148「自重にわかりみが深い男(総ツッコミ不可避)」
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【オリジナル魔法】
『洗脳魔法・無効化魔法』
・闇属性上級魔法『偽装記憶』
(対象者の記憶領域に偽装記憶をセットする)
(国に仕掛けられている大規模洗脳魔法よりも威力は上)
(対象者との実力差により効果は変わると思われる)
・闇属性上級魔法『偽装記憶消去』
(対象者の偽装記憶を消去。無ければ特に何も起こらない)
(対象者との実力差により効果は変わると思われる)
・闇属性下級〜超級魔法『大規模偽装記憶消去』
(範囲は直径10km。大規模に偽装記憶を展開)
(対象範囲によって下級〜超級と分かれる)
『結界系魔法』
・光属性超級魔法『大規模結界』
(最大直径10km以内を結界で囲む。悪意ある魔法を遮断(悪意の基準は術者の条件による))
・光属性下級〜超級魔法『大規模精査』
(最大直径10m〜10km以内の悪意ある魔法を調査する魔法(悪意の基準は術者の条件による))
(対象範囲によって下級〜超級と分かれる)
『バフ・デバフ系魔法』
・闇属性下級〜超級魔法『魔力制御誘導』
(対象者の魔力制御を奪うことにより、魔力コントロールを支援して通常よりも魔法威力を上げるバフ効果と、逆に魔力コントロールを乱して通常よりも魔法威力を下げるデバフ効果を生む)
(対象者との実力差により効果は変わると思われる)
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「え〜と⋯⋯カイト君? 結局オリジナル魔法は全部で6つのようだね」
「あ、そうですね」
「カ、カイト⋯⋯超級魔法って書いてあるけど、超級魔法作っちゃったの?」
「何か作れた」
「カ、カイト君⋯⋯結界魔法なんてどうして作れたんですか?」
「何か作れた」
「カ、カイト⋯⋯『自重』って言葉、知ってる?」
「もちろん! むしろ理解度は深いんじゃないかな?」
「「「「どの口がだよ(ですよ)っ!!!!」」」」
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「とりあえず、『カイトだから』ということで、現実は一旦『端っこ』に置いといて、話を進めたいと思います。みんなも現実は『端っこ』に置くように」
「「「はーい!」」」
「さて、カイト君⋯⋯とりあえずこうして見ると、改めてかなりぶっ飛んでいるのは今さらだけど、まずは、この光属性魔法の『大規模結界魔法』⋯⋯⋯⋯よく作ったね?」
「はい。これは元々『大規模洗脳魔法』で『広範囲に効果を及ぼす魔法』を作る時に着手していたので、それを応用した感じです」
「なるほど」
「それに、よくよく考えたら、今後、洗脳魔法だけでなく、それ以外の『魔法攻撃』を国レベルで大規模に仕掛けられたらマズイよねって考えまして、それで『結界魔法作ったらいいじゃん!』という結論に達しました。それで試しに作ってみたら成功しました」
「ふーん」
「あ、でも、魔力をバカ喰いする魔法なので、魔法の効果範囲を段階的に分けて『下級〜超級』と用途に応じて使役できるようにしました。いや〜我ながらよくできました〜」
「うん、出来過ぎな? もはや、神の領域な?」
「え? ソフィア先生?」
「あ、気にしないで⋯⋯もう諦めているから。それよりも⋯⋯」
あれ? ソフィアと以下三名の目が⋯⋯死んだ魚のような目を? 寝不足かな?
「それにしても、この『大規模精査』って魔法すごいな、カイト⋯⋯」
「ん? ああ⋯⋯だろ? これ、今回の『洗脳魔法の使役者』を探すために作ったんだよ。探す条件は自分で『イメージ』してそれを魔力に込めて使えるようにしたわ〜」
「いや、『したわ〜』って⋯⋯」
「もう、マイルズっ! それを実際に作れるのが『カイトクオリティー』ってことで諦めなさいよ!」
「そうですよ、マイルズ君! 何をいまさら『|カイト君の常識にツッコんでいるんですか《・・・・・・・・・・・・・・・・・・・》!」
「あ、わりぃわりぃ⋯⋯」
「⋯⋯」
何だろう、俺へのヘイトにように聞こえるのは?
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「ところで、カイトよー⋯⋯この『魔力制御誘導』というのは何ですか?」
「ああ⋯⋯これは『相手の体内の魔力コントロールを奪う魔法』だ」
「ん? 相手の魔力コントロールを奪う? どゆこと?」
「魔力コントロールを奪ってどうすんのよ?」
マイルズとセイラは、カイトの説明にいまいち理解していない様子だった。⋯⋯が、
「ちょっ!? な、何を言っているのですか、お二人とも! この魔法⋯⋯ある意味、一番ヤバいやつですよぉぉぉ〜〜〜〜〜〜!!!!」
「「ええっ?!」」
シーファは真っ青な顔をしながら、マイルズとセイラにバタバタと必死にアピールしていた。
「うん、シーファの言う通りだね。これ⋯⋯⋯⋯かなりヤバい魔法だね?」
「「ソ、ソフィア室長まで⋯⋯っ!?」」
「で、でも⋯⋯何がヤバいんだ?」
「シーファ、説明してやってくれ⋯⋯」
「は、はい!⋯⋯いいですか、よーーーく考えてください⋯⋯」
そう言って、シーファがまだピンときていないマイルズとセイラに説明し始めた。
「私たちの体内には魔力がありますよね? そして、その魔力をコントロールできるようになって初めて私たちは『魔法』が使えるようになります」
「あ、ああ、そう⋯⋯だな⋯⋯」
「そ、そうね⋯⋯」
「まだ、わかりませんか? つまり、カイト君のこの『魔力制御誘導』という魔法は、そんな⋯⋯⋯⋯魔力コントロールの『指揮権を奪う』という魔法なんですよ? もし、魔力コントロールの指揮権を奪われたら『魔法が使えなくなる』ということなんですよ!」
「「あっ!!!!」」
二人がシーファの説明にやっと気づいたようだ。
「わかったかい? カイト君のこの『魔力制御誘導』は他の魔法とは違って『戦闘用の魔法』だ。そして、その魔法は攻撃魔法でも防御魔法でもなく『魔法発動そのものを殺す魔法』だからね? ある意味『最強の魔法』じゃないかな?⋯⋯これは本当に笑えないね」
「「「⋯⋯⋯⋯」」」
ソフィアの説明に三人は青ざめた顔で棒立ちとなっている。
それにしても、シーファとソフィアの説明だが正直、あの説明だけでは、
「⋯⋯50点」
「えっ?!」
「その説明だと50点だな」
「半分っ?! ほ、他にも、利点があるの?」
というわけで、俺は『残り50点』の説明を始めた。




