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自重知らずの異世界転生者-膨大な魔力を引っさげて異世界デビューしたら、規格外過ぎて自重を求められています-  作者: mitsuzo
第二章 騎士学園編

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084「予選トーナメント三回戦(8)」



「下克上! 下克上です! 第七試合で下克上ぉぉ!!! しかも、平民の生徒が上級貴族を圧倒して破るという⋯⋯前代未聞の事態となりましたぁぁぁぁぁぁぁ!!!!! ちょ!? これ、マジどうすんのよぉぉーーー!!!!」

「「「「「⋯⋯⋯⋯」」」」」


 会場は、司会のフェリシアの『アイドル』ではない()のフェリシア・ジャスミンの声が響くだけで、観覧席からは歓声もなく、ただ、静まり返っていた。


「な⋯⋯なんだ、あの生徒は?」

「名前はウキョウ⋯⋯と。姓はなかった」

「ああ⋯⋯つまり、ただの『平民』の生徒てことだ」

「こ、こんな、下克上が起こるとは⋯⋯」

「い、いくら、動天世代(アストロ・エイジ)と言われる一回生とはいえ、平民にそのような実力者がいたとは⋯⋯!?」


 観客席からは、歓声など一切なく、ただ、目の前の試合結果という『現実』に理解が追いついていなかった。それだけ『前代未聞の結果』ということである。


「⋯⋯な、何者⋯⋯でしょうか?」


 俺はさっきまで『ひざまくら』をしていたが試合結果に驚き飛び起きたレイア姫に呟いた。


「わ、わからん。私もあの平民の生徒など⋯⋯全くのノーマークだった」


 レイア姫もまた、この試合結果に目を白黒させている。


「これまでの大会で、平民が上級貴族を破るということはあったんですか?」

「い、いや、聞いたことがない。そもそも⋯⋯」


 そう言って、レイア姫がいろいろと説明をしてくれた。


——————————————————


【レイア姫の説明】


・この世界で『貴族』と『平民』を大きく分けるのは『魔力量』で、魔力量が豊富であればあるほど、使用する魔法の数はもちろん、魔法威力も増す


・また、魔力量は『剣術』や『武闘術』にも影響を及ぶす。剣術も武闘術も『身体強化(ビルド)』が基本となり、さらに魔法効果も付与できるので、魔力量の差は実力の差にもなってくる


・そして、魔力量が豊富なのは王族や貴族で、平民の魔力量とは数十倍もの差がある。その為、貴族の中の下級貴族が上級貴族を倒す『下克上』はあっても、平民の下克上というのはこれまでの記録にはないはずだ


・たしかに、平民でもたまに魔力量の豊富な生徒が出てくるが、それでも下級貴族と良い勝負する程度。最もそれはそれで凄いことである


・よって、生活魔法程度しか扱えない平民が上級貴族を下すというこの試合結果が、いかに、常識を外れているかということだ


——————————————————


「なるほど。しかも、このウキョウという生徒⋯⋯その上級貴族の生徒相手に圧倒して勝ってましたね」

「うむ。しかも圧倒どころか一撃だった。先制したのは上級貴族の生徒だったにも関わらず、彼の攻撃が入る瞬間、目の前から消え、気づけば、背後から意識を刈り取っていた」

「ええ。もの凄いスピードで背後に回りましたね」

「⋯⋯正直、わたしはその奴の移動の軌跡を確認することはできなかったが⋯⋯⋯⋯カイトは見えていたんだな?」

「っ!? え、ええ、まあ⋯⋯」


 俺は一瞬、「まずいこと言ったか?」と思ったが、「まあ、今さら隠さなくてもいいだろう」と開き直る。


「そうか、流石だな」


 レイア姫がフッと笑う。


「それにしても、このウキョウという生徒、Cクラスのようだがカイトは知っているか?」

「い、いえ、僕も知らなかったです」

「ふむ。これほどの実力者が『平民』にいたとは。本来なら決勝トーナメントに備えてそろそろ準備しようとしていたが、このまま残りの試合もここで一緒に見てもいいか?」

「え?! あ、は、はい! もちろんです」

「⋯⋯ありがとう」


 俺にとっては、目の前のレイア姫との交流が(しかも『ひざまくら』有り)、さっきの試合結果よりも重要案件だった。それにしても、レイア姫といつも一緒にいる『護衛』の生徒たちはどこに行ったのだろう?


「あ、あのレイア姫様。いつも一緒にいる護衛の方は?」

「お、おお! カ、カイト! 見ろ! 次の試合が始まるぞ!」

「え⋯⋯? あ、ああ、そうですね」


 何だか誤魔化している感、満載だったが、俺は別に構わない⋯⋯というか、このままで一向に構わないのでそのまま誤魔化されることにした。



********************



「さ、先ほどの波乱の試合結果により、いまだ観覧席も先生方も動揺していますが、まだ試合は残っているのでこのまま予選トーナメントを進行します。それでは第八試合を開始しますので、ジェヌス・ピレリ、サラ選手は入場してください」


 フェリシモ自身も若干動揺気味ではあるものの、『プロ根性?』を見せて、予選を進行した。


「あ⋯⋯! ステルス系幸薄美少女⋯⋯」

「え? な、何ですか? び、びびび、美少女⋯⋯?! あ、あ、あの舞台にいる女子生徒は、し、しし、知り合いなのか? それとも、こ、ここここ、恋人なのかぁぁぁぁ!!!!」


 レイア姫のテンションがいきなりボアアップし、俺の胸ぐらを掴んで首をガクンガクン揺らしながら聞いてきた。


「い、いいい、いえ! そ、そんな訳ありません! た、たたた、ただのクラスメートですっ!!!!」


 俺は首をシャウトしながら、全力で否定する。


「そ! そそそ、そうか! ただのクラスメートか! ふ、ふーん⋯⋯」


 レイア姫はそう言うと、何とか胸ぐらから手を離してくれた。それにしてもすごい力だ。


「と、ところで! あの女子生徒の名は『サラ』とだけ司会が言っていたようだが、ということは、あの子も『平民』の子なのか?」

「はい」

「⋯⋯⋯⋯ま、まさか。い、いいい、いや、そんなことはないか!」

「ええ、そうですよ、レイア姫様。流石にいくら何でも二度も平民の生徒が上級貴族を負かすなんてこと、あるわけないですよ〜」

「そ、そうだよな、はっはっは。いやまったく私としたことが⋯⋯。そんなさっきのような下克上などあるわけがない」

「ええ、そうですよ」


 おっと。何やら『フラグ』のような気がしてならない。


「それでは、第八試合⋯⋯⋯⋯はじめーーーっ!!!!!」



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