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自重知らずの異世界転生者-膨大な魔力を引っさげて異世界デビューしたら、規格外過ぎて自重を求められています-  作者: mitsuzo
第一章 幼少編

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017「秘密会議(後編)」



「大丈夫だ、カイト! 騎士学園に入学するのは十歳⋯⋯今から五年後だ。そして、その五年の間に私が剣術や武闘術を⋯⋯ジェーンが魔法をお前に教える。なーに、五年間も私たちと特訓すれば騎士学園入学の頃にはもう学園内で遅れるを取ることは絶対にない。まかせろっ!」


 そう言って、ベクターが笑顔のサムズアップ。


「そうよ、カイトちゃん! お母さんもはりきって魔法をいーーぱい教えちゃうから! ああ⋯⋯五年後のカイトちゃんの活躍が今から待ち遠しいわー⋯⋯」


 ジェーンは、五年後の俺が騎士学園で活躍している『妄想』をしていた。


 どうやら、俺に拒否権はないようだ。


 ていうか、ぶっちゃけ⋯⋯望むところではあるがな。


 なんせ、俺の『異世界に転生したらやりたいことリスト』を実現するには強さはもちろん必要だし、もっと言えば⋯⋯⋯⋯相手との力量さを見せつけるほどの圧倒的な強さが必要なのだ。


 なので、ベクターとジェーンの英才教育は望むところであり、むしろ、絶対に必要なマストイベントであるのだ。


「⋯⋯わ、わかりました。とりあえず、父が言った『騎士学園をまとめる』というのはできるかどうか、わかりませんが特訓は頑張りたいと思います」


 そんな⋯⋯「本当はやりたくないけど頑張ります」を装って返事をする。


「うむ! よくぞ、言った、カイト! 私たちに任せろ!」

「カイトちゃん、まかせて! 強くなったら女の子にモテモテよ!」



*********************



「ところで、ベクター。カイト君を強くして騎士学園をまとめさせる⋯⋯という話はわかったが、それがどう『騎士団掃除』につながるんだ?」

「ふ⋯⋯。カイトが騎士学園で目立つようになれば、それを『気に食わない奴ら』が必ず出てくる。俺たちの時もそうだったろ?」

「⋯⋯なるほど。そういうことか」

「うむ。そして、そういう奴らを追えば、いずれ必ず『膿の本丸』に辿り着く。そうすれば⋯⋯」

「一網打尽⋯⋯というわけね」

「もちろん、これからは私たちも協力するわ、アル。カイトのこの力はきっと⋯⋯この先のクラリオン王国に大きなインパクトを与えることになるはずだからね。まあ、騎士団に復帰⋯⋯というわけにはいかないけど、今の私たちにできる限りのことは何でも協力するわ」

「ジェーン⋯⋯」

「うむ。ジェーンの言う通りだ、アル。そして、これが我々がずっと待ち望んでいた『騎士団掃除のきっかけ』になるものだと私は確信している。それだけの覚悟で私は動くつもりだ」

「っ!? ベクター! お、お前⋯⋯そこまでカイト君の力を買って⋯⋯」

「もちろんだ。それだけの力をカイトは持っている。それに下手をしたら⋯⋯我々の想像を軽く超える可能性さえある。それだけの逸材だ」

「なによ、あなた。私以上にカイトのことベタ褒めじゃない!」

「私は君のように軽率に褒めないだけで、カイトへの想いは君に負けるつもりはないぞ?」

「なっ?! なにをー!!!! よーし、いいでしょう、ベクター。どっちがカイトを想っているのか⋯⋯(これ)ではっきりさせましょう」

「望むところだ。団長の強さを忘れたかな、副団長(・・・)のジェーン君?」

「あらあら、まあまあ。いつの話をしてらっしゃるのですか、団長? ちなみに私⋯⋯騎士団を抜けた後も現役のキレを忘れないよう訓練を欠かしたことはありませんのよ。手加減したほうがよろしくて?」

「ふ⋯⋯本当の強さとは訓練などではけっして差は埋まらないものだよ、ジェーン君?」

「いいでしょう。では、手加減なしで⋯⋯⋯⋯参りますっ!」

「参りますじゃねーーーーーーー!!!!!!!!!!」


 アルフレッドが臨戦態勢の整った二人を必死で静止させる。


「バカかお前らっ!? お前らが本気で戦ったらこの屋敷どころか、この一帯の地形が変わるわ!」

「はっはっは、バカなことを⋯⋯。この一帯どころで済むわけないだろ?」

「そうよ、アル。現役を退いても力は当時と変わらないわよ、私たち」

「そこまで自分たちの力を理解してるなら、喧嘩をおっ始めようとすんじゃねーーーーーーっ!!!!!!!!!!」


 あ⋯⋯。アルフレッドがマジギレした。


 この後、小一時間⋯⋯二人はマジギレしたアルフレッドにマジ説教されました。



*********************



「とりあえず、ベクターとジェーンの話はわかった。俺もそのつもりで今後は動くよ」

「うむ、頼むぞ、アル」

「お願いね、アル」

「ああ。では五年後に⋯⋯」


 アルフレッドがそう言うと、三人はお互いの右手を重ね合わせ、その重なった手を見続けた。


「必ず成功させるぞ!」

「ああ、もちろんだ。これ以上騎士団を腐らせはしない!」

「やるなら徹底的に⋯⋯とことん、やるわよん!」


 こうして、秘密会議の幕が降りた。


 おーい。


 主人公が置いてけぼりですよー。


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