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※ 初稿

これはその名の通り初稿になります。内容はこれまでと全く同じで読みにくいものですが「俺はここから頑張ったんだぞ」という、自己肯定感を高める為だけに投稿しておりますので、読んでいただければ作者が喜びます。ブラバされてもまぁ大丈夫です。

ありがとうございました。


 これは、僕が二十代前半のある夏の日に、実際に体験した出来事です。



 中学からの付き合いである数少ない友人、ユウスケの家に遊びに行った時のこと。

 僕を含めて数人が集まり、午前中ゲームや会話で盛り上がった後に、彼の唐突な一言で物語は始まる。


「あぁ……肝試し行きてぇ……」


「……えっ? 何? 」


 脈絡無く、突然つぶやいたユウスケに僕が聞き返すと、彼の高校時代のクラスメイトの一人であるノリが反応する。


「肝試し? なんでまた突然……」


「……いや、夏真っ盛りだっていうのに、これぞまさに夏……ってイベント全然ないからな」


 ユウスケのその言葉に、彼のもう一人の高校時代のクラスメイトであるタイチも口を合わせる。


「……そういや、テレビでも最近は心霊特集ばかりだな……もう、そんな季節か……」


「俺も見た。面白そうだな、やろうぜ。でも、心霊スポットなんて何処にあるんだ? 」


 ノリもその気になって三人で話が弾んでいるのを、僕は少し離れた場所で眺めていた。

 気の合うユウスケとは古い馴染みだけれど、ノリとタイチとは同じ高校でもクラスが違った事もあり、未だに人見知りの僕はユウスケを通した付き合いくらいしかない。


「ユウスケ、パソコン貸して。心霊スポットを検索してみるから」


 タイチはユウスケの許可を得ると、デスクトップのパソコンを立ち上げる。

 この頃はまだスマホが一般的でない為、何かを調べるにはパソコンが必須だった。

 

 あまり大人数で騒ぐ事が苦手な僕も内心ワクワクしながら、せわしなくマウスを操るタイチの手を眺めていた。



「あった、これだ」


 やがて、タイチは一つのウェブサイトにたどり着く。


「何? 有名な場所なのか? 」


 ユウスケはタイチにそう尋ねながら、パソコンの画面を覗き込む。


「超が付くほど有名な場所。実際に何人か被害が出ているみたいだぜ」


 霊感の強いタイチはこれらの情報に詳しいらしく、僕達の方に体を向けて語り始める。


「俺の聞いた噂だと……この場所には滝があって、滝壺の側の岩に『つかのない刀』が刺さっているんだと。

 そんでな……」


「……刀、刺さっているの? 

 カッコいい……ゲームみたい」


 一人でプレイするゲームばかりやっていた僕は、タイチの話す噂の中のシチュエーションにめちゃくちゃ食い付く。そんな僕に苦笑いを返しながら、タイチは話を続ける。


「まぁ、落ち着け。……でな、そこに二人組の男達が興味本位で訪れたんだと。一人は雰囲気におされて帰ろうとしたらしいけれど……」


「意気地がねぇなあ、そいつ」


 ノリの横ヤリにも苦笑いを返しながら、タイチは話を続ける。


「……もう一人は、刀を抜いてしまったそうだ。でも、何も起こらないから元に戻して帰ってきた。

 ……ところが、だ」


「……どうかしたのか? 」


 もったいぶるタイチに、ユウスケが話の続きを促す。


「……刀を抜いた男は、三日後に自殺。

 もう一人も、気が狂った様な行動をする様になって、入院してしまったそうだ……」


「本当かよ、それ」


 ユウスケは手を叩きながら、可笑しそうに笑う。吊られて僕も苦笑いしてしまう。

 

「そんないわく付きの場所、何処にあるんだよ。あまり遠いと行けないぜ……ん? ここって……」


 ウェブサイトをつぶさに観察していたノリが、そこに載っている写真を見て驚きの声を上げる。


「あれっ……ここ、見た事あるぞ」


「……俺の聞いた話だと、ここから車で一時間程の場所だよ。……今から肝試しするには、うってつけだろ」


「……決まりだな」


 自慢げなタイチの顔を見て、ユウスケもニヤリと笑う。


「噂の真相を確かめてみようぜ。……まだ明るいから、一度帰って夕方の五時半に再びウチに集合……な」


「……車はどうするんだ? 」


「あっ……じゃあ、僕が運転して行くよ」


 いつもはあまり積極的に行けない僕だったけれど、噂のシチュエーションを見てみたい気持ちに強く後押しされて、タイチの言葉にすかさず名乗りをあげた。


「大丈夫なのか? 」


 意外そうな表情のユウスケに、僕は力強くうなずく。


「うん、任せてよ。……ただ、相当ガタの来てる車だから、そこだけ心配かな……」


 僕はそう言うと手を頭の後ろに回して、自分の愛車を思い出しながら苦笑いする。



 ユウスケの家から約三十分程かけて帰宅する僕。

 帰り道の運転中はこれから恐ろしい場所へ行くという恐怖よりも、まるでゲームの中に入り込んだような情景ばかり目に浮かんで、楽しみで仕方なかった。


「ただいま~……また、出掛けるけど」


 挨拶をしながら家の玄関をくぐり抜けると、一つ歳下の妹であるクレハが僕を見つけて声をかけてくる。


「……お帰り、兄貴。……何? また出掛けるの? 」


 呆れたような表情のクレハに向かって、僕は浮かれた声で話しかける。


「ああ……そうだ、クレハ。

 懐中電灯が何処にあるか知らないか? 」


 クレハは怪訝けげんな顔で聞き返してくる。


「……懐中電灯なんて、何に使うの? 」


 僕は正直に『肝試しには必要だろ? 』と言いかけたけれど、思い留まった。


 クレハは幼い頃から霊感が強く、霊障(れいしょう、霊による被害)に悩まされ続けた経験がある。家族である僕も本当は、霊的に危険な場所に近づかない方がいい事は知っていたけれど……。


「……ちょっとした探検だよ。気にすんなって」


 ……恐らく、正直に言えば反対されるだろうし、言わなければ分からないだろうと軽く考えていた僕は、曖昧にごまかしてしまった。


「……ふぅん。あんまり、ヘンな処に行かないでよ」


「わ~かってるって。……じゃあ、時間までゲームでもしてるかな……」


 クレハから懐中電灯を手渡されると、僕は二階にある自室へと向かう。使い慣れたゲーム機のコントローラーを手に取ると、造られた世界に没頭してしまう。



 真っ赤な太陽が西の山陰に隠れる頃、僕達四人は再びユウスケの家に集まる。

 各々、肝試しに必要な物として僕とノリは懐中電灯、タイチは目的地までの詳細な地図を持ち寄っていた。


 助手席に座るユウスケが声を上げる。


「皆んな、忘れ物はないな。……それじゃ、出発」


 僕の運転する車は、サビの浮いた白い軽自動車だった。両親が間に合わせに安く買ったものを、社会人になって本格的に通勤し始めた僕が使わせてもらっている。


 そのせいか……


「……なぁ……この車、遅くね? 」


「ブハハッ……時速三十キロ位しか出てないぞ。もっとふかせられねぇの? 」


 運転席側の後部座席に座るノリと、並んで座るタイチは乗り込む前からしきりに笑っている。


「この車に四人も乗るのは初めてなんだけど……こんなに馬力が無いとは思わなかった……」


「……なぁ、三速にすればもっとパワー出るから、少しはスピードでるんじゃね? 」


 ユウスケのアドバイスに、僕は四速から三速へとシフトダウンしてから、アクセルペダルをベタ踏みする。

 エンジンは聞き慣れない高い唸り声を上げ続け、ようやく時速五十キロ位まで速度が上がる。


「こんな状態で走り続けて、壊れたりしないかな……」


 いつもと違う状況に自然と漏れる不安と、額に浮かんでくる冷や汗を、僕は手の甲で同時にぬぐいとる。


 西日の射す直線道路上を、僕らを乗せた白い軽自動車は高い唸り声をあげ続けて走っている。

 既に陽は西の山陰に隠れてしまったけれど、茜の空は未だに色あせる事なく僕らを照らしている。


「天気が良くて良かったな。絶好の肝試し日和だよ」


「……肝試し日和って何だよ」


 ノリの冗談にユウスケがツッこみ、皆んなで爆笑する。道中は終始楽しい雰囲気に包まれていた。


 僕も思いっきり笑っていたいところだったけれど、現在アクセルベタ踏みの最高速度が五十キロの超安全運転の為に、後続の車が渋滞してきている事が気になり過ぎて苦笑いになっている。


「……太陽が沈んでからだいぶ経つのに、まだ夕方みたいだな」


 それまで三人で笑っていたユウスケが、ふと茜色の窓の外を眺めてポツリとつぶやく。


「なんか、気味が悪りぃ……」


「今の時間帯は『逢魔おうまとき』って言うんだってよ」


 ユウスケのつぶやきに、タイチが解説を入れ始める。


「『魔』に『う』『刻』……で逢魔が刻。

 この時間は、茜色の空が血を連想させて人ならざる者に出逢ってしまうとして、昔の人は慌てて家に帰っていたみたいだよ」


 信号待ちで停車したタイミングで、僕はシフトレバーを握る手が滑る事に気がつく。しげしげと眺めて見ると、いつの間にか僕は左手に大量の汗をかいていた。



 予定の時間を大幅に超え、約一時間半程かけて目的地近辺にたどり着く。

 既に陽は落ち、辺りを闇が覆っている。ヘッドライトを点けたまま車を路肩に寄せ、目的の場所へ至る道を地図で確認してみる。


「……ここを曲がるの? 」


「……ああ、確かそうだったと……思う……」


 僕はタイチに道を尋ねながら、ゆっくりと車を走らせる。だけど、どうもタイチの様子がおかしい。


「タイチ、大丈夫か? 顔、真っ青だぞ……」


 ノリも心配そうにタイチに話しかけている。タイチは大丈夫と言いながらも、両手で目を覆いながら車の天井を仰ぐ。


「……思っていたよりも、ずっと強いな……暑いけど、窓は閉めたほうがいい……」


 そんなタイチのつぶやきに、みんな慌てて窓を閉める。


 車はいつの間にか、幅一台分の狭い山道を登っていた。

 反時計回りに山道を登る途中、左側に見えていた地面はガードレールに阻まれ、見えなくなってゆく。


「狭っ……対向車来たらどうするんだよ……なぁ? 」


「……ハハッ……そうだね……」


 無理やりテンションを上げようと試みるユウスケとノリ。だけど、僕を含めて皆んな雰囲気に飲まれているのか、今ひとつ上がらない。


 やがて、ガードレールの向こう側に鬱蒼とした、背の高い木が立ち並び始める。車窓からわずかに見えていた星空が消え、押し寄せてくる圧迫感が皆の呼吸を荒くさせる。


 窓を閉め切った車内はあまり暑さを感じることはなかったけれど、何故か窓が曇り始めてきた事に気づいた僕とユウスケは、手に持った窓拭きで視界が閉ざされぬよう拭き始めていた。


 永遠かと思われる程山道を登っていた僕らの前に、急に崖側に待避所が張り出した、道幅の広い場所に出る。


「……ここだ」


 タイチの声に、車内に緊張が走る。


 僕は十トントラック一台分が停まれそうな、細長い待避所の隅に車を停車させる。自然と車のライトは崖側を照らす事になり、その先には……血の様に紅く染まった、小さな鳥居が浮かび上がっていた。


「……まさか、この鳥居をくぐって崖を降りていくんじゃないだろうな……」


「どうやら、そうみたいだな……階段が見える。ほら、あそこ」


 ユウスケの問いにノリが手に持った懐中電灯で、レーザーポインターよろしく車内から鳥居を照らす。

 照らし出された真っ赤な鳥居の向こう側には、緩やかに闇に向かって下って行く階段が見える。


「……どうする? ……行くか? 」


 誰も車のドアを開けようとしないため、ユウスケがみんなの気持ちを確認し始めた。


 その直後。


「……ヤバイ、怒ってるみたいだ……」


 突然、タイチがささやくように口を開き始める。


「……えっ? 」


 様子の変わったタイチに皆んなが注目していると、彼はやおら助手席の背もたれを強く抱きしめ、叫び出す。


「戻ろう……このまま、この場所にいるとヤバイ……」


 タイチの剣幕に気圧されながらも、ユウスケは不満を口にする。


「……ここまで来て戻るのか? まだ、車を降りてもいないのに……」


「いつまでもここに居たら、手遅れになる……あぁ……ヤバイ……」


 そう言うとタイチは小刻みに震えながら、僕に向かって叫ぶ。


「早くっ……向きを変えてくれっ……無数の『手』が……鳥居からっ……」


「向きを……変えるって……? 」


 反応の悪い僕の態度に苛立つように、タイチは更に語気を強めて叫び続ける。


「ライトや懐中電灯で照らしたから、怒っているんだっ。このままじゃ、車ごとあっちに引き込まれる……早くっ」


 タイチの剣幕に僕は思わず首を巡らすと、ユウスケと目が合う。


「……戻ろう」


「……わかった」


 ユウスケの言葉に、僕は転進を始める。

 だけど待避所があるとはいえ、山の狭い道を切り返すのには時間がかかる。僕は何度もバックと前進を繰り返し、下り坂へと車の向きを変える。


「あぁ……『手』がっ……この車をつかんでるっ……早くっ……」


 その間もタイチはまるで助けを求めるかの様に叫び続けている。僕はせわしなくシフトチェンジを繰り返しながら、恐る恐るミラーで周りを確認してみる。

 だけど、タイチの言うような『手』はどこにも見えなかった。


 やがて下り坂を降り始めてからも、タイチは僕を急かす。


「なるべく遠くへ……早くっ……」


「……そんなこと言っても、崖のある狭い道をスピードなんか出せないよ」


 さすがの僕も、不服が漏れる。


 ようやく大通りに差し掛かり、僕は三速へとギアを上げる。タイミング良く……というか、暗くなり車の往来がほどんど無くなった大通りに、一時停止する事なく乗り上げる。


「……ふぅ……」


 あいも変わらず三速でなけれはスピードの出せない状態ではあったけれど、平らでいくらかでもスピードの出せる大通りに乗ったことで、誰とも無く漏らした安堵のため息に車内の緊張が和らぐのを感じる。


 だけど、タイチだけは両手で頭を抱え、うずくまってしまっていた。



 行く前の雰囲気とは正反対に、まるでお通夜のような静けさが、僕の運転する車中に漂っていた。


「……タイチ、大丈夫か? 」


 ノリが心配そうな声でタイチに話しかける声を背中で聴きながら、僕の心は後悔でいっぱいだった。どうして、あんな所に行きたいと思ってしまったんだろう……。


 やがてユウスケの家に到着する。時刻はもうすぐ、九時になろうかとしていた。


「……タイチはちゃんと送って行くよ。じゃあな……」


 タイチは家の近いノリに乗せられて来た為、そのままノリが送って行くことになる。


「……あぁ、よろしく」


 ユウスケも元気の無い声で二人を見送る。


「……じゃあ、僕も帰るよ」


「……うん……またな」


 こうして僕もユウスケと別れ、帰宅の途につくことになった。

 僕はノロノロと運転しながら、あの場所での出来事を思い出していた。


「僕には何も見えなかったけれど、タイチには見えていたのかな……? 」


 まるで狐につままれたような気持ちのまま、家に到着する。


「……ただいま~」


 明かりの点いている玄関へとふらふらと近づき、引き戸を開けて中へ入ろうとする僕。


「入って来るなっ」


 突然、僕は玄関内に待ち構えていたクレハに両手で突き飛ばされ、玄関先に追い出される。


「……何するんだよっ」


 僕はコケそうになるのをこらえながら、クレハに文句を言う。だけど、クレハは僕が家の中に入って来れないように、玄関の扉に鍵をかけてしまう。


「おい、ふざけんなって……開けてくれよ」


「……兄貴は『わるいモノ』を連れて来たっ」


 クレハはそう言うと、家の奥へと走っていった。


「なんだよ、それ……」


 僕は訳が分からず、玄関先で立ち尽くしていた。

 だけど、しばらくするとクレハは舞い戻ってきて、鍵を外してくれた。


「もっと、外に出て」


 クレハはそう言うと僕を外へと押し出しながら玄関の戸を閉める。そして、持ってきた袋に手を突っ込むと、中の白い粉を僕の足元に向けて叩きつけるように投げつけてくる。


「なんだそれ……塩? 」


 クレハは僕の問いに答えることなく、車の周りにも同じように塩らしきものを撒いていく。


「まったく……厄介なものを……」


 クレハはそうつぶやきながら、車の全周に塩を撒き終わると僕を睨みつける。


「なんなんだよ、一体……」


「……兄貴、わかんないの? 」


 険しい表情で白い車を指差しながら、クレハは僕に言い放つ。


「車にビッシリと、隙間なくついているのよ……青白い『手』の跡が……」



 あれから十数年が経つ。

 若い頃は頻繁に会って遊んでいた僕達も、それぞれに家庭を持つことになると疎遠になっていった。


 ユウスケの話では、ノリとタイチはその後も元気で過ごしているらしい。あの場所を無理に探検しなくて良かったと、本当に思う。


 ユウスケとの付き合いは、今も続いている。彼の子供達は本当に可愛くて、たまに遊びに行くと眩しい笑顔を僕に向けてくれる。


 そして僕は……


「パパ、どこか遊びに行きたい」


「えぇ~っ……」


 休みの度に、娘のわがままに振り回される毎日を送っている。


 僕が乗っていた白い軽自動車は、その後しばらくすると故障してしまった。ただの寿命か、あの見えない『手』による影響なのか……今となってはわからないままだ。


「……んじゃ少し遠出して、クレハ叔母さんの処に行くか」


「やった~」


「あなたって、娘に甘いわね……」


 呆れたような、でもどこか楽しそうな表情の嫁さんを助手席に乗せ、実家から出て離れて暮らす妹のクレハの家へ向けて、僕の運転するワンボックスは走り出す。


 あれから僕は、霊的に危険な場所へは絶対に近づかないようにしている。あの日の出来事のような思いを、家族にさせたくはないと思っているからだ。


 家を出て一時間程車を走らせると、その途中であのいわくつきの場所の近くを通り過ぎることになる。


「……確か、この辺だったよな……」


「……どうかしたの? あなた……」


 だけど……あの日以降、正確な入り口がどこにあるのか、僕はわからなくなってしまった。まるで、見えない意思によって近づく事を拒むかのように……。


「……いや、なんでもない」


 僕は曖昧にごまかしてから、ふと考えを改める。自分の体験を通して、遊び半分で霊的に危険な場所へは行かないようにと、警告の意味を込めて話始める。


「……少し、昔話でもしようか。

 僕が体験した、本当にあった怖い話……」


 こうして、恐怖は語り継がれていくのかもしれない……。


最後までお読みいただきありがとうございました。


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