表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

プロローグ

 私はこの世に生を受けてからの21年のあいだに人生で大きな失敗と言うことを4回経験した。

 当時小学1年生だった私は2個下の後輩、砂上(さじょう) 夢見(ゆめみ)とのおままごとの最中漏らしてしまった。私はこれが最初で最後のおもらしだと誓おう。いや、最後かはわからないが。

 ただ、それからというもの。現在まで、月に2度はその事についてからかわれている。

 2度目の失敗は、小学3年の時であった。お昼の時間、母お手製の2段弁当をいつものように食べようとしたところ、いつもより1段少ないのだ。その事に私は困惑しつつ、まわりに気づかれないよう静かに白米を頬張っていたところ、なぜか3年生の階を歩いていた砂上と目が合った。素晴らしい演説と共に、その後、私のためにクラス全員がオカズを寄付するという事態になるまでそう時間はかからなかった。

 おかげで私は山盛りのオカズの前で帰りの会まで格闘する羽目になった。この事は後にわが中学校の都市伝説として現実とは大きくかけはなれた誇張をされ、現在まで語り継がれているらしい。

 3度目の失敗は、中学2年の時だった。当時友人に勧められたアニメをみて衝撃を受けた。

 その影響で、好きなアニメのキャラクターになりきり。いや、なりきったつもりになり、衣装やセリフを真似ようとしていた初日、玄関を開けた瞬間砂上が待ち構えていた。さすがの私も驚き固まっていると

 冷静に砂上は「さすがにそれはダサすぎるんじゃないですかね?」っといい玄関の扉を閉じた。私はそれ以来包帯を巻くのも眼帯をするのも、夏にロングコートを着るのもやめた。

 4度目はつい先日である、大学3年に上がったタイミングで彼女は現れた。彼女とは小学生から腐れ縁だが、今までの事もあり個人には苦手ではあった。

 その日私は、午前の授業が終わると普段は食堂で昼食をとるところ、なんの気まぐれか今日は朝早くに起き昼食用の弁当を作ったのだ。

 なれない料理に戸惑いつつも不格好な弁当を愛おしく思い、いつもとは違う場所で昼食をとりたくなり学校の校門近くにあるベンチに座って昼食をとっていた。実際は不格好な出来の弁当を見られたくなかったのだが。

 しかし、そういうときに限って彼女は現れる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ