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自重知らずの異世界転生者-膨大な魔力を引っさげて異世界デビューしたら、規格外過ぎて自重を求められています-  作者: mitsuzo
第二章 騎士学園編

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113「プロポーズと大物出現(前編)」



「カイト・シュタイナー⋯⋯私はあなたの妻になります。結婚してください」


 サラの突然の『求婚宣言(プロポーズ)』で幕を閉じた準々決勝第三試合。本来なら少し休憩を置いて次の準決勝へと進むのだが、会場は⋯⋯⋯⋯それどころではなかった。


「ななな、なんと! サラ・ウィンバード選手! カイト・シュタイナー選手に対して、敗北宣言と思いきや、まさかの『求婚宣言(プロポーズ)』! きゃあぁぁぁぁーー!!!!」


 まず、司会のフェリシア・ジャスミンがすでに発狂しながらアナウンス。そして、


「うおおおお! いいぞー、色男ぉぉぉーーー!!!!」

「オラ、どうすんだ! 返事はよっ!」

「十歳で結婚かー! やるな! 俺は十三歳で結婚したが俺よりも早いってすげーよ!」

「いや、お前の結婚エピソードどうでもいいわ! え? お前、そうなの!」


 と、観客席も半ば混乱状態(カオス)と化していた。無理もない。しかし、混乱状態(カオス)といえば観客席以上に、


「は、はあぁぁあぁあぁぁ〜〜????!!!! な、何、言ってんの、そこの猫型獣人! まさに『泥棒猫』!⋯⋯とかうまいけど笑えないわぁぁぁぁぁぁーーーっ!!!!!」

「な、なななな、何を言っている、サラ・ウィンバード! 物事には順序というものがあってだな! いや待てよ? それなら私だって、いっそのことカイトにプロポーズを⋯⋯」

「ちょ、ちょっと、そこぉぉ〜〜!!!! 姫様まで何言ってるんですかっ! あなたたちはまだ一回生の学生ですよ! そんなのまだ早過ぎます!」

「いや、結婚は問題ないだろう? 我がクラリオン王国や他の国でもだいたい十歳から婚姻が認められているし、十三歳から成人として扱われるわけだから、むしろ、レコ先生は少し、奥ゆかし過ぎるのでは?」

「あ、あああ、あれぇぇぇ〜〜〜!!!???? そ、そうなんですかぁぁ〜〜〜っ!!!!」


 舞台横のレイアとレコはまさに混乱(カオス)の真っ只中でした。


 ちなみに現在の俺はというと、舞台にまだ居続けていて、サラはいつの間にか俺に向き合い、片膝をついて手を伸ばすという⋯⋯⋯⋯ガチな感じの『求婚宣言(プロポーズ)』の状態で俺の返事を待っていた。いや、立ち位置()ですよね? あ! あと、レイアが元気になったみたいだ。よかった、よかった。


 そんな、他人事のように振る舞っていると、


「なるほど。カイト・シュタイナーから返事がない⋯⋯つまり『結婚OK』ということですね? ありがとうございます。サラ、感謝感激でございます。では、今すぐ我が国リーガライド獣国へ出発しま⋯⋯」

「ちょ、ちょ、ちょぉぉーーーっ!!!! い、いやいやいやいや、早い、早い! 判断、行動、どっちも激早だからっ!?」


 サラ・ウィンバードは、俺の沈黙(・・)を光の如き速さで『婚約成立』と勝手に判定するや否や、俺の手をムンズと掴み、本当に舞台から出て行こうとした。あ、『肉球』あるんだ。プニプニして気持ちいいな〜⋯⋯。


「くぉらぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁ〜〜〜っ!!!! そこの泥棒猫ぉぉぉ〜〜〜っ!!!! 何、肉球使ってカイトの手ぇ握ってんだ、ごぉるぅぁあぁぁあぁぁ〜〜〜!!!!」

「レ、レコ先生⋯⋯怖い!?」


 俺の手を掴んだサラを見て、右手に膨大な魔力を圧縮させた『破壊力満点っぽい魔力の塊』を引っさげて舞台へと上がろうとする最年少上級魔法士。


 そして、その憤怒の形相で舞台へ上がろうとする最年少上級魔法士を、だいぶ引き気味に見ながら、必死に抑える我がクラリオン王国の第二王女。ああ⋯⋯レイアが冷静で本当によかった。


 観客席⋯⋯完全に野次馬化。舞台横一回生⋯⋯ニヤニヤしながら経緯を見守る第三者視点。そんな『混沌(カオス)』をどうやって鎮めようかと、そろそろマジで考えていると、


「じゃかぁしぃぃぃぞぉぉぉ、お前(おめー)らぁぁぁ〜〜〜っ!!!! 殺○ぞっ?!」

「「「「「⋯⋯⋯⋯っ!!!!!!!!!」」」」」


 歴史あるクラリオン騎士学園の学園長であり、クラリオン騎士団最強時代の元団長であらせられるハンニバル・シーザー様が熱量増し増し(ちょっと、ピーあり)の激声で一喝。すると、会場全体が一瞬にして沈黙する。あ、サラちゃんの尻尾とネコ耳がしゅん(・・・)となった。あらかわ!



********************



「ふぉっふぉっふぉっ。皆さん、静粛に⋯⋯静粛に⋯⋯」


 学園長がいつもの『好々爺』然に戻って、皆に改めて静まるよう声を掛けた。あ、でも、目が笑ってない。怖い!


「まず、一つずつ処理していくぞい。カイト・シュタイナー君⋯⋯」

「は、はいっ!」


 突然、名前を呼ばれた俺は思わずビクッとしながら返事をする。


「君、サラ・ウィンバードちゃんの求婚受けるの?」

「い、いやいやいや! 受けません! 受けませんよ!」

「ガーン! そ、そんな! 私たちは相思相愛だったのではっ!?」


 サラ・ウィンバードちゃんの脳内では俺と相思相愛となっていたようだ。いや、むしろ今日初めてお話したのですがっ?!


 あと、この猫っ子女子⋯⋯なんか見た目は清楚でお淑やかな印象だったのに、まさかの『肉食系ヤンデレ猫っ子女子』だったとは! ていうか、属性色々てんこ盛りだな、おい!


「ちょっと待ったぁぁぁーーーっ!!!! トォっ!」


 ドシーーーン!!!!


 すると、今度は一人の『獣人』が観客席から飛び出して舞台に派手(・・)に登場した。こ、今度は何ぃ〜〜????


(われ)はリーガライド獣国、女王『アン・リーガライド』であーーーるっ!!!!」


 なんと、ド派手に登場したライオンのような真紅のたてがみが目を引く女性獣人は、獣人国の王様⋯⋯リーガライド獣国女王『アン・リーガライド』というまさかの大物(・・)だった。


 え? な、何? 一体何が起こっているの? いろいろめちゃくちゃなんですけどっ!?


 はっ! ま、まさかっ!? これも学園長のサプライズ⋯⋯⋯⋯って、学園長も驚きの表情なんですけどぉぉぉ〜〜〜っ!!!!


 な、何なの? 今、マジで何が起こってるの?


 誰か教えてくんなまし。


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