決着
石崎さんは盾を弾き飛ばされて手が痺れてしまったようだ。
松島さんは魔力を六割さっきの技で失った、
じゃあ、どうしろと?!
動けるのは俺と野村だ。
しかし、野村も魔法をずっと使ってきたので魔力残量が少なくなってきている。
『ふん、俺の勝ちだな。』
「それはどうかな。結構負けそうだけど……」
あっ、余計なこと言っちまった。
野村が睨んでくる。
聞かなかったことにしてくれないかな。
しょうがない、行ってくるか。
俺は闘術、高速移動、激刃などを発動して剣を構える。
『まだ闘うか。負けると分かっているのに』
「負けるかは知らないだろ。勝ってやるよ。」
その答えになにも言わず一瞬で距離を詰めてくる。
ちっ、こんな戦法も持っていたのか。
遠距離から種とか葉とか出してくるだけだと思ってたぞ。
足が四つに分かれて蹴ってくる。
分かれた右足のうち一本が地面にしっかり固定されているのでバランスを崩させることは難しい。
関心するな、戦い方がうまい。
自分のたくさん分岐する腕や蔦を生かして重心を固定しながら猛攻撃を放ってくる。
左右から迫りくる葉の刃をバックステップで躱し、地面すれすれに沈んでから突きを出す。
上からの攻撃が来る前に立ち上がって回り込む。
後ろからの攻撃には自分の蔦でけん制しつつ、体を回してくるので隙があまり見えない。
次に地球の使徒は少し狭まっている通路の形状を生かして全面百八十度からの面攻撃をしてくる。
流石にきついって!俺は反転して猛スピードで岩陰に退避する。
まあ、こんなことしても岩ごと破壊して俺を殺そうとしてくるのだろうから岩に蔦が触れた時点でそこから退避する。
案の定、岩は豆腐を突き崩したみたいに壊れた。
そこから俺は横に飛ぼうとするが、げっ、足が朝顔に絡みつかれて動けない。
そこにまた面攻撃を加えてくる。
しかし、俺は逃げない。
なぜなら、地球の使徒の後ろには野村がいるからだ。
花で構成されている後頭部に魔力槍や魔力砲が突き刺さる。
「おい、あんま俺を頼りにしてると危ないぞ。」
「それでも危なくなったら助けてくれるとは思ってたぞ。」
野村は肩をすくめて地球の使徒の方に向き直る。
これで挟み撃ちの形になった。どうだ少しは戦いづらくなっただろう?
だが、地球の使徒は余裕がある顔で俺たち両方に対してまた新しい剣山化している芝生を出してきた。
危ないな。動きを阻害しないために買った薄い脛あては紙切れも同然だろう。
しかし、ここでも俺の方に障壁が、野村の方には石崎さんが出る。
二人の問題もなおったようだ。
俺たちはPTなんだからな。
人間なんて一人じゃあ何もできない、だったら集団で戦えばいいじゃないか。って話だな。
「結局全員揃ったな。魔力残量気にしなくていいんですか?」
「大丈夫でしょ、そいつを倒してしまえばあとは終わりだから。」
といって障壁砲を全開で照射する。
まあ、それならそれでいいか。
俺も前に出て、野村や松島さんの打つ魔法に対して迎撃する地球の使徒に切りかかる。
流石に同時生成する蔦の量が限界になってきたらしい。
俺の方に向かう蔦が五本程度になってきた。
その蔦を切り払い、接近して上段から切り下ろす!
俺は強い手ごたえを感じて地球の使徒は膝から崩れ落ちた。
『はは、俺も死ぬのか。それも、貴様らにやられるとはな』
そう言って地球の使徒は崩壊した。
よっしゃあ、勝ったぞ!勝てなさそうだと思ってたけどな。
だが外から植物系モンスターが表れた。
えっ、まだいるの?もう置き土産はいらないよ……
しかも戦える魔力がもう残っていない。
だが外から声が聞こえてきて、モンスターの姿をなぎ倒した。
「〚ギガバスター』、君たち大丈夫か?」
そこには守衛隊の隊長の姿があった。
良かった、これで本当の勝利だ!




