ダンジョンに行く前に
地球と出会ってから四時間ぐらい後に俺は野村と三鷹市役所に来ていた。
あの後TVで日本対地球庁の秋元康と言う人が指定の場所で迷宮に入ることが出きる冒険者に登録することができるそうだ。
バスに乗ってしばらくいくと市役所までついた。
「ここで冒険者になれるけど武器はどうするんだ?」
「それは考えてある。ホームセンターに鉈と鉄板が売ってるからそれで行く。」
「鉄板をどうやって使うんだよ。」
「コートの内側に鉄板を張り付けておけば鎧になる。」
「本当に大丈夫なのか…」
怖いけど金もないし、しょうがないか
市役所に入っていくとカウンターに「冒険者登録受け付け」と張り紙があった。
冒険者登録の受け付けには10人程並んでいる。
最後の人がでは『最後尾こちらです』のプラカードを持って並んでいる。
「野村、あれであってる?」
「ああ、あの後ろに並んで待っていれば良い。」
「オッケー、俺は時間潰してくる。」
「広斗一人だけずるいぞ。一緒に並べ。」
結局列に並ぶことになった。
並んでいるうちにどんどん後ろに並んできて50人以上の列になった。
「野村、冒険者になろうとする人多いな。」
「そこら辺に迷宮出来たそうだからそれでなろうとする人多くなるんだろ」
「あ、迷宮近くに出来たのか。知らなかった。」
だからか、冒険者になろうという人が多いのは。
検索してみると東京には4つほど迷宮があるそうだ。
そのうち1つがこの近くにあるようなのでみんなして冒険者になろうとしているのか。
いつの間にか順番が回ってきて呼び出された。
受付の若い人に支持されてカウンターの上にある白いボックスに手を差し込む。
その中に入っている立方体の箱に手を置く。
手を置いた時に立方体の箱は光っていつか学校で見た『情報確認』の能力魔法と同じ画面が空中に映し出される。
「うわ、何だこれ学校で見たのと同じやつだ。」
「あれ、魔物を倒したことがある人ですか?じゃあ進化値も上がって…え、進化値7!?」
「あ、はい。大声出さないでもらっても宜しいでしょうか…」
「これは支部長に連絡しないと!急がなきゃ!」
そのまま白いボックスの上に「ただいま休止中」のカードを置いて走り去っていってしまった。
後ろに並ぶ人の視線が痛い。
あと、家の周りに魔物が現れたので倒していたら進化値は4から7に上がっていた。
「俺を放置したまま行くなよ!何も聞いてないなあれ。」
「ドンマイ。元気出せよ。」
そんなことを話していると受付の人は誰かを連れて戻ってきた。
「すまんな。放っておいたまま呼びにきてしまって。」
「いや、まあ良いんですけど。次は気をつけてください」
「次は気をつけるように指導しておくよ。ああ、私の名前は菊山杏香だ。少しきてくれないか。」
この人が支部長か。かっこいい感じの女の人だな、コートを着ている。
支部長の後ろについていって執務室にはいった。
で、何で呼びにいったんだ?
「どうして支部長を呼びにいったんですか?」
「政策で進化値が5以上の人間は冒険者証を与えて迷宮に行く権利を与えられる。」
「権利を与えられるって事は進化値が1とかの人は迷宮に行けないわけですか?」
「いや、法律的に迷宮の一般開放が進化値5未満の人は夏になる。」
進化値7でよかった。低かったらずっと待たされるところだったぞ。
「だったらもう迷宮行っても良いんですか?」
「まあ行っても良いが君達武器は持っているのか。」
「武器はホームセンターで鉈と鎧に鉄板を貼り付けたコートを使います。」
「それだと心許無くないか?金を出すのだったら剣と鎧を売ってやろう。」
剣!?令和で剣なんて作ってるんだ。
剣の鍛冶屋はどこにいるのだろう。俺も今度行ってみよう。
「それはありがたいですね。でも値段はどうなっているのでしょうか。」
「剣が安くて5万、鎧は15万ほどだ。そして安全性を高めるにはどちらも30万ほどのものを買うと良い。」
「高いです俺はそんなに金を持っていません全財産6万もないです後俺の学校バイト禁止です。」
「息継ぎぐらいしておけ。まあ君達には私が半分程受け持ってやろう。」
それでも30万円もするんだよ!
何でそんなに高いんだ。そうか、ツケ払いやってないか?
「ツケ払いってどうでしょうか。後は出世払い…」
「まあそれでも良いが証文は書いてもらうぞ。払えなかったら分かっているよな?」
この人怖い。本気の目だ。
俺が怖がっている目をしていると菊山支部長は、
「冗談だ。払えなかったら親に肩代わりしてもらう。」
とのこと。さっさと稼いで金を返すようにしよう。
「もうそれで良いです。剣と鎧を見せてください。」
「分かった。剣は迷宮直結の支部で売っている。紹介状を書いておこう。」
「ありがとうございます。では行ってきます。」
「あのー、冒険者証忘れています。説明は現地でお願いします。戻らなきゃですので。」
「あっ、すみません。忘れてました。」
剣の紹介状と証文を渡され、ずっと忘れていた冒険者証を貰い市役所から迷宮に行くことにした。
冒険者証は免許みたいにプラスチックで出来ていた。
ランクはα+からΘ-まで24段階あるそうだ。
「何でランクがギリシャ文字なんだよ。英語でよくないか?」
「何か思うところがあったんだろ。」
思うところって何だよ。
***
電車で12分、練馬区にある迷宮の周りにはプレハブが取り囲んでいて警備員が何人も立っていた。
肝心の迷宮は…
「あの黒い柱が迷宮?」
「そうだ。で、その周りの建物に行けば剣をもらえる。」
早速入ってみる。
「何で睨まれているんだよ。」
「見知らぬ顔だからだろ、普通は入って来れないんだから一般人と間違えられているな。」
「すみません、ここは一般の方は立入禁止となっております。」
案内係の人が呼びにきた。
早速プラカードと支部長の紹介状を見せる。
「ちゃんと冒険者証は持っています。あとこっちは支部長の紹介状です。」
「これは…すみませんでした!持っていられたのですね。武器倉庫まで案内します。」
周りの人はプラカードを見た瞬間に納得して立ち話に戻る。
着いて行くと別の建物に入っていった。
ここには壁や棚に剣、槍、斧、弓など様々なものが置いてあった。
「うわっ、すごい。そもそも、剣を見たのって初めてだ。」
「こちらから合計50万までの武器防具を選べます。」
試しに横にあった剣を手に取って鞘から抜く。
剣がライトを反射して銀に光る。
「すごい、初めて見たぞ。これは何万ですか?」
「鍔に紙が貼ってありますよ。これは62万円ですね。」
入り口に近いから安いと思ったのに!
俺は慌てて剣を鞘にしまい壁に立てかける。
「何やってるんだ。お前も装甲弱いだろ?剣は12〜3万、鎧は残った金を使え。」
「でも俺は耐えしのがずに避けるタイプだよ。」
「だったらお前は高めの軽鎧を買え。」
頼んで鎧を見せてもらう。
10分程で選び終わった。
「もうこれで良いよな?」
「大丈夫だ。では迷宮に案内してください。」
「その前に冒険者の説明をさせてもらいます。」
説明に関して追記するのは魔物には魔塊と言う核が有るので売って換金してもらえると助かるそうだ。
これなら証文の金の返済もすぐに出きる。
終わって建物の奥にある大扉を通り、目の前に現れたのは黒い巨大な柱だった。
「ここからどう入れと言うんだ…」
「あんたら新入りか?触れたら自動的に迷宮内に行けるぞ。」
立っている警備の人が話してくれた。
礼を行って柱に触れる。触れた手はスッと中に入った。
よし、これから俺の伝説が始まる!|
「広斗、何中二病みたいなこと言ってんだ。」
「あれ、聞こえてました?!」