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03 再び島へ

「はふぅー。豪華クルーザーの上でする事と言えばこれだよね」

 

 俺は甲板の上で水着を来てデッキチェアに寝そべっていた。小テーブルからフルーツジュースを取ってストローを啜りながら横を見ると、プールに反射する光がキラキラと輝く。

 プール付きクルーザーいいよね。愛人と泳ぎながら水中ファックを楽しむのだ。言っておくが、こういう排他的な遊び相手は嫁じゃダメなんだよ。わっかるかなー?


「さっきから何ブツブツ言ってるの?」


 アミはデッキチェアに乗れなかったので、下に布を敷いて寝そべっていた。ちなみにアミも水着姿だ。トップはビキニだが、腰にはパレオを巻いている。

 俺は寝そべりながら手を伸ばしてアミの体をまさぐる。背中からお尻の方へと手を滑らす。尻尾の方はやっぱ硬いんだなぁ。不思議な感触。


「くすぐったいよ……」

「ふと思ったが、ラミアってどうやって繁殖してるんだ? 男のラミア居るのか?」


「男のラミアは見たこと無いよ。繁殖ってなに?」

「そこからかよ。ラミアはどうやって子供作るんだって話。そもそもラミアは卵生なのか?」


「子供って作れるの? ある日突然ぱっと現れるのかと思ってた」

「魔物の性教育どうなってんだ。コアよ、その辺どうなのか教えてくれ」


『野生のラミアは、人間の男を捕らえて子種を採取します。人間はラミアの与える性的な刺激に耐えられず確実に死にますので、その死体を食べて糧とします』

「おーこわ。出会った相手がアミじゃなかったらヤバかったな」


「私はユージーを食べたりしないよ!」

「わかってるって」


 優しくアミの髪を撫でると、うっとりとした目になってくる。ラミアが与える刺激ってのに興味あるが、3度目の死に方が腹上死ってのもアレなのでやめておくか。

 いや、俺は人間じゃないし案外大丈夫なのか?


「コアよ、魔人ボディの俺だったらアミと合体しても耐えられるのか?」

『肉体的には問題ありませんが、精神が持つかは不明です。それに魔人の精ではラミアを妊娠させる事は出来ません。無意味な行為にリスクを課す行為はお控え下さい』


「そうかぁ、ちょっと残念。あ、そういえば野生のラミアって弱いのか? 海賊がアミを見て完全にナメてた感じだったぞ」

『個体名アミはラミアクイーン種であり、通常のラミアとは比べものになりません。大人と赤子程の戦闘力の差があります』


「ふーん。すると海賊リーダーが言ってたのは本当だったんだな。あいつ色々知ってそうだったし、捕まえておけば良かったな」

「ユージーごめんね……」


 申し訳無さそうに抱きついてくるアミを抱きとめて髪を撫でる。本当に可愛い奴だ。


「気にするな。あの時アミが殺らなかったら俺が殺ってただろうし」

「……うん」


 そうこうしてる間に俺達が暮らしていた無人島に到着する。ここには波止場など無いが、女達を降ろす必要もないので、碇を沈めて船を固定した後に俺とコア、アミだけが無人島に向かった。

 ちなみに女達は色んな意味でかなり汚れていた。変な菌でも持ってたら嫌なので、コアにセットしてもらった浄化と治療の魔法をかけた上で乗船させ、クルーザーに設置してある風呂に入らせた。

 綺麗な服と美味い食事も与えたから、女達は何かの時に役立たせよう。


 島に上陸後に、コアの置いてあった場所に向かう。あの台座に置いて欲しいみたいだ。あの時は危険な岩場だったけど、今の俺なら落石程度ではビクともしない。

 少し不安がるアミの手を取り、台座の前に着いた。コアを台座に置くと強い光を放つ。何回か点滅した後に落ち着いたみたいだ。


『ここはワタシが以前創ったダンジョンがありましたが、崩壊して埋まってしまいました。それを回収出来ましたので満足です。マスターありがとうございました』

「そりゃ良かった。要するにパワーアップしたんだな?」


『はい。ですが全盛期の一割のチカラもありません。更に底上げが早急に必要です』

「何か手はあるのか?」


『島周辺の地形が変わり、海底にミスリルが大量に流れ込んでます。マスターにはそれを回収していただきたいのです。それを全て摂り入れる事が出来れば捗ります』

「お前を持って海に潜るのか? さすがにそれは危険じゃないか?」


『いいえ。ストレージに回収していただければ、ワタシがそれを回収し摂り入れます。これからは必ずしもワタシを持ち歩く必要はありません』

「なるほどね。だが、コアを放置するのも怖いよな。どうすんだ?」


『この島に再びダンジョンを創りましょう』



 ◆◆◆◆◆



 やってきたのはアミの巣があった場所。ここにダンジョンを創る事にしたのだ。ダンジョンを創るのは簡単。コアを地面に置けば良い。

 ダンジョンと言ってもコアを隠す為だけの小さなもので良い。一応生活スペースとコアを置く台座、それを守るモンスターを設置。これらは全てコアがやってくれるから、俺は見てるだけだけどな。


 コアルームの守護者はミノタウロス3体。斧を持ってコアの前に立ち塞がっている。

 そこそこ強そうな気がしなくもない。正直俺とアミが二人でかかれば数秒で殺せそうだけどな。いずれにしても現状これが精一杯みたいだ。


「しかし見た目が良くないな。俺達が飯食ってるテーブルの横にデカイ牛男が3体仁王立ちしてるのはよ。可愛いモンスター創れなかったのか?」

『ワタシ達の為にはこれが最適解です。ご理解下さい』


「まぁ、仕方ないか」

「本当は私がコアさんを護りたいけど、ユージーを一人にはできないし、ごめんね」


「アミが謝ることないさ。それよりコアよ、この分厚いステーキ美味いな。何の肉なんだ?」

『ミノタウロスです』


「……まじかよ」


 俺はフォークに刺さったステーキとコアの前に立ってるミノタウロスを交互に見る。ま、いっか。美味いもんは美味い。


「拾った女達はあのまま船に放置して平気か?」

『食料はかなりの量を置いてありますので問題ありません。ただ、暫く留守にする旨を伝えた方がよろしいかと思われます。人間は精神的に脆く、不安になると暴走しますので』


「あいよ。それで例の物は出来たのか?」

『はい。ストレージに入ってますのでご確認下さい』


 コアに創らせたのはアミ用の水着。ミスリルを繊維状にして高めの温度を維持するように魔法が付与してある。これがあればアミも海に潜れるのだ。

 俺達魔物は人間と違って30分ぐらいなら呼吸しなくても平気なので、これでなんとかなるだろう。


 その夜、船に戻って数日留守にする事を女達に伝えた。コアの言う通りかなり不安がってた。そういう時は飲めと、コアに創って貰ったス○ロングゼロを大量に差し入れておいた。俺って優しすぎだろ。

 ダンジョンに戻るとアミがくっついてくる。尻尾を絡めてきて身動き取れない。なんだ? 何が始まった?


「ユージー今夜は一緒に寝よう?」

「ああ、いいぜ。それより離してくれ。このままでは寝れない」


 アミは名残惜しそうに絡めた尻尾を離す。アミの何かを求める目は、アレなのか? やっぱアレをしたいのか?


「アミ、子供は作れないみたいだが、交尾してみるか?」

「うん。私、体がおかしいの。ユージーが欲しい」


『マスター、危険です。危険です。危険です。危険です。危険です』

「コアうるさいぞ。黙れ」


『……』


 俺は服を脱ぎ、お互い体を合わせる。発情して準備万端だったアミに吸い込まれるように結合する。あ? あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?

 結合して尻尾で体を絡み付けられたら動けないじゃないかと思っていたが、そんな必要は無かったのだ。

 中で激しく蠢く肉壁に求められる。あまりの刺激に意識は持っていかれそう。これは……もう一度死ぬかも。コアよ、忠告を蹴ってすまんかった……な。やがて意識は闇に堕ちた。



 気が付くと、アミに激しくキスされながら行為の途中だった。相変わらずの刺激だが、先程までの命を持っていかれる程でもない。


『マスターが今現在受けている刺激を解析して、その耐性をセットしました』

「そうだったのか。さっきは軽くあしらってすまなかった。おかけで助かった」


『現在、個体名アミはトランス状態で行為を続けています。恐らく一晩続くと思われますが、お互いの為にも耐えきって下さい。では、ごゆるりと』

「……ラミアとの交尾を甘く見すぎてたな(白目)」


 翌朝目が覚めると行為は終わっていた。お互い汗と色んな汁で、コアに大きめに創らせたベッドがグチョグチョだよ。俺に抱きついたまま寝てるアミの髪を撫でながら二度寝体制に入った。


『おはようございますマスター。朝食と水中に素早く潜る為の魔道具を創っておきました。二度寝はお控え下さい』

「お前、案外厳しいのな」


『ワタシ達の敵は人間だけでなく、他のダンジョンも敵と言えます。速やかにチカラを摂り入れ、ダンジョンとしての格を上げねば生き残れません』

「人間はコアを狙ってくるんだけ? 他のダンジョンはライバル的な感じか?」


『格の低いダンジョンコアは魔道具制作の材料にする為に狙われます。ダンジョン同士はお互い乗っ取ろうと常に牽制し合っている状態なのです』

「はいはい。わかりましたよー」


 もう少し寝ていたいが、コアがうるさいので寝てるアミを起こして朝食を摂る。アミはまだちょっとぼーっとしている。幸せそうに下腹部をさすっているが。


「これってユージーと交尾する為の穴だったんだね……これからはちゃんと隠すようにする」

「そうしてくれ。初めてしたのに痛いとかなかったか?」


「全然痛くなかったよ。むしろ気持ち良くて頭がどうにかなりそうだった」

「どうにかなってたけどな。俺も死ぬ程(・・・)気持ち良かったぜ。次やる時は加減してくれよ」


「うん。いっぱい交尾しようね!」


 可愛い笑顔のアミとキスをした後、二人で海岸まで走り、掴まると海中を進んでくれる魔道具で海底まで潜った。指定された場所の海底にはキラキラ輝く緑の砂が大量にある。

 ミスリルが砂状になって海底に沈んでるのか。どういう自然現象なんだか知らないが、俺は見つけたミスリルを片っ端がストレージに収納していく。


 アミは俺の警護をしてくれているが、今のところ危険な生物には襲われてない。このまま何事も無く行く事を願うぜ。

 俺がそんなフラグ立てたせいか、巨大なイカが襲って来やがった。ていうか、デカ過ぎんだろこのイカ……。アミはコアが創った槍を使って果敢に戦いを挑んでいるが水中では分が悪すぎる。


 一度浮上しよう。海底近くで戦っていると水が濁って何も見えなくなってしまうからな。俺はアミに指で上に行くように合図する。意図を汲み取ってくれたアミと共に魔道具を使って海上に向かうが、当然イカもついてくる。

 本来こんなスピードで浮上すると水圧の関係でヤバイ事になると聞くが、そんな事を言ってられん。だが、案の定イカちゃんは美味しい匂いを放つ俺を狙ってきた。


 イカの足に執拗に絡め取られそうになるのを必死で阻止するが、8本に足で責められたらどうにもならん。俺はついに捕まり、中心の口へと運ばれていく。

 ミスリルのナイフで足を刺してみたが、タイヤにナイフを刺したみたいな感覚であまり効いてる感じもしない。そしてイカの足は魔人のパワーを持ってしても引き千切れなかった。


 アミの方を見ると、こっちをチラチラと見ながらも魔道具を使ってどんどん遠くに行ってしまった。もしかして俺は見捨てられたのか?

 俺って抱いた女に捨てられる体質なのかよ……。普通なら心が闇落ちしそうな展開だが、こちとらとっくに闇落ちしてんだよ。最後まで足掻いてやるさ!


 俺は足に絡め取られたまま口へと運ばれていく。奴の口の中はギザギザの歯がたくさん見える。あんな所の吸い込まれたらフードプロセッサーに入れた肉みたいにズタボロになりそうだ。

 それなら、これでどうだ! ストレージの中から島で拾った岩を口の前に出してみる。岩はスルッと吸い込まれ、ゴリゴリっと音を鳴らして噛み砕いた。

 なんつー頑丈な歯だよ。俺なんてスルメ食って歯が欠けた事があるんだぞ。今は逆にイカに食われそうになってりゃ世話無いな。


 こうなったら、一か八か食われる直前に口の中へ風魔法をぶっ放してみるか。意識を集中させて最大のパワーで風魔法を使おうとしたその時、一筋の巨大な槍がイカの胴体を貫いた。

 よく見てみるとアミの槍が根本までずっぽりと刺さっていた。距離を取ったのは助走を付けて突っ込む為だったのか。見捨てられたと思ってすまんかった。


 これにはイカちゃんも効果抜群の様で、俺を開放して暴れまわる。槍を抜こうと必死に足を使ってもがくイカを上から眺める。これはチャンスだ!

 俺はこっそり後ろからイカに近付き、槍を引き抜いた瞬間、その穴に手を突っ込んで全力の風魔法を発動した。するとイカは風船の様に膨らみ、真っ黒な墨を撒き散らして爆散した。


 息もギリギリだったので浮上して深呼吸をする。アミも浮上してきて俺の所まで泳いでくる。余程俺が心配なのか体をペタペタ触りまくる。


「時間かかってごめんね。怪我しなかった?」

「ああ。アミがスキを作ってくれたおかげで足から逃げられた。ありがとな」


 この後、爆散したイカちゃんを回収し、ミスリルも順調に回収していく。結局全てのミスリルを回収するには丸四日かかった。結構重労働だった。暫くマッタリしたいぞ。

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