表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自重知らずの異世界転生者-膨大な魔力を引っさげて異世界デビューしたら、規格外過ぎて自重を求められています-  作者: mitsuzo
第二章 騎士学園編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/167

027「再会と説教と」



<<一回生のカイト・シュタイナー君。一回生のカイト・シュタイナー君。入学式が終わったらすぐに学園長室へ来てください。繰り返します。一回生のカイト・シュタイナー君、入学式が終わったら⋯⋯>>


 へ? なんで?


 ざわ⋯⋯ざわざわざわざわざわ⋯⋯ざっわー!!!!


 周囲の一回生が、俺を見ながらカ○ジのモブ並みにざわつく。


 舐めプな態度で油断したらこれかよー!!!!


 俺は下を向きながら、全力でその場を後にした。



*********************



——『学園長室』


「し、失礼します。カイト・シュタイナーです」

「入りたまえ」


 扉を開けると、そこには⋯⋯、


「よー、久しぶりだな⋯⋯カイト少年」


 クラリオン騎士団の騎士団長アルフレッド・ヴェントレー。そして、


「カイトっ!!!!!」

「レコっ!」


 レコ・キャスヴェリーが出迎えてくれた。


「こーら。私は教師だぞ。レコ・キャスヴェリー先生と呼びたまえっ!」


 と、レコはドヤ顔で無い胸を張って⋯⋯て、あれ? む、胸が⋯⋯ある、だとっ!!!!


 レコは俺の心の声を察したのか⋯⋯さらにドヤ顔をして双丘を主張する。


 こ、こいつ〜⋯⋯!!!!(いいぞ、もっとやれ)


「おお、君が例の⋯⋯ベクターの息子、カイト・シュタイナーじゃな?」

「は、はい。初めまして!」


 すると、学園長のハンニバル・シーザーが声をかけてきた。


「うむ。素直な良い子じゃないか、アルフレッド君」

「⋯⋯え、ええ」

「⋯⋯そう⋯⋯ですね」

「?」


 学園長の言葉にアルフレッドとレコが微妙な反応を示す。な、なんだ⋯⋯一体?


「それにしても、こんな子が本当に⋯⋯あれ(・・)をやったと?」

「まあ、おそらく⋯⋯」

「ほぼ、間違いないかと⋯⋯」

「??」


 え? なになに? 俺なんかやった? まだ入学初日でホームルームさえ参加していないんですけど?


「カイト少年⋯⋯」

「はい?」

「グラン・キャンバス大渓谷⋯⋯と聞いて思い当たるフシは?」

「グラン⋯⋯キャンバス⋯⋯?」


 はて? 何か聞いたことのあるような?


「カイト⋯⋯」

「なに?」

「超級魔法極致炎壊(フレア・バースト)⋯⋯と聞いて思い当たるフシは?」


 はて? 何か聞いたことのあるような?


「「はて? 何か聞いたことのあるような?⋯⋯⋯⋯じゃないっ!!!!」」


 おおっと! どうやら心の声がダダ漏れだったようだ。



********************



「はぁぁぁぁぁぁ〜⋯⋯やっぱりそうだったかぁぁぁぁぁ!!!!」

「ほら〜⋯⋯だから言ったじゃないですかぁぁぁ〜〜〜! あれは絶対カイトの仕業ですって!!!!」

「あい、とぅいまてん」


 二人の話によると約一週間前、グラン・キャンバス大渓谷にて大規模な爆発音と地震が観測されたということで騎士団に緊張が走る。


 さらに最悪なことに、それを国王に報告すると事の重大さに鑑み、騎士団及び王族、上級、下級貴族に『緊急事態令』を発令。騎士団の調査結果次第では戦時となる可能性を言及。


 調査をすると、どうやら「いろいろな魔法を撃った形跡がある」ということがわかった。なので、魔獣の大群暴走(スタンピード)の可能性は薄いという判断になった。だが、そのかわり「やはり他国が攻めてきたのか?」という線が濃厚になり、騎士団に緊張が走る。


 しかし、さらに調査を進めると今度は多くのクレーターの形跡を見て「超級魔法極致炎壊(フレア・バースト)の着弾跡に酷似している」ということがわかった。


 その調査報告を受けたレコとアルフレッドがピンときて、お互いの青ざめた顔を見合わせる。


「もしかして⋯⋯君も誰か(・・)の顔が浮かんだかな⋯⋯レコ・キャスヴェリー君?」

「は、はい⋯⋯。偶然にも⋯⋯団長の頭に浮かんだ人物(・・)とおそらく同一人物かと⋯⋯」


 ということで、アルフレッドが何とかして捻り出した調査結果(ごまかし)を騎士団の皆に伝え、調査が終了。同時に国王にもそのように調査結果を伝え、事態は収束。『緊急事態令』も解除となった。


 どうやら、俺の知らないところで中々の大事(おおごと)になっていたようだ。


 いや〜、くわい、くわい。


「くわい、くわい⋯⋯じゃないっ! カイト少年! お前は一体何をやってるんだ!!!!」

「そうよ! あの時話してたでしょ! この『力』は隠しておけって!!!!」


 おっと、またもや『心の声』が漏れてましたか。


「ちょ、ちょ、タイム。タイム。い、いいの⋯⋯?」

「「何が!!!!」」

「いや、その⋯⋯学園長⋯⋯が⋯⋯」


 そう。この話は俺たち家族とこの二人以外は知らない話⋯⋯知ってはいけない話⋯⋯のはず。なのに、学園長の目の前で堂々と二人は俺に問い詰めている。これってかなりマズイのでは?


「ああ、大丈夫じゃ。ワシも一枚噛んどる⋯⋯」

「なんと!」


 このじじい⋯⋯おっと、学園長もまさかのこっち側(・・・・)の人間っ!?


「ああ。ちなみに現在(・・)、カイト少年の『力』を知っているのは、私たち以外に学園長と⋯⋯⋯⋯ラディット国王(・・・・・・・)だ」

「ええぇぇぇぇぇっ?! ラ、ラディット⋯⋯国王っ!!!!!!!」


 ま、まさか!!!! ここで、クラリオン王国の国王の名前が出るなんてっ!?


 俺の想像以上に異世界チート展開が加速してる?


「当たり前でしょ! ラディット国王が私たちの仲間じゃなかったら、あんたなんてとっくに騎士団にしょっ引かれてるわよ、馬鹿っ!!!!」


 この後、メチャクチャ搾られたった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ