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自重知らずの異世界転生者-膨大な魔力を引っさげて異世界デビューしたら、規格外過ぎて自重を求められています-  作者: mitsuzo
第二章 騎士学園編

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051「一同騒然。さらに⋯⋯?」



——ガス・ジャガー対カイト・シュタイナーの一戦が始まった。


火炎弾(ファイヤー・バレット)! 猛襲風刃(ストーム・ブレード)!」


 ガスは試合開始直後、すぐにバッと後ろに下がるや否や、火属性と風属性の中級魔法を同時展開。ディーノの忠告通り、先手必勝で一気に勝負をかけた。


 右手から火属性、左手からは風属性を発動。さらに、ガスはその二つの魔法を混ざり合わせ、小型の竜巻の中で猛威を振るう『かまいたち』に、さらに火炎弾(ファイヤー・バレット)の『無数の火の弾』を合体させた。


 それは凄まじい熱と風の刃を伴わせて、カイトに襲いかかる。


「合体魔法!『死の輪舞(デス・ロンド)』っ!!!!」


 火属性と風属性中級魔法を合体させたガス・ジャガーのいきなりの合体魔法に、


「いいっ!? ガス・ジャガー様の合体魔法『死の輪舞(デス・ロンド)』⋯⋯いきなりかよっ!」

「な、なんていう熱風だ! ここまで離れていてもヒリヒリと熱量が伝わる!」

「ま、まさに先手必勝⋯⋯一撃でカタをつける気だ!」

「下級貴族のカイト・シュタイナーに先手必勝で合体魔法を使うなんて⋯⋯それだけの相手と認めたってことか」


 そんな周囲が騒然とする中、


「素晴らしいです、ガス様っ!」


 普段、冷静なディーノはガスの先手必勝の合体魔法に手応えを感じ、興奮のあまり声を上げる。


「マズイ! 逃げろ、カイトーっ!」

「おい、カイト! 何やってるんだ! 逃げろバカ野郎っ!」

「いかん、カイト・シュタイナー、逃げろ!⋯⋯⋯⋯ダメ、早く逃げてぇぇぇーーーー!!!!」


 そして、二人が戦っている舞台の周囲にいたザック、イグナス、レイア姫ことレイア・クラリオンも悲鳴のような叫びをあげる。


「いかん! カイト、逃げろ! それに直撃すれば無事じゃ済まないぞ!」


 もう一つの舞台にいたレコもまた「逃げろ」と必死に声をかけた。


——しかし


「⋯⋯氷結爆砕(フリーズ・ブラスト)


 カッチーーーーーーーン!


「「「「「⋯⋯はっ??????????」」」」」


 カイトは前回のカート・マロンと同じように、ガスの合体魔法も一瞬で凍結。イグナスとやった時のように『竜巻の氷のオブジェ』を完成させ、そして、


 ドッパーーーーーーーン!!!!!


 爆散させる。すると、周囲の生徒や先生、その場のすべての者たちがその光景に思考停止&身体硬直を余儀なくされる。


「すごい! 今の二つの魔法を合わせた合体魔法というもの⋯⋯初めて見ました! すごいです、ガス・ジャガー様!」

「⋯⋯バ、バカ⋯⋯な⋯⋯」


 自身の今出せる最大の魔力を込めて放った一撃必殺の合体魔法『死の輪舞(デス・ロンド)』が、ただの氷属性中級魔法氷結爆砕(フリーズ・ブラスト)に一瞬で凍結し爆散されたガスは、目の前の現実をすぐには受け止められずにいた。


「そ、そんなバカなぁぁぁ!? 中級魔法の火属性と風属性の合体魔法だぞっ!? どうして、ただの氷結爆砕(フリーズ・ブラスト)が、あんな一瞬で凍結させることができるんだぁぁぁっ!!!!」


 ディーノに関しては、ガス以上に目の前の光景にもはや錯乱している。そして、その脅威の結果はガス・ジャガー陣営以外にも広がる。


「え?」

「ウ、ウソだろ? なんだよ、今の⋯⋯」


 ザックとイグナス呆然。


「え? う、うそ? なんで⋯⋯? ただの中級の氷属性魔法でどうして⋯⋯合体魔法が止められるのよ?」


 レイア姫もまた呆然。


「す、すごい⋯⋯。ていうか、あのバカ! すごいけど⋯⋯この後、どうすんのよ! もう! これだけのことしでかしたら隠し切れないわよっ!?」


 レコも一瞬、カイトの力に感嘆の息を漏らすもすぐに現実に戻り、この後どうごまかせばいいかと頭を抱える。


「じゃあ、次は僕の番ですね。頑張るぞー!」


 そんな、道化を演じ続けるカイトがガスだけに見えるように『ニチャァ』と獰猛な笑みを浮かべながら、右手を上に掲げる。そして、またガスだけに聞こえるように小声で呟く。


「⋯⋯俺の魔法をもしも耐え切れたらイグナスのことは許してやる。でも、もし、耐え切れないと思うなら今すぐ土下座しろ。じゃないと⋯⋯死ぬよ?」

「な、何だとっ?! お、おい! それって、どういう⋯⋯⋯⋯え?」


 カイトはガスの反応を無視し、そのまま上にあげた右手に膨大な魔力を収束させる。すると、その上にあげた右手から『炎の塊』が出現。すると、それは『ズズズズズ⋯⋯』とみるみる膨張していく。


「な、何だ⋯⋯あれ?」

炎球(フレイム・ボール)? いや、でもそれにしては⋯⋯」

「バカ! あんな馬鹿でかい炎の塊が初級魔法の炎球(フレイム・ボール)なわけないだろ!」

「お、おいおい、どんどん⋯⋯大きくなって⋯⋯」

「え? え? ちょ⋯⋯あれ、やばくねーか?」


 カイトの手のひらの炎の塊はグングン膨張し、あっという間に四メートル(・・・・・)ほどに達していた。


「な、なんだ、あの馬鹿でかい炎の塊は?」

「い、いや、いや、カイトの奴⋯⋯あれで、何をするつもりだ?」


 ザックとイグナスもカイトの見たことのない膨張する炎の塊に目を奪われている。しかし、ここでこの『膨張する炎の塊』に気づく者が⋯⋯約二名。


「え? カ、カイト・シュタイナーのあれって⋯⋯ま、まさか⋯⋯まさかよね?」

「いぃっ!! あ、あいつ、まさかここで、ガス・ジャガーに⋯⋯」

「「超級魔法『極致炎壊(フレア・バースト)』を打つ気ぃぃぃーーーっ!!!!」」


 レイア・クラリオンとレコ・キャスヴェリーの真っ青な顔と絶叫がシンクロする。


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