていいか?」

「別に構わないぞ。戦い方も知りたいし。」

「じゃあ皆んなで行きましょう!」


よし、ここからが腕の見せどころだ。

今日も頑張るぞ!

未熟な文章ですみません。誤字があったら誤字報告で教えてください。

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