123「大会終了。そして・・・」
「しょ、勝者っ! カイト・シュタイナーっ!!!!!」
「「「「「ワァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーっ!!!!!!!!」」」」」
カイト・シュタイナーの圧倒的勝利で幕を閉じた一回生クラス編成トーナメント。
その後、十分間の休憩が取られた後、舞台には決勝トーナメントに参加した11人だけが並び、それ以外の生徒は舞台を囲むようにして立っていた。そこへ、
「ふぉふぉふぉ⋯⋯ご苦労じゃった、一回生諸君」
「素晴らしかったぞ、一回生!」
「すごい試合を⋯⋯見させていただきました」
学園長ハンニバル・シーザーと、ラディット国王が登場。
さらに、ヤマト皇国・皇のリュウカイ・ヤマトも登場した。
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「一回生諸君、試合ごくろうだった! 今年の一回生は『動天世代』と呼ばれ、大きな期待と注目を集めていたが、それが逆にプレッシャーに感じてやしないかと心配をしていた。⋯⋯が蓋を開けてみれば、その皆の期待を大きく上回る結果を見せてくれた! これほど、レベルの高い一回生は歴代最強と言っても過言ではないだろう! よくやった!」
「「「「「ウワァァァァァァーーーーーー!!!!!!」」」」」
ラディット国王が一回生を手放しで大絶賛すると、会場の一般客はもちろん、見学に来ていたほとんどの二回生・三回生からも大きな驚きと共に大声援が送られた。
ラディット国王の言葉どおり⋯⋯レベルの高い試合であったと誰もが認めた瞬間でもあった。
「さてさて、そんなわけで、Aクラスは序列1位から12位までの12人体制となるが、皆も知っての通り、クラス編成トーナメントが終わったということは、同時に『序列決闘』が解禁ということになる」
学園長の言葉に、周囲の生徒らが一斉に色めきだった⋯⋯⋯⋯一人の生徒を除いて。
「な、なあ、イグナス⋯⋯『序列決闘』って何?」
「嘘だろ?! そんなことも知らねえのかよ!」
「でへへ⋯⋯」
「うぜー」
「カイト、『序列決闘』ってのはね、『序列』をかけて学園で決闘することだよ」
「ザック! こんなアホにわざわざ説明しなくてもいい!」
「ほうほう」
ザックの話だと、大会が終わっても『序列』は変動制らしく、学園内で下位の序列の者が上位の序列の者に決闘を申し込み、それに勝てば『勝った相手の序列』を奪うことができるそうだ。これを『序列決闘』というらしい。
「だけど、誰でも何度でもってわけじゃなくてAクラスに挑めるのはBクラスの生徒で、しかもBクラスの中で序列ごとに一人代表を決めて『月一回』という形で、まとめて『序列決闘』を行うんだ」
「なるほど」
「カイト⋯⋯お前、Aクラスの生徒同士の『序列決闘』もあるってことは理解しているよな?」
「え? Aクラスの生徒同士でもやるの?」
「当たり前だ! むしろ、同じクラスでの序列争いが基本だ!」
「そうなんだ⋯⋯」
「うん。あと上位クラスへの挑戦っていうのは、まあ、よっぽど⋯⋯⋯⋯かな? 滅多にないよ」
「え? なんで?」
「上位クラスとの『序列決闘』はデメリットが大きいからね。もしも、挑戦して負けでもしたら、負けた生徒は『序列二段階降格』となるから」
「序列二段階降格?」
「うん。『序列二段階降格』ってのは、その降格した序列の状態で一ヶ月『序列決闘』が禁止される」
「えっ!?『序列決闘』が⋯⋯⋯⋯禁止!」
「だから、上位クラスとの『序列決闘』はみんな慎重になるってわけ」
「な〜るほど」
たしかに『いつでも、誰でも、何度でも』なんて許してしまったら、それこそ毎月同じ奴らから『序列決闘』を申し込まれかねないだろうからな。
「ふん⋯⋯! つまり、学校が始まったら同じクラスの生徒たちは敵同士ってことだ。てめーも余裕ぶっこいて足元掬われないよう、せいぜい注意しな!」
「おーおー、ツンデレ乙」
「あーんっ?!(怒)」
「あーもう! 二人ともやめろよっ!」
ザックがいつもの俺とイグナスのやり取りに合いの手のようなツッコミを入れる。
そんな呑気にワイワイ二人と喋っていると、
「さて、大会はこれで終わりじゃが、今日はちょっとした発表がある」
ふと、学園長の様子が変わった。
何を⋯⋯⋯⋯発表するんだ?
「本日より、クラリオン騎士学園専属騎士団⋯⋯」
ん?
学園長、今何か言った?
「『クラリオン学園騎士団』をここに創設することを宣言するっ!!!!」
「「「「「ク、クラリオン⋯⋯学園⋯⋯騎士団⋯⋯っ!?」」」」」




