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自重知らずの異世界転生者-膨大な魔力を引っさげて異世界デビューしたら、規格外過ぎて自重を求められています-  作者: mitsuzo
第二章 騎士学園編

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048「虎視眈々と〜レイア姫side〜(後編)」



「と、ところで、その⋯⋯どうして僕の名を?」

「うむ。お前の話は()から聞いておる」

「父? あ⋯⋯」


 そうだよね。いきなり、王族から声を掛けられたらビックリするよね。⋯⋯などと、私が思っていると、カイト・シュタイナーが突然、スッと顔を近づけてきた。


 きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!! 顔、かお、カオぉぉぉぉ!!!!⋯⋯⋯⋯すると、


「貴様っ! 何をしている!」

「姫様に近寄るなっ!!!!」


 と、護衛の生徒が私の前に来て、カイト・シュタイナーの邪魔をした。


 ちょっと邪魔ー! 抗議よ、抗議っ!


「よい。問題ない。許す」

「し、しかし⋯⋯!!」

「ひ、姫様⋯⋯!!」

「許す⋯⋯と私は言いましたよ?」

「「うっ! し、失礼⋯⋯しました⋯⋯」」


 まー、この子たちは私を守るために一生懸命仕事をしているのだから仕方ないわよね。でも、カイト・シュタイナーのことをそこまで睨まなくてもいいでしょ!


 とはいえ、それも含めて彼らの仕事であるともちろん理解しているので、私は特にこれ以上は何も言わなかった。まー、私がカイト・シュタイナーを擁護するようなこと言ってしまったら問題だしね。


 ということで、再度カイト・シュタイナーが顔を近づけてきた。きゃー! 二回目キターーーー!!!!


「ちなみに僕のこと⋯⋯どの辺まで聞いてます?」


 私は、テンション爆上がりの心の声を完全に消しつつ、お父様のようにクールな感じで返事をする。


「グラン・キャンバス大渓谷の仕業がお前である⋯⋯という事実」

「っ!!!!」


 きゃー! カイト・シュタイナーがビックリしてるー! そして、ビックリした顔も可愛いぃぃぃ!!!!


 どどど、どうしましょ!? どうしましょ!? もう、あれよね!『一家に1カイト・シュタイナー』ということでいいわよね! はい、決まりました! 異論は認めませんっ!!


 などと、もはや何を言っているのか自分でもわからないくらいに、カイト・シュタイナーの可愛い顔にメロメロとなっていた。


 はっ! いけない! ダメよ、レイア・クラリオン! 油断したら、心の声とテンションが表に漏れ出てしまうわ! 周囲に、私がカイト・シュタイナーに興味があると知られちゃうのは絶対にダメっ!


 抑えて⋯⋯抑えるのよ、レイア・クラリオン。あなたならできるわ!


「そ、それで、どうして僕に接触してきたのでしょうか?」


 よ、よし! ここで、うまいこと『特に興味がない風』な一言を言うわよ!


「カイト・シュタイナーという者がどういう生徒か、ちょっと気になって話しかけた」

「な、なるほど」


 今よっ!


「まあ、正直⋯⋯パッと見は、パッとしない男じゃな」


 うん! 今のいいんじゃないかしら!『パッ』を二回使うところがより一層、興味がないことを強調できたと思うわ。これなら⋯⋯、


「あ⋯⋯なんか、すみません」


 いやぁぁあぁあぁあぁぁあぁぁぁぁ!!!! カイト・シュタイナーが落ち込んだ顔しちゃったぁぁぁぁぁぁーーーー!!!! それは⋯⋯それだけは、嫌ぁぁぁぁーーーーっ!!!!


「じゃが⋯⋯」

「?」

「だからこそ、興味が湧いたぞ!」

「えっ?!」


 あ! ちょっと、顔が明るくなった! よかったぁぁぁ!


 とりあえず、これ以上の話は無理ね。周囲の生徒に⋯⋯ていうか先生にも注目されちゃってるし。何より、私がもう緊張でいっぱいいっぱいだし、


 とりあえず、『カイト・シュタイナーは()でるもの』『一家に1カイト・シュタイナー』ということがわかっただけでも大収穫よ!


「まあ、とにかくお前と話ができてよかった。では、またな」

「え? あ、ちょ、ちょっと⋯⋯」


 私は最後まで、クールなお父様風を装ってカイト・シュタイナーに別れを告げた。は〜⋯⋯でも、よかった。すごくよかったわ、カイト・シュタイナー。


 本当にあんなに可愛い子が、あの『グラン・キャンバス大渓谷事変』を起こした張本人だというの?⋯⋯正直、信じられないわ。


 まぁ、でも来月には『クラス編成トーナメント』があるから、そこで彼が強いかどうかはわかるでしょう。落ち着きを取り戻した私は、とりあえず『やり遂げた』という達成感に大満足したので、少し休憩しようと王族寮へと向かおうとした⋯⋯その時だった。


「はぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜??????!!!!!!」


 突然、舞台上から女性の叫び声が響いた。見ると、レコ・キャスヴェリー先生が叫んだようだ。


「え? え? 何? レコ・キャスヴェリー先生⋯⋯?」


 そう言って、私は舞台で魔法指導中のレコ・キャスヴェリー先生が、睨むような視線を送っている先に目を向けた。すると、


「えっ?! カイト・シュタイナーきゅんが舞台にっ!!!! でも⋯⋯なぜ?」


 私はカイト・シュタイナーの姿が目に映ると、またテンションが上がり『にへら〜』と顔を崩す。しかし、


「あ、あれはっ!? ジャガー財閥のガス・ジャガー! ど、どういうこと⋯⋯」


 カイト・シュタイナーと一緒に舞台に立っている男が、あのジャガー財閥のガス・ジャガーとわかった私は、急いでカイト・シュタイナーがいる舞台へと戻った。


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